警戒心は深く
注意!!
この作品はR15です。
グロテスクな表現があるかも知れないので注意してください。
レース当日、6月26日15時前
実況「さあ、レース開始まで数分となりました!!前回レース上位だった者も着実に集まってきていますッ!!」
マート、プーレ『……』
ビラノ「あいつら…不穏だな。」
フィラ「俺もそう思ってたんだ。あれっきり一言も発してないのにずっとついてくる。」
ビラノ「今回のレースは約4〜5日かかる。夜間は事故るから走りたい命知らずはドンドン辞退することになる。」
フィラ「しかも気候の変化も3日目から激しいんだろ?バロが低体温症にならないか不安だぜ…馬用のコートしかなかったからサイズも会うかなぁ……」
ビラノ「ロバはロバで大変そうだな…」
実況「レース開始まで残り10秒ッ!!」
フィラ「ところでビラノ、こんだけ一緒にいくムーブ醸し出しといて、置いてくってことはないよね?」
ビラノ「え?」
フィラ「へ?」
実況「スタァトォッッ!!」
(ドンッッ)
(ブォォォォン……)
実況「ビラノ行きなりとばすとばすゥッッ!!」
フィラ「クソがァァッ!!ビラノッ!!なにを考えてるのか1ミリたりとも分からないッッ!!」
(ドタッドタッ)
フィラ「バロッ!!とばせぇッッ!!ビラノに一泡吹かせてやるよッ!!」
〜午後9時〜
フィラ「ハァ…ハァ……やっと追いついたぞ……」
ビラノ「追いついて当たり前だ、日が落ちてきたんで、バイク止めてここで野宿だな。」
フィラ「てか、寒くない……?」
ビラノ「あぁ、日が落ちることで寒くなったんだろうな。」
フィラ「そうじゃない、あんた3日目に寒くなるとか抜かしてなかったか?」
ビラノ「トベル地方を分かってないな。」
フィラ「?」
ビラノ「いいか?トベル地方の名前の由来は「飛べる」だ、それの理由が、夜になると地面から上昇気流が湧き出てくるからだ。」
フィラ「つまり寒いのって……」
ビラノ「最近は落ち着いたから物一つ飛ばせない薄っすらとした風が湧き出てくるから寒いんだ。」
フィラ「なぁるほどォ。」
ビラノ「わかったらとっとと飯食って寝るぜ。体力温存はバイク乗りの基本だ。」
(グツグツ……)
ビラノがつくったのは、塩水でパスタを茹で、なにか分からない実を絡めたものだ。
(ズルズル…)
フィラ「おいおい、パスタを食べるときに啜るのはマナー違反って聞いたことあるぜ?」
ビラノ「あぁ?パスタ分けてやってんだ、黙って食ってろ。」
フィラ「俺のカシューナッツも入ってるんだぞ?」
ビラノ「あざっすゥ〜」
フィラ「チッ…ん?」
すると、岩場からこちらを除く影が見えた。
フィラ「……ん?」
ビラノ「フィラ、ナイフ持てよ?」
フィラ「待ってくれ、俺達と同じくここで寝ようとしてるだけかもしれないぞ。」
ビラノ「それはどうかなぁ……」
フィラ「?」
ビラノ「ここら辺は木々が生い茂っていて、俺らは最短の道を辿って行った。」
フィラ「え?ビラノを追い抜く一心で気づかなかった……」
ビラノ「ジャルトやカルルは別の開けた場所で野宿してるさ……正規のルートでな。わざわざ俺らに着いてくる理由はなんだ?それは……」
ビラノは自身のダイアルを岩場の人に向けた。
ビラノ「お前、ずっと俺らをつけてきてんだろ?ゆっくり手を上げてこっちを向け、ゆっくりだ……」
(スゥゥゥ……)
ビラノ「そこだっ!!動くなよ……乗ってるものと自身の名前を…」
ヤプィ「ま、待ってくれぇ!!俺の名前はヤプィ、乗ってるものはバイクだよォ!!あんたらが1位で突っ走ってるから着いてきただけだァ!!」
ビラノ「悪いが他人に見れながらだと寝れねぇ、ここらは俺らが使うから離れてくれないか?」
ヤプィ「待て!!俺を助けてくれぇ!!あんたらの案内無しじゃあ迷っちまうよぉ!?頼むッ!!1夜だけここに泊めてくれぇ!!」
フィラ「おい、ビラノ、少し可哀想だぜ……」
ビラノ「バイク乗りの基本、「見知らぬ奴は信用するな」物盗まれたりだのするからなぁ……」
フィラ「じゃあ……」
フィラは、ビラノとバロとバイクの半径10メートルほどに線を引いた。
フィラ「この線には入ってくるなよ。バロが見張ってるからな……」
バロ「ブゥンッ!!」
ヤプィ「ありがとうッ!!ここならいていいんだなッ!!ありがとう!!」
ビラノ「甘いなぁ……ドロドロのココアぐらい甘いぜ。」
フィラ「大丈夫、バロは信用出来るだろ?」
ヤプィ「本当にありがとうッ!!」
ヤプィは力が抜けたように岩に横たわり、眠りについた。




