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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第18話 俺と麗奈の秘密の特訓♡

片桐麗奈(かたぎりれな)——


陸上部のエース候補で運動神経抜群。しかも趣味まで運動という筋金入りの元気っ子。


幼稚園から高校に至るまで、クラスまでずっと同じというまさに腐れ縁の幼馴染みってやつ。


中田さんを除けばコイツが唯一俺の周りにいる女子だ。

見た目的にはたぶん……可愛い部類に入るとは思うが、男勝りな性格もあって昔からあまり女子として意識したことはないし、今更そうは見れない。

それは向こうも同じだろうが。


そんな彼女がグイグイと距離を詰めてきて俺の顔を覗き込んできた。


「ん?薫なんかニヤけてっけど……どした?休みの日にあーしと会えたのがそんなに嬉しかった?それともこの格好にドキッとしたとか?うわっ、ヤラシーww」


「はあ……?会って早々そうやって煽ってくる女にときめく訳ないだろ?」


「うわっ、ひっど!?せっかくあんたの頼みだから来てやったってのにその言い草!?だからモテないし変人って言われんだよ!」


「うるせぇ、ほっとけ………」


口調はちょっと荒っぽいが麗奈はずっとニコニコしてる。

これが俺たちの通常運転で幼馴染みらしい距離感というものだ。


ひとしきりいつものノリが終わったところで俺はふと真面目に顔を上げると、正面からちゃんと礼を伝える。親しき仲にも礼儀ありだ。


「まぁ……ありがとな麗奈。俺の筋トレの指導とか付き添い引き受けてくれて」


「ぷぷッwwなに急に改まって、薫らしくないwwいいよ、あーしいつもこの辺り走ったりしてるし筋トレは日課だから!まぁ……あんたどーせ友達いないし、あーしがやってあげなきゃ誰もやってくれないでしょ?」


「おまっ……友達いないは余計だろ……」


冗談交じりにグサッと刺さるようなことを言ってくるのも麗奈の得意技だ。

でも不思議とそれが嫌みに聞こえないのが彼女の魅力なのかもしれない。

そんな彼女は不思議そうに俺を見つめながら、とある事を聞いてくる。


「んでさ……なんで急に筋トレとか始めようとか思ったわけ?連絡貰った時、あーしビビったよ?」


「それは……色々……」

「色々ってなにさ?あーしに言ってみ?」


「いや……それは……」

「薫が教えてくれないなら……あーしもあんたに筋トレ教えてあげないにしよっかなぁ?」


意地悪そうな顔でチラチラとこちらを窺ってくる麗奈。

俺はそんな彼女のいたずらにあっさり屈してしまった。


……まあ、コイツには言ってもいいか。


そんな気持ちもどこかにあったのかもしれない。


「ちょっと色々あって、俺、今年のミスターコンに出ようと思ってて……こんなひょろガリじゃ全然格好良くないだろ?だから、せめて少しは身体仕上げてから出ようかって思ってんだよ……」


その一言を聞いた瞬間、麗奈の表情が一変し、声にはわずかな焦りが混じった。


「はあっ!?ミスターコン!?薫……あっ、あんた本気!?」


「なんだ……悪いかよ……」


「悪くはないけどさ!?たしかにあんた顔立ちは綺麗なほうだけど……でも、高校じゃだいぶ変人扱いされてるでしょ?そんな中でミスターコンなんか出て何かやらかしたら……下手したらまたみんなに酷いこと言われるかもしれないんだよ!?」


麗奈の瞳の奥には心配の色が色濃く滲んでいた。


それもそのはずだ。

コイツは俺がいじめられていた時期を一番近くで見ていたんだから……


そして唯一俺の肩を持ってくれた、ある意味では親友とも言える存在だ。


でも俺は引くわけにはいかない。

中田さんは俺なんかよりもっと辛い思いをしていたんだから。


麗奈みたいに近くで支えてくれる人もいなかったはずだ。

だから今度は俺が中田さんを支えてやりたいんだ。


「わかってるよ……また麗奈に心配かけるのは悪いと思ってる。でも、それでも俺は出たいんだ。だから麗奈、力を貸してくれないか?」


俺の真剣な想いを聞いた彼女はしばらく黙り込んだまま動かず、やがて肩を落として頭を抱え大きなため息を漏らした。


「はぁぁぁ〜〜………わかったよ、薫はそうなったらテコでも動かないからなぁ」


「わかってんじゃん……」


「はいはい……それで薫、あんた覚悟はあんだよね?」

「もちろん、どうなっても後悔はしないし、やるなら全力でやる!」


「オッケ……じゃあ、あと一ヶ月ちょっとしかないから手抜き一切無しでスパルタでいくからね?……その代わりあーしがバッキバキにしてやっから!」

「おう!それで頼む!」


グッと拳を突き出した俺に、麗奈は半ば苦笑いを浮かべながらもしぶしぶジト目で拳を重ねてきた。


「こんなことしてあげられるの、あーしぐらいしかいないんだからね?わかってる?それとミスターコンも応援してあげるよ……仕方ないから、あーしがあんた推したげる」


「わかってるよ、だからお前に頼んだんだから……サンキュ!麗奈!」


「はぁ〜調子良すぎ……じゃあその代わり、今日ラーメン奢りね?」

「もちろん!そこは任せてくれ。むしろ今日だけと言わず次回も奢ってやるよ!」


「言ったな?遠慮なくがっつり奢ってもらうからな?覚悟しろよ?………じゃあ、早速トレーニング始めてこっか!薫!」


公園に響く麗奈の元気な声。

その勢いに負けないほどの意志を込めた視線が俺に向けられていた。

俺もその気持ちを真正面から受け止めるように彼女をまっすぐ見返す。


「おうっ!よろしくなっ!」


そんなかけ声と共に、俺の1ヶ月半に及ぶ地獄の筋トレライフが幕をあげたのだった——


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