第27話 後輩が配信を開始した。
こいつ今なんて言った?
一緒に配信?俺が?江本と???
「いやいや無理無理無理無理!!!」
俺は思いきり手をブンブン振って笑顔の江本から遠ざかる。
「えー良いじゃないですかぁ~。」
「良いわけあるか!」
こんな情弱の俺が配信だと!?無理に決まってんだろ!!
俺が強烈に拒絶している最中、暇を持て余していたひなのが目を輝かせて俺の胸元に飛び込んだ。
「パピー!!ひなもお金持ちになりたい!!」
「なれんなれん!こういうのは運と実力を兼ね備えた奴しか出来んって!」
「いやーそんな固くならなくて大丈夫ですよ?MiyaBiと違って私キャラ作りとかしてませんし、先輩はあくまで私のアシスタント的な感じで出てくれれば」
そうは言われてもなぁ……
「俺はさ……こんなド素人がお邪魔してファンに叩かれる江本を見たくないんだ」
「え?」
「だってお前、めちゃめちゃ有名人なんだろ?ちょっとでも評判を落とさせたくないって言うか……」
「……先輩……」
江本は急に顔を赤くして俺から目線を外した。
そんな彼女を見て何か勘違いしたのかひなのがジト目を向けてくる。
「……浮気け?」
「ちゃ、ちゃうわい!」
てかひなの、佐々倉さんは良くて江本は駄目なんだな。
可哀想に江本……幼児に嫌われて……
「ちょっとひなひな?言ってるでしょ?私が本妻なの!浮気相手じゃないから!」
「むむ!天才様にそう言われれとひなは反抗出来ん!!」
お前盆栽いじりはどこ行ったんだよ。
「まぁそういう訳だ。江本、悪いが──」
「あ、でも私のファンに私を叩く人居ないんでとりあえずやってみましょっか!」
「え、嘘だろ?おい、引っ張るなっておい!おいぃぃいい!!!」
※
「退屈……」
配信業も引退して、諒太さん達とも会わず、私はベッドの上でゴロゴロと1日を無意味なものにしようとしていました。
結局私には分不相応な夢だったんです。
いつか"Emo"様みたいになれるかなって頑張ってきたけど、やっぱり母さんは普通に生きなさいって……
ずっと私を見てくれていたファンの皆にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
もう諒太さん達とも会えない。
会う理由がない。
配信業と諒太さん達と会えないの、どちらが辛いと言われたら正直今のは私に答えは出せません。
だってどっちも同じくらい辛いんです。
諒太さん……私どうすれば良いですか……教えて下さい……
「あ、Emo様の配信……」
ぼーっとスマホを眺めていると、私の憧れの人であるVtuberが配信を始めるとの通知が来ました。
私はEmo様のSNSは全て登録してますからね。えへん。
……正直、これを見ようとしている自分が良く分かりません。
まだあの世界に未練があるのか、ただ純粋にEmo様が好きなのか……
気が付けば配信が始まっていました。
スマホから流れるEmo様の美声が聞こえてきます。
『あー……皆~聞こえてる?Emoだよぉ~。今日さ、ちょいと特別ゲストに来て貰ってるからもしそゆのが嫌だったらブラバ推奨だよん!』
へぇ、今日はコラボ相手でも来てるのかな?
私は呑気に紅茶を飲みながらその特別ゲストさんを待ちました。
『さぁ、おいで!!』
Emo様の掛け声と共に聞こえてきたのはとても聞き覚えのある声でした。
『……ど、どうも~……Ryoで~す。み、皆さんよろしくぅ』
「ぶぅぅーーーー!!」
はしたなく飲んでいた紅茶を撒き散らしてしまいます。
そして私はこう叫びます。
「りょりょりょ、諒太さん!?」
お読み下さりありがとうございます!
しばらく更新をストップしてしまい申し訳ありません!!
ちょこちょこお休みは頂くと思うのですが必ず完結まで書きますのでもうしばらくお付き合いお願い致します!
また次回もよろしくお願い致しますm(_ _)m
【作者からのお願い】
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