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おやすみ、そしてありがとう  作者: ズーム
戦いの日々
28/35

二度目の告白

それから桜庭は坪井達にも由奈が入院してることも告げ、途中までしか一緒に帰ることはなかった。

たまに坪井達は桜庭について由奈を見舞ったりもした。

桜庭は由奈と病室で過ごす時は出来るだけ普通に振舞っていた。

そして冬休みに入った。

冬休みの初日桜庭はある決心を胸に由奈の病室を訪れる。


「お!調子良さそうだね。ジャジャーン!」

「わぁ!シュークリームだ!」

由奈にお土産を見せ準備をする。

「はぁ。もう冬休みかぁ…。退院出来るのかなぁ。」

由奈が外を見ながら言う。

「由奈…。今日は伝えたいことがあるんだ…。」

「うん?」

由奈は凄く不安な顔になった。

「俺さ、携帯変えちゃった!」

桜庭はおちゃらけた。

「もう、不安にさせないでよ!」

由奈は泣きそうになっていた。

「あは。焦った?」

桜庭は冗談で言ったつもりだった。

「でも言ってね…。」

由奈が呟く。

「ん?何を言うの?」

「毎日私のところ来てていいの?遊ばなくていいの?高校生活最後だよ…。」

由奈は遠い目をしている。

「由奈と俺の高校生活をここで過ごしてるじゃん。」

桜庭は笑顔で答えると由奈に歩み寄る。

「本当に良いの?いつ退院出来るかなんてわからないんだよ…。」

「良いんだよ…。今日は本当に由奈に伝えたいことがあるんだ。」

桜庭は由奈のベッドに座ると鞄から小さな箱を出した。

「ペアリング買ったんだ。付けてくれる?」

由奈が頷き、桜庭が由奈の薬指にリングをはめると由奈は泣きだしてしまった。

「俺にも付けて。」

由奈は頷き、手を震わせながら桜庭の薬指にリングをはめた。

「由奈退院とか関係なしに俺と付き合ってくれ。」

「ダメだよ…。」

由奈は唇を噛んだ。

「だって私退院出来ないもん。祐介の時間をどんどん奪っちゃう…。祐介いつまでも私に縛られちゃう…。祐介幸せになれないもん…。」

「それで良いんだよ。」

「ダメだよ!」

由奈は声を上げた。

「私の幸せのために祐介が不幸になるなんて嫌だもん!」

そう言うと由奈はベッドに顔を埋めてしまった。


「由奈…。ちょっと聞いてくれるか?」

由奈は無反応だ。

「俺のために付き合ってくれよ。俺由奈と付き合えないままなんて嫌だよ。そしたらどんな事でも乗り切れるよ。由奈のために。由奈が俺に幸せになってほしいならどんなに辛いことがあってもそれを糧に頑張るよ。」

桜庭は由奈に諭すように言う。

由奈は顔を上げると大きく息を吸った。


「由奈ね気付いてるんだ。自分が長くないこと。こないだお母さんと先生が廊下で話してて、お母さん泣いてたの。膝ついて。そんなの見たら誰だってわかるよね。」

由奈は落ち着いて話す。

「それでも良いの?」

「もちろん。辛いだろうけど俺は希望は捨てないよ。由奈と色んな所行きたいし。」

桜庭は落ち着いている。

「じゃあ一つだけ約束して!」

由奈が人差し指を立てていう。

「なーに?」

「私がいなくなっても、絶対にいい人見つけて!そしてその人を大事にしてあげて!」

由奈は真面目な顔で桜庭に詰め寄る。

「なんだよそれ。」

桜庭は少し不機嫌な顔で答える。

「良いから、約束しないと付き合わないよ!」

由奈は怒っている顔を作っていた。

「わかったよ…。」

桜庭は由奈の言いたいことがわかった。。


「由奈…。無理するなよ。辛い時は辛いって言ってほしいし、負けそうな時はいつでも言ってこい。」

桜庭がそう言うと由奈は泣きながら抱きついた。

今までから何かが変わるわけじゃない。

でも付き合うことで、二人は変われる。

そんな希望が桜庭の中にあった。

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