協力
前川と連絡を取ると、前川は出店付近にいるとの事だったので桜庭は中庭に向かった。
「着いたよ。どこ?」
桜庭は走って中庭に行き人混みから由奈を探す。
向かいから由奈が歩いてくる。
何も変わらない姿。
電話を切ると桜庭はどうしていいかわからず棒立ちしてしまった。
「久しぶり!桜庭くん背が高いからすぐわかったよ。案内してくれる?」
由奈は従兄弟に手を振っていた。
「あ、うん。何か食べたいものある?」
前川は周りを見回しカキ氷の出店を指差し笑顔を桜庭に向けた。
「OK、ちょっと待ってて。」
カキ氷屋の前は結構な列が出来ていたが、桜庭はカキ氷屋の裏に周りカキ氷を受け取るとすぐに戻った。
中庭に座ってカキ氷を食べる二人。
「ステージ凄い盛り上がってたね。」
「うん。凄い気持ち良かった。最後にこんなステージに立ててすっげー嬉しいわ。」
二人が話していると、色んなやつが通り際に桜庭にハイタッチをしたりして通り過ぎる。
中には「桜庭の彼女?」と聞くやつまでいたが、桜庭は照れながら否定していた。
食べ終わって二人で廊下を歩いていると色んなやつがにやけて桜庭を見ていた。
桜庭は照れくさくて仕方がなかったが、幸せも感じていた。
由奈の元彼の佐藤とすれ違った時に佐藤は不機嫌そうな顔で桜庭を睨みつけ、何かを言いたそうにしていたが小川が入り佐藤を何処かに連れて行った。
そうして桜庭にとって幸せな時間はあっという間に過ぎて、学祭終了の為体育館に集まるよう放送が流れる。
「じゃあ行くね。また遊ぼう。」
桜庭は中庭で由奈と別れの挨拶を交わした。
「うん。じゃあね。」
由奈は笑顔で手を振る。
桜庭は照れながらも手を振った。
佐々木が桜庭に近付くと桜庭を誘い体育館に向かった。
体育館に集められると坪井と楠が寄ってきた。
「お前絶対前川のことまだ好きだろ?」
茶化すように坪井が言った。
「忘れてたけど、会うとやっぱ好きだな。」
桜庭は照れながら認めた。
「いいよ。今度遊ぼうぜ。」
「私由奈に連絡とって日にち決めるね。」
坪井と楠が話を進めていく。
「お願いします。」
そうして高校生活最後の学祭は終わった。
それから桜庭は毎日ではないがまた由奈とメールをするようになった。
そして夏休みを迎えた頃、坪井からメール届いた。
「来週の水曜日空けといて。前川と遊ぼうぜ。楠もいるけど。」
「了解ありがとう!」
「俺バイトで遅れるから先集まっておいて。」
桜庭は由奈と楠にメールを入れる。
「来週の水曜日なんだけど、18時に俺ん家集合でいい?坪井遅れてくるらしいんだけどさ。」
二人と連絡をとり、桜庭が駅まで迎えに行くことになった。




