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 真子と一緒にダンジョン配信を行った数日後。


 日が沈んで夜になると、レイカは自室で配信を行うことにした。


 予告していた時刻になったので、緊張しながら配信を開始する。


:はじまったああああああ!

:待ってたぜえええええええええええ!

:開始と同時にいきなり同接が百万超え!

:このまえのダンジョン配信が話題になってたからな!

:さらに知名度があがった!

:「そうめん」「伝説の剣ブン投げ」「真の敵はVチューバー」がトレンド入りしてて草

:意味不明すぎるなwww

:そうめんwwww

:魔人を倒すところ切り抜かれて拡散されとるwww

:その切り抜き動画が数十万再生されてたなwwww

:レイカさんのチャンネル登録者数が100万人を突破したみたいだ!

:めっちゃ増えたwwww

:てか画面がおかしいんだが?

:なんかレイカちゃんが右下に小さく映ってる?

:そのレイカちゃんフリーズしてるぞwwww

:いきなり同接百万超えでフリーズしたかwwww

:フリーズしたレイカさまが右下に小さく映ってるのシュールでオモロイんだがwww

:いきなり放送事故wwww

:頭にヘッドセットマイクを装着してるな

:ダークソルジャーって、でっかく表示されてるけど?

:そういや今日は何するのか事前に告知してなかったな!

:もしかしてこれって……


 いきなりの同接百万超えでフリーズしていたレイカだったが、ハッとして復活を果たす。


 まだ胸はドキドキしっぱなしだけど、咳払いをすると、ウェブカメラに目を向けた。


「どうも小林レイカです。今日は自宅からゲーム配信をしていきます。以前はやっていなかったんですけど、こっちの世界に帰ってきたら、絶対にゲーム配信をやりたいって思っていましたから」


 レイカは声を震わせながら説明する。自分がゲームをプレイする姿を視聴者たちに見てもらいたかった。そのための機材もそろえた。


 レイカの目の前にあるモニターのなかには、ゲーム画面とコメント欄が同時に表示されている。


:めっちゃ声震えてるなwww

:まだ緊張が抜けきってないようだwwww

:今回はゲーム配信か!

:それでレイカちゃんが右下に小さく映ってたのねwwww

:異世界……(先輩)

:真子ちゃんwww

:めっちゃガッカリしてるwww

:異世界の映像を楽しみにしてたんだねwwww


 どうやら真子は、異世界の映像を期待していたようだ。他にもそういう視聴者がいたかもしれないので、レイカは申し訳なくなる。


:そういえばSNSで収益化できたって書いてあったけど?

:とうとう収益化したか!

:あれだけの再生数を稼げればね!


 収益化についてのコメントが流れると、レイカはニコリとする。


「えぇ、無事に収益化の申請が通りました。応援してくれたみなさんのおかげです」


 底辺配信者だった頃は、収益化なんて夢のまた夢。一生無理だと思っていた。それがこうして現実のものになったのは、たくさんの視聴者たちのおかげだ。


:レイカちゃんが収益化できてよかった!

:おめでとう!

¥10000:そらぁ! 受けとれい!

¥10000:応援してるぞ!

¥10000:いつかランキング1位を取ってくれよな!


 はじめて見る赤いコメントに、レイカはビクリとして背筋を伸ばす。


「あ、あああ、ありがとうございます!」


:めっちゃビクリとしたなwwww

:赤スパにビビったかwww

:ダンジョンで入手した素材を換金したなら、もっと大金が手に入ってるだろwww

:それでも赤スパには驚いたんだろうよwww

:『永久の牢獄』でゲットした大量の素材と、魔人の魔石ですごい額になったはず!


 送られてきたスパチャに動揺していたレイカだったが、肩の力を抜いて深呼吸をする。


「え、えぇ。このまえ入手した素材はギルドで換金しました。口座に振り込まれた金額を見て、お父さんが立ったまま気絶しましたね」


:立ったまま気絶wwww

:お父さんもフリーズしたかwwww

:すごい額が振り込まれたんだろうなwwww

:レイカちゃんってば、お父さんの年収を一気にブチ抜いちゃったわね(お母さん)

:お母さんwww

:そんなこと言わないでお母さんwwww

:お母さんはお父さんにもっとやさしくしたげてwwww

:お父さんのメンタルが心配だなwww

:十代の娘に収入を抜かれるとか、父親としては辛いwwww

:レイカが魔人の魔石を換金したぶんまで折半しようとしてきたけど、さすがに受け取れなかったわね……(先輩)

:真子ちゃんは受け取らなかったのかwww

:すごい金額だから受け取れなかったんだろうwww

:真子先輩が半額もらっておけば、お父さんのダメージを軽減できたwwww

:……もしかしたら、レイカがまたダンジョンにもぐることを許可したのは、まちがいだったかもしれない(お父さん)

:手 遅 れ !

:も う 遅 い !

:今さら気づいたかwwww

:気づくの遅いよ、お父さんwww

:判断が遅い!(師匠風)

:お父さん気を確かにwww


 なんだか、お父さんに同情するコメントがいっぱい寄せられていた。


 異世界に渡る前から、ダンジョンで入手した素材は換金していたけど、あの頃よりも持ち帰る量は何倍にも増えているし、今のレイカなら未踏破ダンジョンの強敵やボスにも挑めるので、高価な素材を持って帰ることができる。


 以前と同じように金銭の管理は両親に任せるつもりだけど、以前よりも明らかに信治の心労が大きくなっていた。


 雑談はこのへんにして、そろそろ本題に入ろう。


 レイカはゲームのコントローラーを握りしめて、相好を崩す。


「では、ゲーム配信をはじめていきましょう」


:切り替え早いなwww

:お父さんがダメージを負っているのに、まるで気にしてないぞこの娘wwww

:娘は判断が速いwww


 レイカはモニターに表示されているゲーム画面を見つめる。


 それだけで、じわりと涙腺が熱くなって、視界がボヤけた。


「久しぶりのゲーム……! このために現実世界に帰ってきたと言っても、過言ではありません! うぐっ、うぐぐぐぐ、オゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ! オオオオオオオオオオオオオオオッ! ず、ずみばせん! がんどうのあまり、ちょっ、むせて……!」


:奇声wwww

:なんて声だしてんだwwwww

:うれしすぎて咳き込んでるwwww

:ゲームでここまで感動する人はじめて見たwwww

:黒髪ロングのクール系っぽい外見の少女が出していい声じゃないwwww

:【警告】これはレイカさまの発している音声です

:ずっと異世界でゲームできなかったからwwww

:ゲームやりたかったんだねwwww

:レイカさまの事情を考慮すれば、気持ちはわからんでもないwwww

:気のせいかな? 父さんや母さんと再会したときよりも喜んでないかい?(お父さん)

:レイカさんは両親との再会よりも、ゲームとの再会のほうが感動してる模様www

:お父さんたちゲームに負けたのかwww

:おかしいだろwww

:くっ……ゲームめ!(お母さん)

:お母さんゲームに嫉妬してるwwww

:ゲームに嫉妬しないでwww


 感動しすぎて咳き込んでいたレイカだったが、どうにか呼吸を落ち着けると、ウェブカメラに目を向けて進行を続ける。




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母「ゲームは1日1時間(嫉妬)」
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