新たなスタート
桜庭は思い出していた、由奈と一緒に寝た夜を。
「真奈美さー、俺が前好きだった人と喋り方めっちゃくちゃ似てるんだよね〜。」
桜庭は天井を見つめながら言う。
「えー、面白そうじゃん。その好きな子の話聞かせてよ。」
真奈美は桜庭から少し離れた。
「んーっとね。高校の時すごく好きな子がいてね。振られちゃって、でも諦められなくて、周りにサポートしてもらって再会してやっと付き合うんだけど、また結局振られちゃったって話。」
桜庭は内容を言わずに簡潔に話す。
「へー。好きだったんだー。せっかく付き合ったのにどうして振られちゃったの?」
真奈美が聞くと桜庭は目を閉じた。
「うーん。俺が弱かったからかな。」
桜庭はあえて言わなかった。
「そっか…。じゃあさ今その子がよりを戻そうって言ってきたらどうする?」
真奈美は興味津々な目で桜庭を見つめる。
「多分、付き合わねーな。ってかそんなこと言われること絶対ねーな。」
桜庭は由奈が亡くなった事を由奈と声が似ている真奈美に言いたくなかったのかもしれない。
「えー!どうしてー!?そんなに好きなのに!?」
真奈美は驚いている。
「約束しちまったんだよなー…。絶対次に付き合った子を大事にするって。」
桜庭はため息をつく。
「え?ちょっと意味がよくわかんないけど、付き合ってたのに次に付き合う人大事にとか、意味がわかんない。」
真奈美は混乱しつつも桜庭に不信感を持つ。
「いやいや、俺も一方的に突きつけられた約束だからさ。でも絶対守ろうって思ってる。」
「ふーん。そうなんだ。よくわからないねその子。」
真奈美は桜庭と由奈の間に何があったか興味はあったが、桜庭が話す気が無いんだろうと思っていた。
「まぁなー。」
桜庭はそう言うと眠りについた。
数日後、桜庭がバイトから帰ると真奈美から連絡が入る。
「ごめん今から会えない?」
「良いよー!」
桜庭はバイトで少々疲れていたが、真奈美の家に向かった。
真奈美の家に着くと真奈美は普通の態度で桜庭を招き入れた。
そしてその日の夜も真奈美の家に泊まることになった。
「レポート書かなきゃいけなくてさ、マジでめんどくせー。」
桜庭が真奈美の部屋でレポートを作成しながら言った。
「じゃあさ、出来たらご褒美にチューしてあげる!」
真奈美は戯けながら言った。
「マジで!?じゃあ頑張るかー!」
そうして2時間後無事レポートが出来上がった。
「かぁーー!やっと出来たーーーー!」
桜庭はそう言うとそのまま仰向けに倒れてしまった。
真奈美が近づき桜庭の唇にキスをした。
「ご褒美ね。」
真奈美がそう言うと桜庭は真奈美の後頭部を持ち引き寄せた。
桜庭は真奈美と場所を入れ替え真奈美の上にかぶさる形になった時、真奈美が桜庭を押しのけた。
「へ?」
桜庭は間抜けな顔で声を漏らす。
「ごめん、今日生理。」
真奈美は申し訳なさそうに言う
「マジかーーー!」
桜庭はそう叫ぶと真奈美の横に寝そべった。
「また今度ね。」
真奈美は元気にそう言った。




