第25話 後輩の家を訪れた。
「でっけぇ~……」
「ひぇ~………」
我が家から一駅離れた所に存在する、この県でも指折りの一等地。
江本の自宅はそんな場所の中でも一際大きなタワーマンションの中だと言う。
うちのちょっと小綺麗なくらいのマンションとはえらい違いだ。
「……あいつすげぇな……」
俺はオートロックのインターホンを鳴らす為に江本にマンションの前に着いたと連絡を入れる。
すると、江本から着信が入った。
「江本?どうしたらいい?」
『あ、先輩!ご足労ありがとうございます!今から私そっちに向かいますから待ってて下さいね!』
「おっけー、助かるわ。んじゃ切るな」
『はい!!』
通話の切れたスマホをポケットに入れると、手を繋いでいたひなのが飛び跳ね始めた。
「パピー!超近未来みを感じるぞ!!」
「なにそのギャルっぽい喋り方」
「ひなは影響を受けやすいタイプなのだ」
「誰の影響だ誰の」
俺達がそうして5分程待っていると、エントランスの奥から江本が小走りでやって来た。
「先輩~!あ、それに先輩の娘っ子」
「急にすまんな」
「ひなはひなだぞ!浮気相手」
「だ、誰が浮気相手ですか!本妻です、ほ・ん・さ・いぃ!!」
「じゃあお前は盆栽だ」
「なんで!?」
子供相手になにやってんだこいつ。
「江本、盆栽が好きなのは分かったから案内して貰えるか?」
「いや全然好きじゃないんですけど。はぁ……とりあえずこっちです……」
そうして俺達は江本に案内されるがままエレベーターに乗った。
まさか最上階にでも住んでいるのかと思ったら、江本の部屋は2階の角の部屋だった。
特に眺めが良いとかは無いが、何と言うか豪華さが凄い。
まず部屋に入るまでが高級ホテルの廊下って感じで、マジでこれ家賃いくらなんだろ……
「先輩、ここが私の部屋です」
「お、おう。それじゃお邪魔します……」
「邪魔するぜ」
丁寧に靴を揃えて脱いだ俺達はリビングの方へと通された。
「パピー……盆栽の家凄いな……うちとはえらい違いだ……」
ひなのが萎縮してしまうのも無理は無かった。
マンションだと言うのに信じられない程の広さで、敷き詰められた絨毯はおそらく俺達のような平凡なサラリーマンには想像もつかん値段だろう。
「ここまで来ると羨ましく思うのもおこがましいかもな。江本……お前一体何者なんだ……?」
江本が何やらネットの有名人で、Vtuberの事を教えて貰えるかからここ来たんだが……
こいつは予想以上の人物かも知れん。
俺の質問に江本は答えた。
極めて不機嫌そうに。
「前にも言いましたし思い出せば良いんじゃないですかー。どーっせ私の事なんか興味無いんでしょうけど」
「なに拗ねてんだよ」
「……別に拗ねてません」
「拗ねてるだろ。それにな、俺はお前に──」
──カタン。
俺の言葉を遮るようにリビングの奥から物音が聞こえた。
「な、なんの音だ?」
「あれ……先輩の娘さんは……?」
「あ!あのバカ!今度は何をやらかすつもりだ……!!」
「ま、待って先輩っ!そっちは──」
俺は物音がする方へ走って行くと、すぐにひなのを見付けた。
「こらひなの!お前人様の家……で……」
「……ひょえぇぇえ~……」
「……遅かったか……」
後ろからやって来た江本は、リビングの奥にあったもう1つの部屋を見て固まっている俺達の背中をつついた。
「はぁ……人様の家を勝手に覗くとかサイテーですよぉ」
「す、すまん……だけどお前これ……!」
「すみませんでした盆栽」
「良いですよ……あと盆栽言うな。やれやれ──」
俺達が目の前にしたのは積みに積み上げられた札束の山。
部屋一面を埋め尽くす程大量の現金は、俺が一生掛かっても手にすることはないであろう額だった。
「総額およそ3000億。私が今手元に置いている現なまです。先輩、小娘、これを知ったからには生きて帰れると思うなよ……???」
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