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:異世界ってどういうところだったの?
:それも気になる!
:教えてレイカ! 異世界がどういうところだったのか教えてレイカ! 早く教えてレイカ! 早く早く早く早く!(先輩)
:真子ちゃんwwww
:パイセンなら、本当にゲートあいてたら喜んで飛び込みそうだなwwww
「あっちの世界は、アニメや漫画によくあるようなファンタジーな世界でした。ええっと……あっ、そうです」
レイカは声を弾ませると、右手を前に向ける。
「やっぱりみんな、異世界での出来事を見たいですよね。だったら、わたしが口で説明するよりも、実際にその目で見てもらったほうが伝わります」
レイカが右手に魔力を込めると、目の前に長方形の画面のようなモノが形作られていった。その画面のなかには、陽光に照らされた草原の風景が映し出されている。
草原には、青いローブを羽織っているレイカが立っていた。
:えっ! ちょっ!
:ん? んんんん?
:なんだこれ!
:いきなり宙に動画みたいなのが出てきた!
:レイカさまの魔法か!
:探索者だけど、こんな魔法は見たことがない!
:てことは異世界で覚えた魔法か!
:もしかしてこれって異世界の風景?
「はい、そうです。これは異世界の風景です。【記録魔法】といって、過去の出来事をなんか動画みたいに流せるみたいですね」
:説明がフワッとしすぎてるんですがwwww
:レイカさんぜんぜんわかってないようだなwwww
:あんまりよく理解しないまま、記録魔法とやらを使ってるようだwww
:異世界だああああああああああああああああああああああああああああああああ!(先輩)
:真子ちゃんがwwww
:うるせぇwwww
:パイセンwwww
:ええええええええええええええええええええええええええ! まさかこれって、離れていた三年ぶんのレイカちゃんの姿を見られるってことなのおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(お母さん)
:え? なに?
:どうしたお母さん!
:お母さん急にどうしたの?
:お母さんもうるさいwwww
:レイカ大変だよ! 母さんのテンションがブッ壊れて、ソファーから倒れたぁ!(お父さん)
「リビングのほうからドサッて音がしましたね。お母さんが倒れたようです」
:お母さんが倒れたようですってwwww
:なんでお母さん倒れたんだwww
:ごめんwww 意味がわからんwww
:どんな家だよwww
:離れ離れになっていた間の娘の姿を見れて、母ちゃん感激したんだなwwww
:親としては、まぁその気持ちはわかるがwwww
表示された動画に映っているレイカは戸惑っていて、辺りにある草原の景色をキョロキョロを見まわしていた。
「これは異世界にやって来た直後のことですね。いきなり周りが草原になっていて驚きました」
:それでやたらと周りを見てるのか!
:動画内のレイカちゃん、なんかすごい困惑してるのはそれでか!
:さすがに異世界に来たばかりのときは驚いたんだな!
:レイカさん今よりも若いな!
:まだ外見に幼さが残ってる!
:配信のなかで更に配信を見せられているようで、不思議な気分だwwww
:てか、動画のなかでなんか音してる?
コメントにもあったように、動画内では物がぶつかり合うような鈍い音が響いていた。
「なにやら物騒な音が聞こえてきたので、わたしはそちらへと向かったんです」
草原に立っているレイカはキリッとした面持ちになると、音のする方角へ走り出した。
レイカが近づいていくと、音は激しさを増していき、その先に待っていた二つの人影を発見する。
一つは、現実世界のダンジョンでも見かける生き物だ。豚のような顔をしていて、大柄で橙色の体色をしているハイオークと呼ばれるモンスター。
そしてもう一つは……。
「っ……! 逃げろ! ここにいては危険だ!」
金色の髪を肩まで伸ばした少女が、レイカを見るなり叫んできた。凜々しい顔立ちをしており、宝石のような青い瞳を見開いている。
細身ながらもよく鍛えられた身体には白銀の鎧を装着し、鋼のロングソードを握りしめている。
けれど、金髪の少女が身につけている鎧はところどころが破損しており、美しい顔はしかめられていて、呼吸が乱れていた。
「あの女の人はルリアさんといって、わたしが異世界に来てはじめて出会った人物ですね。モンスターのほうはハイオークです。ハイオークとの戦闘でルリアさんはピンチに追い込まれていて、そこにわたしがやって来たというわけです」
視聴者にも状況が理解できるように、レイカは説明する。
:異世界の美少女!
:ブロンドの異世界美少女とか大好物すぎる!
:やっぱり異世界にもモンスターはいるのか!
:異世界のモンスターだああああああああ! ハイオークをこれからゴミクズのように蹴散らすんだよね! そうなんだよね! ねっ!(先輩)
:先輩wwww
:真子ちゃん言動が過激になってるんですがwww
:あのブタさん、もしもレイカちゃんにヒドいことしたら……ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ(お母さん)
:!!!!!
:え? なに?
:お母さんどうしちゃったの?
:いつの間にか復活したお母さんの様子が変なんだけど?
:娘への愛が重たすぎる!
:お母さん情緒不安定すぎないか?
:母さんの目から光が消えてコワイ……(お父さん)
:お父さんピンチwwww
:なんでお父さんがピンチになってんだwwww
:お母さんがハイオークよりも怖い件wwww
「うちのお母さんは子煩悩といいますか、わたしに対して過保護すぎるきらいがありますからね。あまり気にしないでください」
:ムリですwwww
:ムリだwww
:あんなんスルーできねぇよwwww
:お父さんがピンチなのに、なんでレイカちゃんは平然としてるんだwwww
恵美のコメントに視聴者たちが戦慄しているようだが、レイカはかまうことなく進行を続けることにした。




