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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第17話 俺の秘密の計画

耳元でけたたましく鳴るアラームに追い立てられ、カーテンの隙間から漏れる朝の光が瞼を焼く。

俺はゆっくりと意識を取り戻し、眠気を引きずったままスマホを手繰り寄せた——


ふと画面に目をやると、そこには7:30日曜日の文字が浮かび上がっている。


予定どおりに起きられたことに安堵しつつ、半開きの瞼をこすりながらベッドから起き上がり思いきり背伸びをして身体に刺激を送る。


「ん〜〜!……ふぅ………よしっ!」


今日から俺はとある計画を始める。そのためにこんな時間にわざわざ起きたのだ。


その計画とは……肉体改造計画。

要するに筋トレである——


俺は中田さんとミスコン・ミスターコンに互いに出場する約束を交わした。

それは彼女にとっても大きな挑戦であり俺にとっても例外じゃない。


だからこそ俺も全力で取り組みたいし、彼女の前で情けない姿なんて絶対に見せたくない。


そしてあわよくば、ミスターコンの舞台の上で今の変なヤツというレッテルを剥がし、晴れてリア充の仲間入りを果たしたい……なんて妄想もほんの少しあったりする。


見た目の印象を決める大きな要素はやっぱり体つきだと考えた俺は文化祭がある10月末までの約1ヶ月半、日々筋トレに励むことを自分に誓ったのだ。


中田さんには気を使わせたくなくてまだ言ってないけど……


俺は部屋を出ると風呂と着替えを手早く済ませ急いで準備に取りかかった——


というのも、今日はある人と公園で待ち合わせしていて遅刻だけは絶対に避けたかったからだ。


すべてを整え玄関へ向かおうとしたその折、手に持ったスマホがブルッと震えた。


【栞:おはよ雪村くん!】


画面を見た瞬間、思わず笑みがこぼれる。

昨日から続いている中田さんとのやりとりは俺にとって癒しだ。

しかも今日は彼女の方から連絡をくれるなんて。


……って、おい!浮かれてる場合じゃない!


我に返り、自分に喝を入れるように緩む両頬をパンッと叩くと俺は中田さんに返信したい衝動を必死で抑え込み、荷物を掴んで家を飛び出した——



————



朝の澄んだ空気の中、俺は足早に公園へと向かった——


家からは徒歩数分という立地の良さもあり、あっという間に公園へと到着した俺は中程まで歩を進めてあたりを見渡すがまだ待ち人の姿はない。


あれ?アイツ、まだ来てないんだ……


その状況をチャンスと捉えた俺は、すかさずポケットからスマホを取り出し中田さんへの返信に取り掛かった。

そして頭を悩ませひねり出した文章がコレ。


【薫:おはよう中田さん!そういえば明日放課後時間ある?よければミスコンの事で打ち合わせしない?】


くっそおもんない文章……急な誘い文句……そりゃモテないわ。


しかし、これ以外に思いつかないのだから仕方がないし、次の約束も取り付けたいのも事実だ。

俺は申し訳なさを抱えつつ送信ボタンに指をかける。


そして、ものの数分も経たないうちにその返信が返ってきた。


【栞:うん!やろやろ!私、時間はいっぱいあるから誘ってくれて嬉しいな♡】


「はぁ〜〜……よかった〜〜」


それを見てほっと胸をなで下ろしながら小さく独り言を呟く。

もし断られていたら……というボッチ童貞特有の不安が頭の中を支配していたぶん、中田さんからのその返信は本当に嬉しかった。


そんな気持ちに包まれていると、さらに中田さんからメッセージが1件。


【栞:どこでやる?もし雪村くんが嫌じゃなきゃ、私、雪村くんと一緒にカフェ行ってやりたいな】


えっ!?カフェ!?またデートっぽくない!?……

そんな考えもよぎったが中田さんの希望なら断る理由なんてない。

だから俺は内心を悟られないよう、さりげない感じの文章を心がけて返したのは秘密だ。


【薫:俺は全然いいよ!じゃあカフェでやろうか!】

【栞:うん!楽しみにしてるね!あっ!そうだ聞いてよ!今日ね………】


その後も会話のようにテンポよく続くメッセージに、俺の顔は緩みっぱなしだった。


中田さん……いちいち可愛すぎるんだが……!?

キュン死も視野目前のデレデレな顔のまま返信を打ち終え送信ボタンに手をかけようとしたその刹那——


「薫おっは〜!ちょっと遅くなっちった……わりっ!待たせてごめっ!」


遠くからでも聞こえる明るく元気で人懐っこい声が俺の耳に飛び込んで来た。

反射的にスマホから顔を上げると、こちらに向かって手を振りながら足早に近づいてくる女の子がひとり。


女子にしては高めの身長にシャープな黒のショートヘア。

長いまつげに切れ長の目、悪戯っぽく吊り上がる口元には鋭い八重歯がキラリ。


鍛えられた引き締まったボディに控えめの胸、そして、その健康的な四肢を見せつけるかのようなスポーティなヘソ出しランニングウェアにショートパンツ。


そのどれもが彼女らしさをこれでもかと主張している。


そんな、やんちゃなスポ根少女風の彼女の名は片桐麗奈(かたぎりれな)


今日ここで待ち合わせをしていたその人であり……


俺の幼馴染みだ——




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