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温かい鼓動

カラオケで受付をしていると坪井は桜庭の隣に来た。

「マジ気まずくてあの場にいれんかった。」

坪井が小声で言う。

「悪いな…。」

桜庭は由奈をチラッと見た。

部屋に入り歌を歌い始めるとそれなりに盛り上がった。

由奈は桜庭の斜め向かいに座っていた。

3時を過ぎた頃由奈は眠そうにしていた。

桜庭にとってはそんな姿も可愛らしく感じてしまう。

「そろそろ帰るか。」

坪井はたらふく飲んで食って満足したようだ。

「タクシーで帰るか!」

外に出て桜庭達はタクシーを探す。


「全然来ないね…。」

楠が呟く。

「よし前川の家の方向かうか。」

途中で拾えるタクシーがあれば拾おうと言う話で歩き始める四人。

その店から由奈の家までは歩くと一時間くらいかかる。


最初は女の子二人が後ろに並んで歩いていたがいつの間にか桜庭の横に由奈がきた。

坪井は後ろに下がる。


「大丈夫?眠い?」

桜庭は由奈に声をかける。

「うん大丈夫。楽しかったね〜。また遊ぼうよ!」

由奈の息は少し上がっている。

「でもちょっと眠いかな。」

由奈はフラフラしている。

「息あがってるじゃん。」

桜庭はそう言うと立ち止まって、少しかがんで由奈に背中を向けた。

「ありがとう。」

由奈は戸惑うことなく桜庭の背中に体を預けた。

「優しいね。うちのお兄ちゃんみたい。」

「私どうして付き合わなかったんだろ。」

由奈が後ろで呟いている。

由奈の鼓動が桜庭に伝わっている。

いつの間にか由奈は桜庭の背中で眠っていた。


由奈が寝た事を確認すると坪井と楠は桜庭と並んで歩き始める。

「お前さー…」

坪井が何かを言いかけた。

「いいんだって。俺はこれでいいんだ。」

桜庭は坪井の言葉を塞ぐように言った。

「優しいね。」

楠は嬉しそうに言うと普通の話に戻り前川の家まで向かった。


「由奈。着いたよ」

桜庭の言葉で由奈が起きる。

「ん!ごめん。ありがとう。」

由奈が寝ぼけながら答えた。

「また遊ぼうな。」

坪井がそう言うと由奈は手を振り、家の中に入っていった。


由奈を送ったあと明るくなってきた空の下タクシーを拾い楠を送り、そのまま二人はタクシーで桜庭の家に坪井と向かう。


「お前さ、前川と付き合えよ。」

坪井が桜庭に詰め寄る。

「んー?んー…。」

桜庭は車窓から景色を眺める。

「今度こそいけるだろ!」

坪井はやきもきしていた。

「まぁなー。でもさいいんかなぁ?」

桜庭は呟くように言う。

「なんかさぁ、こう二人の周りで物事が勝手に動いてて、由奈がハブられたり、学祭で再会したり、今日みたいに遊んだり。」

桜庭は窓を開けながら言う。

朝の風が気持ち良い。

「だってさ。お前のためにみんな動いてんじゃん?」

坪井は少しイラだった。

「いや別に余計なお節介とかじゃなくて、俺がするべき事っていうかさ、頼りねーな俺。って思っちゃってさ。」

桜庭は動じることなく窓の外を見ている。

「坪井が来る前に二人の時間があったんだけど、謝られたよ。もうあの頃の関係みたいに接すること出来ないのかなー。」

桜庭は息を大きく吐きながら、顔を前に戻すが目線は遠いままだ。

「らしくねぇな。」

坪井も桜庭の気持ちを察したのか大人しくなる。

「俺さ由奈に振られたあとすぐに前付き合ってた子とヤっちゃってさ…。俺が振った子なんだけどさ、今でもメールしてんだ。付き合ってもいないのに。」

桜庭はまた俯いた。

「最低な男だよ。でも今日は楽しかったな…。」

桜庭は話題を変えようとした。

「そんなん仕方ないんじゃねーの?」

坪井は話を戻そうとする。

「そんな適当に生きてるから、相手の気持ちがわからないんだよなー俺。」


「3200円です。」

タクシーの運転手は車を止めた。

桜庭の家に着き、坪井は桜庭の家に泊まった。

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