23.森のお掃除をしましょう
明けてから二十日も経ってしまいました。
年末年始は少し忙しかったので……
と、ありきたりな言い訳です。更新が遅れてすみません。m(_ _)m
今年もどうぞよろしくお願い致します。
お肉の美味しさに思いを馳せつつも索敵、マッピングを常時展開しながら森を進む。
勿論、爺さま婆さまも索敵は展開させていると思うが今回は主に私の修業が目的なので余程の事が無い限りは何も言ってこない。
基本的に装備の隠密機能も相まって、それ程魔物と遭遇していない。
それでも進行方向に居る肉……いや、魔物だけでもそれなりだけどね。
修業と言っても戦闘だけが目的でもないし、移動や野営、索敵などの経験を積むのもその一環だ。
だから割合のんびりとしているかな~
一応危険度が高い深淵の森なんだけど。
と、そんな時ーー
「ん?ちょっと待って」
「どうしたんだい?」
「ここから西に300メルト行った辺りに、何か……人間?が……んー26人かな、いるよ」
「こんな所に人が……珍しいねぇ冒険者かね」
「冒険者にしては人数がちと多いのう、レイドバトルするような魔物が出たとは聞いておらんし、騎士の演習か……或いは善からぬ者か」
「んーーーーっと、その中の一人は子供みたい」
「む。貴族の子息がお供を引き連れてレベル上げに来たかのう、にしては深淵の森なんぞ無謀にも程があるが……」
私は更に索敵に天眼を乗せて視てみる。
するとーー
「ん!子供は縛られてるみたい。あと、子供の他にも三人程縛られてるよ。探知出来るから生きてはいるみたいだけど……」
そう、死体は生き物として探知されない。
「おやおや、物騒だねぇ」
もう少し範囲を広げて見てみよう。
相手は移動している為、子供を直ぐどうこうするつもりは無さそうだし。
「婆さま、森の入り口、お家から……北東400メルト付近に馬と人がいるよ。魔力、体温、気配から見て、かなり危険な状況かもしれない」
「ふむ。怪我をしているなら血の臭いで魔物が寄って来るかもしれないねぇ、どれ、アタシはちとそちらに向かってみようかねぇ」
「大丈夫?」
「ふふ、アタシを誰だと思ってるんだい?こんなのは朝飯前だよ」
「わかった、じゃあ婆さま、気を付けてね」
「ユーキも気を付けるんだよ」
婆さまは爺さまとアイコンタクトを取ったと思ったら一瞬で姿を消した。
さすが婆さま。
婆さまなら元聖女だけあって回復はお手の物だから任せて安心だよね。
全然関係無いが、私も学校に通うようになって語彙力、滑舌ともに向上したのですよー
滑らかに「爺さま婆さま」って言えるようになったんだ~ンフフフ。
今までは「爺ちゃま婆ちゃま」とか、舌足らずみたいだったしね。
初めて「爺さま婆さま」って呼んだ時、なんか残念そうな顔をしていたのは気のせいだと思いたいが。
おっと、話が逸れた。
さて、こちらももう少し探ってみよう。
お、さすが天眼、この距離でも簡単なステータスが視れるよ。
一つ勉強になったね。
んーと、子供は「貴族の子」で縛られてない人は「盗賊」ね。
やっぱり善からぬ者でしたか……だよねー
こんな所に縛られている人がいる時点で怪しいもんね。
じゃあ他の縛られている人は…………お?三人の内、二人は「護衛騎士」でもう一人は……「従者」……いや「盗賊」ってなってる。どーゆーこと?
例えて言うと磨りガラスに「従者」って書いてあってその下から「盗賊」って文字が透けて見えるみたいな。
「ねぇ爺さま、縛られている人の中に「従者」なのに「盗賊」ってなってる人がいるよ」
「おぉ、ユーキはこの距離でステータスが視えるのかい?さすがワシらの可愛いユーキじゃのう、凄いのう、可愛いのう」
いや、可愛いとか関係無いですし。
嬉しいですけども。
「ふむ。それはスキルか魔道具での擬装じゃな。さすがにユーキの目は誤魔化せんだろうが仮にも貴族の家に潜り込めるくらいなら、それなりにレベルの高いものじゃろう」
へぇ、普通、擬装はこんな感じに見えるんだ。
自分のステータスは擬装したそのままの状態でしか見えなかったから知らなかったよ。
またまた一つ勉強になったね。
「でもなんでこんな所に盗賊が?深淵の森って高ランクの魔獣のせいであまり人が寄りつかないんじゃ……」
「だからこそ後ろ暗い奴らが根城にしたのじゃろう。森の浅い層ならば魔物除けの魔道具か結界があればある程度防ぐ事が出来るからのう」
擬装のスキルか魔道具、そして魔除けの魔道具か結界。
こんなものを使えるんだから、そこそこの盗賊団なのかな?
普通盗賊とかって街道とか道で待ち伏せして襲うイメージだけど、貴族の家に潜入してるんだもん計画的犯行だよね。
「ふむ。ユーキが学校に行くようになってからワシらも留守にする事が多くなったからのう、善からぬ者が森に居着いてしまったか……これはちと掃除をする必要があるのう」
「うん、そうだね」
子供も心配だし、とにかく行ってみますか。
◇◇◇
「ーーぎゃははははは、こんな……チョロい…………じゃねーかぁ」
「ぎゃはは、そーだなぁ、ところでーーー」
ん……
こ、ここは……?
あれ、ボクは……どうしたんだっけ?
うっ、身体が痛い、動けない!縛られてる?
たしか馬車に乗ってて……なに?なに?何がどうなってるんだ。
周りにいるのは誰?
「しっかし、あの貴族のガキは殺すなって言われてるけど、他の奴らは別にどうでも良いんだろ?面倒だからぶっ殺しちまえば良いじゃねーか」
「馬鹿やろ、護衛の女を見たか?二人ともなかなかいい女だったぜ?ヒヒヒ」
「ぎゃはははは、お楽しみってことだなぁ」
「でもよぉボスが飽きるまではお預けなんだよなぁ、くー我慢出来ねぇ!」
「じゃあ、あのガキはどーだ?殺さなきゃ何したって良いんだろ、案外良いかもよ?ぎゃはははは」
ーーガクガク、ブルブル
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
父上、母上……うぅ誰か助けてーー
…………うっく、ふぅっ、ボクは貴族なんだ、【白銅】持ちなんだ。
泣いている場合じゃないんだ、何とかしなければ。
でもどうしたらーー
「女の敵、加えてショタとはね。はいギルティ」




