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第6話『10連ガチャ』




 時間内に3000DPを集めて10連ガチャを回した。ランクは足し合わせた数値だ。




 ・【ハンターランク】(+2)

 ・【ダンジョンランク】(+5)

 ・【モンスターランク】(+1)

 ・【アタックランク】(+3)

 ・【ブレイクランク】(+6)

 ・スキル 【統率】(R)

 ・スキル 【転移魔法】(UR)

 ・称号 【幸運な森の民】




 【転移魔法】……! 現代で最も輝ける魔法だ!! 【幸運な森の民】とは俺のことだった!? 【統率】スキルも出てきて万々歳だ!


「やった! 【氷魔法】!!」


「上級魔法か!?」


「うん! ゲットした!!」


 A様は最後の1回で【氷魔法】を習得した。魔法スキルがあると日常生活は一変するらしいからな! 俺には【混沌魔法】と【転移魔法】がある!




 +++


 称号【幸運な森の民】

  始まりの森に住まう民を祝福する称号。幸運にもこの称号を手にした者はダンジョンに赴いて秤を動かすことになる。


 +++




 【幸運な森の民】は冒険者界隈ではかなり有名だが希少な称号で、10倍のDPがかかるのを対価にR以上のスキルを放出する。


「凄い称号だが使いにくいな。【幸運な森の民】だ」


「私も持っています~」


「ランクはどうなるんだ?」


「ランクは10倍ですね~。【モンスターランク】を取るとこれです~」


 ヒマリは首を掻っ切る仕草で死を表現してくる。


「ヒマリは【ダンジョンランク】ばかり上がるんだよね?」


「そうです~。【ブレイクランク】も少しずつ上がりますね~」


 【スライムキラー】や【ゴブリンキラー】の称号を取るべきか……俺は取れなかったので悩んでしまう。1回のガチャで【モンスターランク】が20も上がるのは絶対に避けたい。


「俺は少しフィールドでゴブリンを倒してくる」


「それがいいよ。ダン伍はキラー系の称号を取ってなくて」


「狙った称号を取るのは意外と簡単ですよね~」


 【モンスターランク】対策と言っても【ハンターランク】や【アタックランク】は等しく上がる。ダンジョンにいると【ダンジョンランク】が上がるんだし心配ないけどな。


 とにかく3000DPを集めなくてはならなくなった。入国テストで100点は取れないと分かって黄金ダンジョンでDP集めをする方にシフトするプレイヤーは多い。


「ここでお別れだな。俺は地上で細々と鍛えることにする」


「黄金ダンジョンの方が効率はいいですよ~? 19時からも開きます~」


「次には俺がクリアしてる」


「はい?」


 A様は訳が分からないと表情で訴えてくる。俺は何も言わないまま【転移魔法】で地上に戻った。


 次の入国テストでは【転移魔法】で15層に行ってボス部屋に挑める。しかし1時間で討伐出来そうな敵では無いのでランク以上に必要なものが出てきた。


「【黄金の国】ショップに頼るのはな。適当な街に行けばいいだろ」


 【黄金の国】に入団する気はなく、100万DPだけが欲しかった。ガチャを回し放題だ。欲しくない奴がいるか?


 ゴーストタウンと化した街には必ずと言っていいほどモンスターが蔓延る。人間に温厚ではないプレイヤーが大多数だ。


 リアルでも全く同じ現象が起きており、ゲームの運営元が真っ先にモンスターの巣窟と化した。

 それから1年が経過して、世界各地にはダンジョンが生じている。

 Sランク指定のダンジョンは『セイマン』のみだ。危険すぎるせいでいかなる安全対策も通じないダンジョンと見なされている。


「ゴブリンだけ倒して一応は【ゴブリンキラー】の称号を得ないとな」


「グギャギャッ!」


「そいっと! らくらく倒せるな!」


 直剣一本でゴブリンのみを倒し続ける。ガチャで引けるのはより上位の称号になるはずなので少しばかり楽しみだった。

 しかし3000匹だ。気が遠くなるような作業になる。


 俺は昆虫プレイヤーを見かけるたびに狩り場を変えて、【転移魔法】と【混沌魔法】に慣れていった。


 【混沌魔法】は【身体強化】の上位スキルに位置付けられる。【闇魔法】の上位魔法でもあり、【聖魔法】とは相反する属性を有している。


 体感で五倍以上のステータスを簡単に引き出せるのだから、黄金ダンジョンでソロ突破も可能だろうと思った。


 【転移魔法】は行きたい場所に転移出来る魔法で、【ダンジョンランク】が高ければダンジョン内でも転移出来る。


 魔法は全部で16種類。

 下位属性の【水魔法】、【火魔法】、【風魔法】、【土魔法】、【雷魔法】。

 上位属性の【光魔法】、【闇魔法】、【氷魔法】、【炎魔法】、【嵐魔法】、【木魔法】、【王魔法】。

 最上位属性の【混沌魔法】、【聖魔法】、【空間魔法】、【転移魔法】。


 これらの魔法は現実でステータスが置き換わった時に変質するものもあり、【回復魔法】や【無魔法】、【金魔法】などを合わせると無数の進化を遂げる。


 よく比較されるのが技のバリエーションで、魔法スキルの次に武術スキル、その次に採取などの生産スキルだ。


 1つの技を極めるスタンスだったヒマリは、現実で既にステータスを有している。

 対して俺やA様は未習得のスキルが多過ぎて技を極められる段階にない。それにMPを回復させる手段に乏しい。


「転移を使うとMPがゴリゴリ減るなぁ。【混沌魔法】で鍛えるしかないか」


 名前からあれだが最強の付与魔法。


 【ゴブリンキラー】が目標だ。3000匹を倒した頃には爽快感があった。


「……3000DP。ようやくガチャを回せる」


 【幸運な森の民】を信じてガチャを回した。




 ・称号 【混沌の転移人マーベラス・トラベラー




 称号だが【ゴブリンキラー】ではなかった。


「初めて聞く称号だな。鑑定してみるか……おっ、見えた」




 +++


 【混沌の転移人】

  混沌の門と転移の門を繋ぐ者の証。魔の門に春が来たり。竜の門に夏が来たり。王の門に秋が来たり。そして混沌の門に冬が来たる。転移人により優れた魂の輪廻を。


 +++




 おぉ……強そうな称号だ。称号の効果は調べてみるか。


 【幸運な森の民】はDP10倍でガチャ運が良くなる。他の称号に比べて極端な称号だ。


 【混沌の転移人】もその類で、ガチャで引いたランクが全て2倍になるという。


「つまりは体感20倍のスリルが味わえると?」


 【モンスターランク】は死んでも上げたくない。【ゴブリンキラー】と【スライムキラー】の称号は絶対に取らなければ。





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