↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/22

第20話 落ちたら先にあったものは

 

「ん……」


『なんか下がフワフワして、ぬくぬくする……』


 目を開けると蕾は知らないベットの上で寝ていた。

 外から差してくる日差しと温もりが蕾の体を優しく包み込み、シーツの布は少し埃っぽい感じもするが優しいお日様の匂いみたいなのがしてとてもリラックスした。


『誰かが塗ってくれてた……?』


 頬にヒリッとした痛みがしたが手で傷口を触れてみると、塗薬のようなものが塗られていた。


 蕾はまだハッキリとしない意識でぼーっと、瞼を開けていると知らない少年が視界に入り込んできた。


「よかった……!目が覚めたんだね」


 茶髪の少年の安心した様子で笑顔で蕾に語りかけてくるが蕾からの視点で見ると、ただ知らない人の巨大な顔が視界に映り込んできたようにしか見えなかった。


「おひゃゃぁああ!!?」

「うひゃゃぁぁあ!??」



 突然見知らぬ少年の顔が目の前にデカデカとあった為に吃驚して叫んだ蕾に驚いて少年も釣られるように叫んだ。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ごめんなさい、助けて貰ったのに悲鳴を上げて……」

「いいよいいよ。突然僕も大きな顔で覗きこんだのも悪かったし。そんな謝らないでツボミちゃん」


 なんとか誤解が解けると同時に蕾は何度も謝り、お礼の言葉を述べた。

 茶髪の少年“アルバ”という少年に蕾は事情を説明すると、アルバは驚きながらも、蕾の話を大人しく椅子に座りながら聞いた。


「けど驚いたよ。アルバ君って、隊長さんの部下さんだったんだね~」

「うん。まだ弱いし下っ端だけど僕は今、ルア隊長が率いる五番隊で働かせてもらってるんだ」


 見習いの兵士であるアルバはどうやら歳も蕾と近く、此処に来て日もそんなに経っていないらしい。

 身長も然程伸びておらずルアの外人のような体格と比べると明らかに低く、腕も体全体も筋肉の付きもまだ発展途中なのか細かった。

 兵士という割にはアルバの見た目からはまだ少年のようなあどけなさが見受けられた。


「大丈夫。ルア隊長の部屋の場所なら知ってるし、ルア隊長の元には僕が責任持って返して……イテテッ……!」

「ど、どうしたの?」


 急に腹を押さえて痛がるアルバを見て、心配になった蕾はそっとアルバの体に近づき膝の上に乗ると、アルバの上着を捲ってみた。

 アルバの体には転んで出来たような細かなすり傷以外にも、腹に目立つ大きな青痣が出来ており、内出血を起こしていた。


「うわぁ、酷い痣!痛そう……」

「あはは……ちょっと剣術の訓練でミスっちゃってそれで……」


 思わず蕾は眉を歪め、口元を手で押さえてしまう。笑いながら衣服を下げ、己の怪我をアルバは誤魔化そうとしていた。


「自分で手当てしようにも回復薬なんてとてもじゃないけど高いし、自分じゃ調合出来ないし……」

「え、じゃあ私のこの薬は――……」

「あ~……!それは、妹が心配だからってくれたんだ」


アルバが見せてくれた小瓶の中身は空っぽになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 本日はこの小説をお読み頂きありがとうございました (*´ω`*) 『評価』『感想』『レビュー』等、頂けると定期的に執筆をする際、大変モチベーションが上がり、作者は踊り狂って喜びます。お時間があればお願いいたします(笑)。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。