久しぶりの尾張
短い話になります。
こんな時間がもうないかな。
そんなで、翌日伊勢に出発。
伊勢ではまぁあまり話すことはない。
商売の話と慶次殿のごねる話ぐらい。
関係ないが、伊勢ではある噂が流れていた。重矩さんの伊勢攻め時の話だ。
実は伊勢攻めでは、半兵衛さんの案で、重矩殿が工作し、案を木下様と池田様らが実行し、潰したそうだ。
なんでも重矩さんは怖い人らしいと言う噂だ。そんなことないと思うが、伊勢ではそういう噂らしい。鬼とかなんとか。
重矩さんに何をしたか聞いたら、目をそらして、
「何でしょう?」と言っていた。
そんなで、尾張に戻り、小牧の家へ。
半年ぶりの実家だ。
もう夏に入る。尾張の街道は穂が青々と繁る。
家についた。
乱がひっついてきた。2歳になり、歩けるようになったのだ。
「兄い、遅い。」
「ようやく帰ってきたか。伊勢はどうだった?」
父上は美濃より、真っ直ぐ帰ってきたため先に着いたようだ。
「勝蔵、帰ってきたのね。お帰りなさい。」
母上はお腹を大きくし、いい笑顔で迎えてくれた。
「勝蔵長可、遅いぞ」
兄が坊丸を抱えながら言った。「兄ィ」と坊丸も。
新たに生まれた力丸君はこっちをじっと見ていた。
「長可様お疲れ様でした。慶次殿も。半兵衛も、重矩もお供お疲れ様でした。」
各務が迎えてくれた。
「勝蔵様、お疲れ様様です。私も家臣になりました。」
ヨーゼだ。ヨーゼも俺の家臣兼織田の水軍指南役となるようだ。
「皆様、京より戻りました。多くのことを学び、先日、お屋形様より名をもらい来年に元服いたすこととなりました。まだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。」
皆はその成長に驚く。腹からの声。それはどこまでも通る声、決して大声ではない。
「そして、叔父上ここまでありがとうございました。叔父上のお側で大変多くのことを学び、また多くの出会いに恵まれ、大変素晴らしい旅となりました。ここで、学んだことは家臣として織田家に、森家に返していきます。」
これ また素晴らしい口上である。
森可成はまた少し見ぬうちに、子が成長する様を見た。
母えいも、この成長を感じ涙ぐむ。
各務は喜びに言葉を失い。
半兵衛は、驚く。
ヨーゼは何故か頷く。
慶次は特に気にしない。
叔父は納得だ。
この後は親しい者だけで、元服と独立の祝いであった。
年明けに本格的に元服を祝うこととなる。
家族とのひと時。
勝蔵君、成長を家族に見せれてよかった。




