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第10話『ゴーレムドロップ』




 ゴーレム2周目で魔法袋をドロップして【アイテムボックス】は必要なくなった。

 【黄金の国】に所属して良かったのは黄金ダンジョンを利用出来ることだ。最下層に自由に出入り出来てDPを稼げる。


 黒曜石の自然王は黒曜石の自然片オブシディアン・ハイストーン黒曜石の大宝片オブシディアン・ビッグジュエルなどをドロップする。特に黒曜石の大宝片は換金アイテムで懐も温かくなる。


 その日のうちに2体を倒して、DPは30万を超えた。


「心置きなくレアガチャを回せるな」


 【モンスターランク】は気まぐれでしか上がらない。そう信じ切っている俺はうきうきとSRガチャを回した。




 ・【モンスターランク】(+300)




 のおおおおっ!! 誰が俺にこんな仕打ちをする!?


「も、【モンスターランク】(+300)……何故だ。いやいい、もう一度回すだけだからな!!」


 通常ガチャに戻ってもやることは同じなんだし、SRガチャでスキルを狙った方がいい。にしても(+300)って!!


「次はどうするか。決まってるよな」


 SR確定だ。無視は出来ないしDPには余裕がある。


「レアガチャでSRスキルを引く!!」


 俺は気を引き締めてSRガチャをぶん回した。




 ・【ダンジョンランク】(+200)

 ・【アタックランク】(+200)

 ・【ブレイクランク】(+300)

 ・スキル 【即死耐性】(SR)




 4回目でスキル獲得。

 【即死耐性】があると不意打ちに強くなる。モンスターの蔓延る世界では回避率を上げる【危険察知】に次いで重要なスキルだ。


「【モンスターランク】が出ると一巻の終わりだな……」


 悩みに悩んだ挙句、SRガチャで勝負することにした。通常ガチャでは満足出来なくなったんだ!




 ・【ハンターランク】(+600)

 ・【ダンジョンランク】(+400)

 ・スキル 【冒険家】(SR)




 平凡ながら地味に使えるスキルが出てきた。




 +++


 【冒険家】 SR

  冒険者として生きる知識の詰まったスキル。このスキルを持つ者は旅路に困ることなく、冒険者として周囲に認められる。


 +++




 【冒険家】は魅了系に分類されるスキルの1つだ。冒険者としての知識を引き出せる部分も細かく考察すると魅了にかかったことになる。


 似たようなスキルに【吟遊詩人】や【音楽家】があって、他者を魅了することにおいて絶対の力を発揮する。【冒険家】でダンジョン配信者をしている冒険者は多い。


「【冒険家】……ダンジョン配信者のスターダムだな」


 【冒険家】があればダンジョン配信者になれる。そのためオーブ取引でもかなり有名なスキルだ。称号も多数見つかっている。


「いらっしゃいませ。素材の売却ですか?」


 クランエンブレムを付けて【黄金の国】ショップに入ると、不愛想なエルフ耳の店員が笑いかけてきた。


「売却です」


「まあ! 黒曜石の自然片ですね。それに黒曜石の大宝片まで!」


「珍しくはないですよね」


「いえいえ。十分珍しいです!」


 手持ちの素材をGPに換金すると何故か喜ばれた。


「この自然片はエルフにとって永遠の命を意味するものです。大宝片は永遠の愛を。私たちは自然と調和して過ごしています」


 ゲームの世界観に忠実なエルフは自然片が側にあるからここにいると言いたげだった。魔境から抜け出したNPCだな。


「素材はまた持って来ます」


「お願い致します。宜しければお名前をお聞かせください」


「ダン伍です」


 パーティーを組めるのかは謎だが、店員なので止めておこうと考え直した。ソロでやれなくないしな。


 【火蜂鍛造】で武器の耐久値を回復させられると知って、俺はポーションを買い占めると黄金ダンジョンの最下層に籠った。


 【冒険家】を獲得して花形のSランク冒険者になれるのは間違いなし。ステータスは文句なしだ。それに神スキルのSRガチャがある。




 +++


 名前 ダン伍


 【ハンターランク】 651

 【モンスターランク】 373

 【ダンジョンランク】 699

 【アタックランク】 357

 【ブレイクランク】 357


 HP  102700

 MP 105900

 SP 208300

 DP 29


 スキル 【冒険家】、【直剣術】、【魔剣術】、【魔槌術】、【混沌魔法】、 【転移魔法】、【水魔法】、【火蜂鍛造】、【魔力探知】、【即死耐性】、【鑑定】、【SRガチャ】


 称号 【幸運な森の民】、【混沌の転移人】、【ゴブリンマスター】


 +++




 【ダンジョンランク】は【モンスターランク】の倍近くある。安全圏を確保しているので気楽にSRガチャを回せる。


「【ブレイクランク】が357だ。1週間後にはステータスが反映される」


「ダン伍!」


 【黄金の国】ショップを離れると、A様とヒマリが待っていた。


「よっ。ダンジョン潜ってるか?」


「何そのさりげない【冒険家】アピール! 【冒険家】なの!?」


「【冒険家】だ。急成長を遂げた芋虫の気分だな!」


「そう言う人は芋虫の気分が一生分かりませんよ~」


 一生分からないな。何故芋虫になるんだこのゲーム。


「Sランクの人口は0.1パーセントですよ~。その中でも【黄金の国】に入れるのはほんの一握りなんです~」


「スキルトレードして!!」


「嫌だ。スキルトレードはリスクが大きい」


「私の【魔剣術】で倒したのは忘れないでよね!」


「お前の【魔剣術】で倒したが俺が倒したんだ」


 A様には一抜けした俺に不満があるようだ。


「【魔槌術】はメイス用じゃないか? 良ければトレードするが」


「そっちがいいかも。なんでSRばっかり持ってるの?」


「運がいいからな。それに100万点のゴーレムを倒したんだぞ?」


「そうだった!」


 SRガチャのことは伏せておいて、話の流れでスキルトレードをする。こいつ金持ちだからスキルオーブを好きに買えるんだ。


「【氷耐性】でいいの? 【魔力操作】もあるけど」


「戦闘で使うだろ?」


「まあね。空のスキルオーブ1つで手を打ってもいいよ?」


「それは有難いな」


 空のスキルオーブがあれば対等にトレード出来るわけだ。次からは同じレア度のスキル同士をトレード出来る。


「私も強いスキルが欲しいです~」


「1週間後には覚醒なんだ」


「速っ! 【ブレイクランク】上げ過ぎだよ!」


「じっくり進めないとAランク人間ですよ~?」


「Aランク人間にはならない」


 その自信がある。俺はSランク冒険者になるんだ。


「【状態】系や【群体】系が揃う場合もあると聞きます~」


「魔王性能だからね! 危険だよ!」


「【天人の怒りに触れた翅】だと嬉しいな」


 ステータスが現実で昇華、覚醒すると部位ごとに強化される。現代のステータスはまるで呪文の一節だ。


 【ハンターランク】が翅や翼に変わることもあり、人外ステータスに成長したりもする。【モンスターランク】が悪さをすると身体的な特徴が変化して性別が変わることもままある。


 俺は何も心配してない。【ダンジョンランク】が高いからだ。【ダンジョンランク】に引っ張られるとデフォルトの人間になる。


「私は【魔槌術】であのゴーレムを倒すよ!」


「頑張れよな」





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