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:ところで異世界って、どうやって行ったの?

:そこはガチで気になる!

:探索者だけど、どうやって異世界に渡ったのかは知りたい!

:自分から自由には行けないんだよね? さっきそう言ってたし

:レイカどうやって異世界に行ったの? ねぇレイカどうやって異世界に行ったの? 異世界にはどうやって行ったの? ねぇレイカどうやって異世界に行ったの? ねぇレイカ(先輩)

:先輩落ち着こうwww

:真子ちゃん異世界に興味津々すぎるwww


 異世界に渡ることになったきっかけについて、質問が投げかけられる。


 それについては、みんな気になっているようだ。


 レイカは三年前のあの日のことを思い返しながら、語りだす。


「あれは、ダンジョンを探索していたときのことです。あのときはカメラをまわさずに、一人で歩いていましたね。下層の辺りに踏み込むと、突如として前方で光が発生したんです。その光が収まると、空間に穴があいて、ゲートのようなものが開通していました」


:光って穴があいた!

:ゲートが開かれたのか!

:異世界への入り口か!

:探索者だけど、そんな現象は聞いたことがない!

:レイカちゃんだけが目撃した現象なんだろう!


 またしてもコメントの流れが加速する。異世界の話題に触れたことで、視聴者もテンションが上がっているようだ。


「ゲートを発見したら、これはまずいと思いましたね。絶対に近づかないほうがいいと」


:だな!

:危険すぎる!

:近づかないほうが賢明だ!


 レイカの意見に視聴者たちも賛同する。正常な判断力があるのなら、謎のゲートには近づくべきではないと、みんな理解しているようだ。


 レイカはコクリとうなづいて、続きを話す。


「そしてわたしは、自分からゲートのなかに入っていきました」


:……ん?

:???

:よし、ちょっと待とうか!

:あれ? 変だな? 聞きまちがいかな?

:大丈夫だ! ちゃんとみんな戸惑ってる!

:いきなり流れが変わったぞ……

:説明の前後がつながってないんだが?


 レイカの発言に、困惑する視聴者たちが続出する。コメント欄は疑問符であふれかえっていた。


:レ、レイカ……(お父さん)

:お父さん?

:なんだこれ?

:お父さんってなんだ?


「あっ、どうやらお父さんがコメントしてくれたようですね。いまリビングのほうで、配信を見てくれていますから」


 父親からのコメントを発見して、レイカはニコリとする。


:ちょっと待てwww お父さんって、本当にお父さんなんかwww

:レイカさまの父君が来られたwwww

:なんでお父さんがコメントしてきてんだよwwww


 信治の登場に、コメント欄が沸き立っている。


:大変よ、レイカちゃん! お父さんが慌てだして呼吸がヤバくなってるわ!(お母さん)

:今度はお母さん?

:おいおい、まさかこれも……


「お母さんですね。お母さんも再開したわたしの配信をリビングで見ています」


:本物のお母さんだったwww

:なんでお父さんとお母さんがコメントしてきてんだよwww

:両親も配信見てるのかwww

:てか、お父さんが娘の爆弾発言のせいで呼吸がヤバくなってんのに、その娘はうれしそうに笑ってるんですがwww


 両親のコメントによって、リスナーたちが妙な盛りあがりを見せる。


 二人の登場を視聴者たちは喜んでいるみたいだ。お父さんとお母さんには感謝しないといけませんね。レイカはそんなどこかズレたことを考えていた。


:両親のことも気になるが、今はそれよりもレイカさんが自分からゲートに入った理由が気になる!

:そうだった! なぜかこの子、自分からゲートに入っていったんだった!

:なんでそんなことしちゃったんだよ!

:落ち着け! きっと何か理由があるはずだ!

:でなきゃ自分から異世界に行くはずないだろ!

:そうしなければいけなかった理由があるんだよ!


「そうでした。まだわたしが異世界に渡るきっかけとなった話の途中でしたね」


 レイカは微笑みながら両手を重ね合わせると、ディスプレイを見つめて口を動かす。


「どうやら一部の視聴者は、察しがついているようですね。わたしが自分からゲートに踏み込んだことには、何か理由があるのだと」


:やっぱり!

:だよな!

:理由もなくゲートに踏み込むはずがない!

:そ、そうだね! 理由もなく自分から行くはずがない! 父さん早とちりしちゃったよ!(お父さん)

:お父さんが慌ててるwww

:慌てるのも無理ないよwww

:あんなこと急に言われたらねwww


「お父さんも、視聴者のみなさんも落ち着いてくれてよかったです」


 レイカは椅子に深く座り直して、ホッと息をこぼした。


:それで、どうして自分からゲートに入ったの?

:なんでそんなことしたのか、理由が気になる!

:レイカちゃん、教えてくれ!


「あっ、それはですね。漫画の主人公なら、これ絶対に行くなと思ったからです。なので、わたしは自分からゲートのなかに入っていきました」


:ってオイwwww

:思ってたよりアホだぞこの女wwww

:なにしてんねんwwww

:漫画の主人公だったら絶対に行くなと思ったwww

:そんなんで視聴者たちが「なるほど」と納得するとでもwwww

:きっと何か理由があるはずと先ほど書き込んだワイ、他の視聴者に謝らないといけないようだ!

:なんも深い理由なんてなかったwwww

:レイカちゃん見た目は黒髪ロングのクール系っぽいのに、口を開いたら想像以上のアホだったwww

:黙っていれば知的な女の子に見られそうなのにwww

:レイカちゃんは黙って配信してれば、ランキング1位を取れると思うんだwww

:レイカちゃんがランキング1位を取る近道は黙って配信すること(確信)

:黙って配信wwww

:異世界に通じるゲートだとわかってたら、わたしも行ってる!(先輩)

:真子ちゃん先輩www

:なに言ってんだパイセンwwww

:普通はどこに通じてるかわからないゲートに入ったりはしないだろwwww

:レ、レイカ……(お父さん)

:お父さんが頭を抱えて、うつむいちゃったわね(お母さん)

:お父さんwww

:いやまぁ、娘がそんな理由で異世界に渡ったらそうなるよなwww


 レイカが異世界に渡った理由について説明すると、大量のコメントが洪水のように流れていく。その勢いに、レイカは「わっ、わわ」と取り乱してしまう。


「あっ、それと三年ぶりに帰宅したときは、お父さんが腰を抜かしていましたね。わたしが全身血塗れだったので」


:wwwww

:血塗れで帰ってきたwwww

:行方不明になってた娘が全身血塗れで帰ってきたとか、怖すぎるwww

:どこのホラー映画だよwwww

:お父さんが玄関で「うあああああああああああああああああああっ!」って叫んでたわね(お母さん)

:お父さん災難すぎるwwww

:感動の再会wwww

:どこがやねんwwww


 帰宅した際に信治をドン引きさせてしまったことに関しては、レイカも悪いと思っている。できれば、全身血塗れで帰宅はしたくなかった。




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― 新着の感想 ―
予想より破天荒 そしてまた父は不憫枠か、憐れ
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