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第11話『リアルの変化』




 翌日。リアルで鑑定スキルが使えるようになった。


「マジで使えるのか……」


 夢じゃないことを確認すると、黒塗りのステータスウィンドウを見た。




 +++


 名前 二木探吾


 【■■■■の■■】

 【■■と■■の■■翅】

 【■■■■■■■】

 【■■■な■■■■■】

 【■■■■■】


 HP 102700

 MP 105900

 SP 208300

 DP 29


 スキル 【冒険家】、【直剣術】、【魔剣術】、【混沌魔法】、【転移魔法】、【水魔法】、【火蜂鍛造】、【魔力探知】、【即死耐性】、【鑑定】、【SPガチャ】


 称号 【幸運な森の民】、【混沌の転移人】、【ゴブリンマスター】


 +++




 あまりに速すぎる。【ブレイクランク】が壊れてないか?


「翅だけご丁寧にある……これは喜ぶべきか?」


 隠蔽能力に優れたのが【翅】系だ。【翼】系だと目立ち過ぎるので【翅】で良かった。悪目立ちは避けたい。


「現代の呪文が完成しつつある。【水魔法】は使えるのか?」


 【水魔法】と念じてみるが使えなかった。呪文が悪さをしている。


 使えるスキルと使えないスキルを検証して、ステータスを電子データに置き換えるサービスでステータスの傾向を見てみた。膨大な量のデータが蓄積されているのでどんな覚醒になるのかが一目で分かる。


「闇系最上位の【影法翅】か水系最上位の【陸海翅】だな。隠蔽能力が高いのは【陸海翅】で【影法翅】は環境を物理的に捻じ曲げる」


 【影法翅】は自分や物の影を翅状にして跳躍、移動補助をかける。他の覚醒枠によっては攻撃や防御にも使える優れ物だ。

 【陸海翅】は隠蔽能力の高さが売りだが【水魔法】が使えないということはないはずだ。【陸海翅】では無さそうだと俺は結論付ける。


「ひとまずスキルを徹底解剖しよう」


 使えないスキルは【水魔法】、【火蜂鍛造】、それと【SPガチャ】だ。

 使えるスキルはそれ以外。【鑑定】でざっとスキルを見ていくことにする。




 +++


 【冒険家】 SR

  冒険者として生きる知識の詰まったスキル。このスキルを持つ者は旅路に困ることなく、冒険者として周囲に認められる。


 +++

 +++


 【直剣術】 R

  直剣を操るためのスキル。セイマン流免許皆伝の剣士。

 

 +++

 +++


 【魔剣術】 SR

  魔力と剣を操ることに長けたスキル。魔法スキルと組み合わせることで【属性剣】を操れるようになる。


 +++

 +++


 【混沌魔法】 SR

  混沌属性の魔法が使えるスキル。闇系の称号と相性がよく、同系統の称号を得やすい。


 +++

 +++


 【転移魔法】 UR

  転移属性の魔法が使えるスキル。闇系の称号と相性がよく、同系統の称号を得やすい。


 +++

 +++


 【水魔法】 R

  水属性の魔法が使えるスキル。水系の称号と相性がよく、同系統のスキルを習得しやすい。


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 +++


 【魔力探知】 R

  優れた魔力を探知するスキル。魔力の反応を追うことが出来る。


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 +++


 【即死耐性】 SR

  即死攻撃を受けても死ななくなるスキル。このスキルを有しているとダメージを無効化する場合がある。


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 +++


 【鑑定】 R

  物や人の情報を読み解けるスキル。探知スキルと組み合わせると強力な武器になるかもしれない。


 +++

 +++


 【SRガチャ】 GR

  SR以上が確定しているガチャスキル。このスキルを獲得した者は戸惑いと恐怖を覚えるだろう。


 +++




 【鑑定】で調べた結果だ。より詳細な情報を読み解こうと思うと、SRの【詳細鑑定】が必要となる。


「アプリで何でも分かる時代だな」


「おーい! 探吾! 学校行こうぜ!!」


 窓の外から幼馴染、米尾大智の声が聞こえてきた。


「もうこんな時間か」


 鑑定アプリでスキルの詳細を見ていると、時間があっという間に過ぎてしまった。大智にはどう伝えようか?


「よっ。何か変わったことに気付かないか?」


「今日にでも冒険者登録しそうな顔だぜ」


 大智は先に冒険者登録したって顔でサムズアップしてくる。Sランクダンジョンに潜ることなくダンジョンに向かう勢力は一定数いる。その方が建設的だからだ。


「ゲームで【冒険家】になったんだ」


「ゲームで? 【冒険家】は当たりだな! 冒険者登録すればいいじゃないか。【冒険家】の知識があればAランクは間違いないって」


「Sランク冒険者になりたいんだ。登録時に決まるものだろ?」


「『セイマン』のクリアだろ? 無茶だって言ったじゃないか」


「DoDを1つクリアすること。俺は1つクリアしたんだ」


 何度もデスゲームになりかけて肝を冷やしたがDoDの1つをクリアした。Sランク冒険者になる能力は備わっている。


「リアルの方がDPを稼ぎやすいと思うけどな」


「いいや。ゲームの方が稼ぎやすいな」


「そんなことないだろ。ドロップだって売れるんだ」


「命懸けでドロップを得るのは変わらないな」


 当たり障りなく言って自転車で学校に向かう。

 【混沌魔法】を使うと電動自転車並みの軽さで走れた。大智は大智で【身体強化】を使っている。


「おおっ! 速くなったな!?」


「お前もな! 称号の効果なのか?」


「ああ! 【筋肉馬鹿】をゲットした! 滅茶苦茶強い称号だぞ!」


 【混沌魔法】は物まで魔法の対象だ。自転車ごと強化するからただの【筋肉馬鹿】には負けない。


 学校に到着して教室に来ると、蛙飛びで教室に入ってきた女子生徒がいた。挨拶しようと手を軽く上げる。


「おーう。志穂さん」


「今日もエネルギッシュだぜ」


「おはよう」


 【陸海翅】を有する屋敷志穂は垂直飛びで10メートルも飛べる。本人は影が薄いと思っているけど百人いて百人が注目する美少女だ。【冒険家】で【音楽家】らしいがやることは突飛だ。


「翼の手入れで時間が無かったよ」


 と、廊下側の窓から教室に入ってきたのは【天神翼】を有する天堂金萌(きんめ)。中性的な顔立ちで気さくな美少年。そしてDoDをいくつも攻略している。


「金芽は相変わらずだな……」


「志穂さんもだけどな」


 人外になって監獄行きを免れた生徒たちは自由に能力を使って生きている。話題はスキルオーブや攻略中のダンジョンのことだ。


「「二木君」」


 ぱっと、二人の視線がこちらに向かった。


「何だろうか?」


「さあな。二人同時に名前を呼ばれるとは」


「【魔力探知】で分かったよ」


「こっちも。貴方、覚醒者」


 二人して同類を見る目をしてくるので戸惑った。俺にはご大層な翼もなければ天才的な才覚もない。


「覚醒者ってどの程度の?」


 俺の代わりに大地が聞いた。俺自身に対する疑問か。


「分からないけど何処の所属?」


「【黄金の国】だ」





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