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365個の物語  作者: ひなた
如月 チョコレートは恋の味
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如月二十一日

  君が良い 君を含まぬ 全てより


 君があまりに、なんでもないようにいうものだから、僕もなんでもないことかのように思えてしまったいた。

 けれど本当はこんなにも大切で、苦しいことだったんだ。

 どうして君はわかってくれない。どうして君には、この思いが伝わらないんだい?

 僕の思いを押し付けることが、もちろん良いことだとは思わないさ。

 そんなにも、傲慢でありたくはない。僕は僕であり、君は君なのだから、考え方が異なることは当然のこと。

 それがわかっていたとしても、悲しくはないか? 僕だけが君を想っていて、君は僕のことを、なんとも思っていないだなんて……。

 君なりの愛の形に、気が付いていないわけではないけれど、思えば君から求めてくれたことなんて、一度でもあったろうか。

 いつも僕ばかりが焦がれていて、君は涼しげな顔をして、僕のことを笑っているのだろう?

 あぁ、恋とは、こんなにも不平等なものなのか。

 別れの季節が近付いていることを、嫌でも認識してしまうこの時期。

 新しい出会いがある、そうは言ったって、僕は君が良いんだ。そうじゃない、僕は、君じゃなくちゃ嫌なんだ。君以外の全てを失ったとしても、君だけは失いたくないよ。

 どうして僕だけがこんなに苦しまなくっちゃいけないんだ。

 別れは仕方がないだなんて、君みたいにそうやって、悟ったような諦めたような、そんな考えは持てないよ。

 そういった面では、君は冷たく冷めきっている。

 君が良いよ。まだ別れたくない。これからも、ずっと、ずっと、君だけと一緒にいたい。

 どうしようもないほどに、幼稚なわがままだけれど、それが僕なんだ、わかっておくれよ。

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