第15話『激レアスキル3連発』
・【ハンターランク】(+90)
・【モンスターランク】(+120)
・【ダンジョンランク】(+100)
・【アタックランク】(+100)
・【ブレイクランク】(+30)
・スキル 【気合】(R)
・スキル 【炎耐性】(R)
ノリでレアガチャを回してレアスキル2つを獲得した。称号が無かったのは残念だ。
「ランクはまだ上がるな」
「1万を超えたら九人類の仲間入り。ランクの限界値が初期画面で決まるから1つでもSを落とすと【超越者】には至れない」
「モッホは【超越者】だったか?」
「【超級の魔導師】からなれる可能性はある。ダン伍にだってね」
【超越者】か……九人類の仲間入りはしたくないな。ほどほどにランクを上げたいところだがクランのノルマがある。
「ダン伍の第一記は?」
「まだなんだよな。【剣士】だとは思ってるぞ」
「【最速の剣士】かな? 最速のグスターは知ってるよね?」
「九人類の1人だったな~」
「何でも1週間で覚醒に至ったらしいよ」
1週間で覚醒か……古参プレイヤーは新規プレイヤーに追い付かれまいとしてるんだろうなぁ。決定的な差がある。
「【最速の剣士】はないだろ。ただの剣士だしな」
「ただの剣士は黄金ダンジョンをソロ攻略出来たりしない」
A様もヒマリも突破は難しそうだし、入国審査場Aで入国許可が下りたのはここ数か月で俺だけだった。
黄金ダンジョンのタイムアタックで1時間以内。かつての志穂も経験したようでソロ攻略は出来ないと嘆いていた。
「それで宝箱は出たりしない?」
「上司がな~」
「上司ではなく同じクランメンバーです」
密かに探索していたディジーが最下層に降りてきた。
「【幸運な森の民】では弾かれてしまいます。【豪運の擁護者】になってください。宝箱が出てくるようになります」
「【豪運の擁護者】ですか」
幸運吸い取りディジーの【豪運】を擁護する立場になれと。そのためにはパーティーを組むしかないよな。
試験官のディジーがいいならとパーティーを組んで【豪運】補正を活用させて貰う。【SRガチャ】を回すぞー!!
・スキル 【覇運】(GR)
・スキル 【混沌魔法】(SR)
・スキル 【王槍召喚】(UR)
ぐはっ!? GRがまた出た!? それにスキル3連発って!!
+++
・【覇運】(GR)
特定の行動に対して幸運を引き上げるスキル。その他の行動に対しても幸運補正がかかるようになる。
+++
【鑑定】で調べた。【豪運】よりもレア度の高いスキルだ。
「【覇運】スキルですか……?」
「【覇運】ってある」
「勝手に【鑑定】しないでくれ」
鑑定阻害とかはないのか……覚醒ステータスに期待したいところだ。
「ガチャ運は良くなりそうだ」
「もっと喜ぼう?」
「凄いことです。【覇運】は初めて見ましたね」
「とにかくこれで宝箱は出てくるよな!」
「問題なく出現すると思います」
ディジーのお墨付きを貰って、黒曜石の自然王を討伐していく。ダンジョンを独占しているとの定評がある大手クランを目の仇にする視聴者は思いのほか少なかった。
【頑張れー】
【なんやお前、トレーナー志望か?】
【いもむしから孵るの大変】
【私のトレーナーになってくれる? 50代前半】
【孵れたらいいなー】
俺はトレーナー志望。地上に蔓延るモンスターを駆除するのではなく、『セイマン』にいるプレイヤーたちの為になることをしたい。
「ダン伍はトレーナーになれます。Sランク冒険者になるまで【黄金の国】がサポートいたします」
「助かります」
思ったよりも悪くないクランで、俺は居心地の良さを感じていた。九人類と関わりがあるのは眉唾だな。
ノルマを終えた俺たちは、ディジーの意外な事実を知った。
「私はこう見えても高校生です。【黄金の国】には多いですね」
「じゃあ改めて。私は屋敷志穂。探吾と同じ高校一年」
「では同学年ですね。私は出居神奈です」
「二木探吾だ。よろしくな」
リアルネームを教え合って、道場出身と聞いて笑った。黄金道場で学んだ門下生という立場で試験官をしているという。
「二人も道場出身ですか?」
「まあな。俺は個人道場だ」
「VR版の再生道場。本家とそっくりな空間でむしゃくしゃしなかった」
「あれこそ学びです」
反省も後悔もない学びだと言ってのけるディジーを少し羨んだ。俺は意義すら持たされなかったからな……寺子屋みたいな場所でただひたすらモンスターの正しさを教わった。
「本家で学んだことは何もないな。苦行だったぞ」
「同じ道を辿った者同士仲良くしてください」
ディジーは丁寧にお辞儀をしてくる。同じ道を辿った者同士、通じ合う部分はあるな。
「それでですね。貴方の【覇運】がどうしても欲しいです」
「【覇運】狙いか!」
「そうです。これでどうですか?」
ディジーはこそりと耳元で囁いてきた。オーケー、落ち着け俺。
「マジであるのか?」
「はい。覚醒ステータスでもありますからどうぞ」
「いやいや、【覇運】の方がいいって」
「これは落ちるタイプ」
志穂にそう言われて俺はがくりと項垂れた。スキルトレードが覚醒ステータスに反映されるとロマンがあるからな。
ディジーとスキルトレードをして、【覇運】と【完全記憶】を入れ替えた。【完全記憶】はURである。まあディジーの幸運で引いたと言っても過言ではないしスキルオーブを余分にくれた。
「運気アップです。ありがとうございます、探吾君」
「もっと感謝してくれよな。【完全記憶】って残念スキルじゃないか」
「覚醒ステータスで現れると残念スキルというだけです」
ろくに【覇運】の検証をせずに渡してしまった。GRなんて二度と手に入らないスキルだ。
「まあA様にも結構渡してるからな。それであいつクリア出来てないし」
「【転移魔法】がないと厳しい関門です」
聞いてみると、ディジーは最初から【豪運】スキルを持って生まれたようだった。それからトントン拍子に【黄金の国】へと入国だ。
「私は【完全記憶保持者】なので全ダンジョンの階層が分かります。今から記憶をお渡ししますよ」
「マジでそんなこと出来るのか……記憶の引き継ぎって怖いな」
「引き継ぎではなく転写です」
俺は【完全記憶】を有した状態だ。どんな記憶だろうと瞬時に覚えるらしく、その性質を利用して記憶の引き継ぎが行われる。九人類説には与太話もあって、記憶を写し取った九人類の一人が地上でモンスターを操っているという。
【データを受信しました。開封しますか?】
【完全記憶】から声が発せられた。スキルが声を発するのか!?
「私の【知能格納庫】です。【霊域探知】の応用でスキルの所有者に負荷がかからないように知識を与えられます」
「データ扱いですか」
国内ダンジョンのフルマップは覚えて損がないので開封した。知識が雪崩れ込んでくる感覚はなく、すんなりとマップが脳裏に投影された。
「おぉ……分かる! これで【転移魔法】を使いこなせるな!」
「ん? 【霊能格納庫】を持ってる」
志穂は何かに気付いてボス部屋に振り返った。【霊域探知】で扉越しのフロアボスが分かるのか?




