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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第4話 中田さんはさみしがり屋

そのあと、ちょこちょこ会話を挟みながら中田さんに傷の手当てをしてもらった俺は、どうにも女子の部屋という非日常な空間に馴染めずそそくさとその場を後にしようとしていた——


漂ういい匂いと、中田さんの悩殺スタイル、そして視界の隅に映り続ける巨大なブラジャー……

理性が限界に達しそうだった……変な気を起こしそうになる。

童貞って、そういう生き物だ。


「本当にありがとう中田さん……だいぶ良くなったよ!じゃあ俺はそろそろ……」


そう言って立ち上がろうとした俺の服の裾がクイッと何かに引かれた。

バランスを崩しそうになりながら振り返ると、そこには頬を赤らめて視線を伏せながら俺の服の裾をキュッと掴む中田さんの姿が……


中田さん!? な、なにこの……なにこの可愛い感じ!?

口に出せない想いが喉に詰まりかける中、彼女はゆっくりと口を開く。


「あのっ、雪村くん……よかったら……夕飯食べていきませんか?」

「ゆっ、夕飯??中田さん家で……?」


それ以外何があるというのか……今からファミレス行こうぜ!みたいな雰囲気にはならんだろ。


マ★ジ★で★?


今日たまたま助けた(ただ殴られただけ)女の子とぉ?今日初めて家にお邪魔してぇ?もう一緒に夕飯を食べるのぉ?


キモさ爆発、童貞思考。


どっ……どうしようどうしようどうしよう……ここは断るべきか?それとも『うん』って言うべきか!?でもあまりにもコレは……その、カップル感が……まだ出会って初日だろ!?


言葉にできないまま頭の中で考えを巡らせていると、気まずい沈黙だけがじわじわと場を支配していく。

ふと視線を戻せば、中田さんの表情がゆっくりと陰を落とし始めている。


「ごっ、ごめんなさい!私つい……雪村くんとお話してると楽しくって……怪我の治療する為に呼んだのに、急に夕飯に誘われてもびっくりしちゃいますよね!?こんなワケわからない女に急に誘われても……」


「そそそそっ、そんな事ないよ!?そんな事ない!誘ってくれて嬉しいよ!?むしろ中田さんとかご両親とかにご迷惑かけちゃわない!?」


「雪村くん嬉しいんですか!?両親はいつも帰り遅いんで大丈夫です!久しぶりに同い年の人とお話したので、雪村くんが帰っちゃうと私はひとりでご飯食べるのがその……寂しいなって思っちゃって……」


寂しい……その気持ちはわかる。

ぶっちゃけ俺も女の子と一緒に夕飯とか食べてみたいけど心の準備が……


いまだにキュッと俺の服の裾を掴んだまま見上げてくる中田さん。

分厚い前髪の隙間から覗くキラリと輝くそのガラス玉のような美しい瞳がどこか悲しげな色を帯びていて……見つめられるだけでどうしようもなく庇護欲が沸き上がってくる。


色々とでっかいのに、気はちっちゃくて……人懐っこくて……可愛い。

なんでこんな子がすぐ近くにいたのに、今まで気づかなかったんだ……!?

思考がぐちゃぐちゃにかき乱されていく。


「そっ…そうだよね?俺もいつも親が出張とかでひとり飯だから寂しい気持ちわかるなぁ!……それでご飯は中田さんの手料理?」


はい……何を言っているんでしょうね俺は?……何が手料理?だよキモいな。そりゃ寧々さんにもキモって言われるよ!


正しくは『ご飯はこれから中田さんが作るの?』なんですよ。そう言いたかったの。

そんな暴走気味の俺の質問に真面目に、しかも笑顔で答えてくれる中田さん。


「はいっ、もちろん私の手料理ですっ!まあ、作り置きですけど……」


「そんな!?全然作り置きでいい!むしろ作り置き最高だよね!家庭的で素敵だよね!しかもすぐに食べれるから………………すぐに食べれるから沢山話せるしね!」


「えっ……!?」


どんどん重なる失言。回らなくなる思考。話せば話す程キモ味が増す。

童貞……というかそもそも女性慣れしていない自分を恨みたい。


曇りがちな思考に沈む俺とは対照的に、中田さんの顔には光が差し込んでいくようだった。

裾を握る細い指先に力が宿り、まっすぐな笑顔が静かに俺を照らしてくる。


「じゃあ雪村くん、私と一緒に夕飯食べてくれるんですね!?嬉しいです!」


ん……どうしてそうなった?………でも、これはもう……


「あ……ああ!ご馳走になっていいかな!?」

「もちろんです!雪村くんはご飯の量は普通でいいですか?食後は紅茶?それともコーヒーがいいですかっ?」

「えっと、あの……ご飯は普通でいいかな?あと食後は……コーヒーで……!!」


「わかりました!じゃあすぐに温めてきますね!少しだけ待っててください!」

「あっ……ありがとう……中田さん」


もうっ!どうにでもなれっ!☆

ヤケになった気持ちのまま中田さんにそう言った俺に、彼女は満面の笑みを浮かべてすっくと立ち上がりそのまま足取りも軽く部屋を出ていった。


残された俺は何かが抜けたようにその場にぺたんと座り込む。

……なんで?中田さんこういう時は押し強くね?


流れで決まった中田さんとの晩ごはん。

中田さんってもしかして……さみしがり屋?なんていうか、性格も可愛すぎないか?これは本当に後藤から守って正解だったな……こんないい子、あんな奴にいいように使われるだけだ……あの野郎……


せっかく人生初の女子の手料理を一緒に食べるイベント。

今はそれを楽しみにするべきで変に暗いことなんて考えてる場合じゃない。


俺はそう言い聞かせるように首を振って暗くなりそうな思考を振り払うと、少しだけ緊張しながら中田さんの帰りを待つのだった——




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