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第18話 落ちてしまいました

 

「それじゃ行ってくる」

「はーい、行ってらっしゃい隊長さん~!」


 あれから暫く。蕾がルアの部屋にお邪魔し暮らし始めてから、一週間が過ぎようとしていた。


 最初はびくびくブルブルとルアに怯えていた蕾であったが、あの日以来からルアに抱いていた誤解も徐々に解け始め、話す回数も増えてきていた。


「さて、今日は何にしよっかな」

『隊長さんの机の雑巾がけは昨日やっちゃったし……』


 ルアが部下の訓練や仕事などに出かけている間、蕾は部屋の中で留守番している。

 ルアが一度、昼御飯を運びに返って来てくれるまで暇なのでそれまでは掃除か昼寝をしているしか二つしかなかった。


 日本にいるはずの友達や家族が恋しく思う時もあるけども、幸いにも隣には時間が合う時に美味しいポロッコを食べながらお話しもできる茶飲み友達でもあるアランがいてくれた為、蕾は孤独感や寂しさは微塵も感じることはなかった。


「あっ、隊長さん。ペンダント忘れてってる……」


 蕾は机の上に置かれた銀のロケットペンダントに気付く。

 十字のマークが刻まれたペンダントはいつも必ず、ルアが外に出掛ける際に首からさげている物であった。


『いつも身に付けてる位だから余程、大切な思い出が詰まったペンダントなんだろうな……』


 規則など戦いなどには厳しく、何事も効率重視し、必要な物以外基本身に付けない主義。そんなストイックな生活を送る彼が唯一戦いと関係しない物を身に付けているとなると余程大切な人から渡されたアクセサリーなのであろう……。


 そう考えてしまうと、蕾はじっとしていられなかった。


「よし、届けに行こう!」


 悩んだ末に決心した蕾。だが、決心はしたもののこの部屋からどう抜け出せばいいのか方法が思い浮かばない。

 入り口の扉を開けるには蕾の今の体では、大きすぎて力も足りない。


 他から何処か外に抜け出せる隙間はないものかと、蕾は周囲を見渡していると部屋の中に一つだけ付いてる小窓が目に入る。


「そうだ、ここからなら……!」


 いつもルアが早朝に室内の換気のためにとこの窓を使用していたのを蕾は見ていため、開け方はもうばっちりとマスター済みであった。

 窓の側によじ登り、窓枠に立つと蕾は窓に手を掛けて押す。


「んー!固いッ……!」


 意外と窓は見た目より固く閉ざされており、簡単に動いてくれなかった。

 それでも諦めず蕾は全身を使って、力一杯に窓を押してみる。すると、蕾の望み通りガタリと窓が動く。


 ガチャリ……。


「やった!開い―――」


 窓は開き、外の風が部屋に吹き込む――。が、突然開いた窓に蕾の体は対応しきれずそのまま重力の法則に従い、二階から落下する。

 小窓の外側には鉄の格子が設置されていたが、上手い具合に蕾の体はすり抜けてしまった。


「にょわぁぁぁぁああ!!?」


 『し、死ぬッ!』と、蕾は全身を襲う浮遊感の中で死を覚悟した。恐怖で体は縮こまり、ぎゅっと目を閉じる。

 小さい体は簡単に地面にと落ちていく。蕾が落ちた先には茂みがある。すると茂みは独りでにザワザワと動くと共に、一気に中から枝が伸びる――!


 蕾を助けるかのように枝は蕾の体を受け止めると、枝はそっと柔らかい茂みの上に蕾の体を優しく置いた。

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 本日はこの小説をお読み頂きありがとうございました (*´ω`*) 『評価』『感想』『レビュー』等、頂けると定期的に執筆をする際、大変モチベーションが上がり、作者は踊り狂って喜びます。お時間があればお願いいたします(笑)。
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