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転送穴の向こうは異界



 青生と彩桜を監視していた闇禍を捕らえ、超越者アッシュムが離れて以降は正常化した拾知を最大活用して、ディルムとヌヌに入った術結晶を除去し続けて半日は十分に経ったという頃、目を閉じて神眼に集中していた彩桜がビクンと目を開けた。

【青生兄……】


【行って。俺だけで続けるから】


【ん。これ……カケルさんが危ない!】術移!



 ディルムとヌヌの方も止めておけば再び蔓延するので継続しなければならない。

狙われているドラグーナは離しておかなければならないし、護っている誰かに応援を頼むのも今は出来ない。


 キツネの里の女神達にはキツネの社の大女神(おおめがみ)達の護衛を頼み、眠ったまま目覚めないカケルを連れて、彩桜はソラ達が居る古の人神の地(カソーディア)に向かった。



――サミル地区、カケルが掘っていた場所。

【まだ掘っちゃダメなのっ!!】


【え?】【彩桜どうしたの?】【サクラ~♪】

【カケルなんか連れて来て何するんだよ?

 しかもまだ寝てるし!】

その場所を囲んでいた響、ソラ、ショウ、力丸と続いた。モグは居ない。


【たぶん転送穴(ワープホール)なってるの!

 カケルさん繋がっちゃってるの!

 神力吸われて起きられないのっ!】


【そうだったのね】【覚醒は?】


【する思うのぉ~。

 でも、その神力爆発分ぜ~んぶ吸い取られてるのぉ。

 起こしても ずっと吸い取られてるから演奏中もだったし、キツネの里でも時間差で昏睡しちゃったのぉ】


【そういうことだったのね】

【うん、分かったよ。

 それで、どうしたらいいの?】


【たぶん転送穴の向こぉには前の人世の崩壊 止めよぉとしたセキュア様いるの。

 地星の芯トコ支えに行ったの。

 セキュア様、此処から芯に繋いで入ったの。

 でも人世崩壊で転送穴の もっと向こぉ開いて、芯じゃない異界に繋がった思うの。

 だからセキュア様 助けないとだし、穴に神力吸われてるカケルさんも助けないとなのぉ】


【だから彩桜は お兄を連れて入るつもりなんだね?】


【かも~】


【響 ショウ 力丸、ボク達の命綱を持っていてもらえる?】


【私も行く!】

ソラの邪魔はしないと決めているが、こればかりはと身を乗り出した。


【危険過ぎるから駄目。

 ボクの命綱すらも響には預けられないの?】


【でも――】

【ヒビキ~、僕達は修行不足なんだよ。

 神力不足だからダメなんだと思う~】

【――そっか。だったら任せて。

 こっちだって大変かもだし、頑張るわ】


【ありがと響】【だからアミュラ様 呼んだの~】


【【【『だから』?】】】


【たぶん~、超越者様 来ちゃうのぉ】


【うわ。マジ大変じゃないか!】

【でもガンバル~♪】【そうよね!♪】

【で、今度は何だい?】


【アミュラ様 カミュラ様ありがとなの~。

 コッチお願いしま~す。

 異界に行ってきま~す】

それまでに各々に具現化した無限念縄を結び、端を渡していたので、説明もせずに転送口を成して飛び込んだ。

カケルを担いだ彩桜に続いてソラも。



【姉様、弱い共鳴が……】


【そうだね。どうやら今度はセキュアを助けてくれるようだねぇ】


【とても遠かったような気がしましたが?】


【さっきのは転送穴の口だろうよ。

 小さな大神が戻るまでは確かめられないけどねぇ】

既に転送口は塞がっている。地面から縄が出ているだけの状態になっているので、もう共鳴すらも確かめられなかった。

それを見詰めていたアミュラが響達に目を向けた。

【で、何が起こるんだい?】


【超越者様が来るんだって~♪】


【つまり、妨害をしに、か、セキュアを拐いに、なんだろうねぇ。

 カミュラも遠慮は要らないよ。

 全神力で撃退してやろうじゃないか】



―・―*―・―



 彩桜は飛び込んだ瞬間に防護結界を成して、続いて飛び込んだソラを引き込んでいた。


吸い込まれているような、流されているかのような彩桜達は、一度だけカクンと段差を越えたような軽い衝撃を感じただけで、何も見えない霧中のような灰色の中をただただ進んでいた。


【この結界、神力を吸われないように?】

球状の無色透明な結界の中に居る。


【うん♪ 無化闇呼膜の堅固モドキなの~♪

 光も闇もない結界なの~♪】変に明るい。


【彩桜、何を見たの?】繋いでいる手をクイクイ。


【この灰色~。

 それと、動けなくなってる龍の女神様。

 あと、ショウ達がアッシュム様と戦ってたの】


【アッシュム様?】


【超越者様なの。闇禍と一緒に来てるの。

 だからショウと力丸の背中に闇呼玉 隠しといた~】


【闇禍は吸い込まれるんだね?】


【うん♪ でもアッシュム様には効かないの。

 でもでも闇禍いなくなったら逃げる思うの。

 たぶん戦闘向きじゃない人型超越者様なの】


【その超越者様は何をしようとしているの?】


【また神様 魔女して地星滅亡させる気みたい。

 魔女痕跡ある女神様 狙う作戦ダメなって~。

 称号利用してドラグーナ様にマヌルヌヌ様吸収させる作戦もダメなって~。

 ディルム様とマヌルヌヌ様に変更したけど青生兄と俺に見つかって~。

 だから次? だと思うのぉ】


【強い女神様を探しているんだね?

 だったらピュアリラ様も危ないんじゃない?】


【だからお願いして来たの。

 カケルさん、キツネの里だったから~】


【そっか。あ……社にトシさん?】見えた。予知だ。


【俺も見えたぁ~あ~あ~あぁあ~】


【でも……もしかしたらトシさんとか お兄みたいなタイプが超越者様の弱点なのかもね】


【純粋おバカに正義感のカタマリ?】


【彩桜ってば♪】あははっ♪


【そっか。『無』に弱いもんねぇ。

 考えてないのも『無』だよねぇ。

『鍵』にしてみたけど考えてないから操り難かったとか? だからウンディ!?】


【えっと彩桜?『だから』って?】


【オーロと悪ザブさん、ウンディ滅さないとて躍起なってたの。

 瑠璃姉 怒らせたりイロイロだったの。

 そっか。闇禍の苦手タイプだったんだ~♪】


【もしかして、お兄を使うつもり?】


【臨機応変♪】


【眠ったまま武器として?】


【かも~♪】



―・―*―・―



 ウンディ利幸がキツネの社に現れたのと、アッシュムが現れたのが ほぼ同時だった。


「誰だぁ?」


アッシュムは無視をして隠し社に向かおうと――

「敵なんだな。だったら通さねぇぞ!」

――回り込まれたが、そのまま進もうと――

「通さねぇつったろーがよ!!」

――ヘッドロックからのパイルドライバー!


その騒ぎで、隠し社で待機していた神達が集まった。


憎々し気に睨んだだけでアッシュムは消えた。


「ウンディ、さっきのは?」

リグーリが寄って尋ねた。

他は警戒維持の為に持ち場に戻った。


「知らん。が、敵だろ」


「掴めて捕まえられたんだな?」

青生や彩桜でも近寄れもせずに逃げられていると里の狐神達から聞いたので確認。


「んあ? 掴めるのがフツーだろ」


「そうか……ウンディ、頼みがある」


「おうよ♪ 遠慮なんかするなよな♪」


「アーマルと一緒にピュアリラ様の護衛団をやってくれ。

 アーマルが団長、ウンディが副団長な」


「リグーリはサンボーかぁ?」


「参謀なら兄様(フェネギ)だろ」


「だなっ♪ 任せろ♪」「リグーリ、急ぎとは?」

リグーリに呼ばれたアーマルが来た。


「ついさっきピュアリラ様を狙って来た奴が居たんだ。

 護衛団長を頼む」


「大神様が大勢いらっしゃるのに僕なのか?」


「皆様、回復中だからな」「やろーぜアーマル♪」


「そうか。ならば――ん? まさかとは思うが副団長はリグーリなのだろうな?」


「いいや、『まさか』側だ♪

 ウンディは敵を掴めたんだよ。

 意外な弱点なのかも知れん」


「弱点、か……」


長く相棒をしていたアーマルであっても制御の難しいウンディだった。


「そうだ。ヨシ殿も一緒に――」「おうよ♪」

連れに行ったらしく、ウンディが消えた。



 そして。

連れて来られてしまった寿にリグーリが説明を始め、アーマルは早速ウンディを押し付けられてしまったのだった。



―・―*―・―



 その頃、月が大騒ぎになっていた。

大闇禍が現れ、黒点闇禍をバラ撒いて去ったので、紅火が増やした鏡と彩桜が残していた闇呼玉が大活躍中だった。


【また来てるぞ! 離れたトコで出してやがる!】

領域供与しながら千華掌と光矢を放ちながら得意の神眼で監視を続けている黒瑯が警告。


【ブルー様は!?】


【ナンか追っかけてった!】


【そんなら耐えるしかねーだろ!

 皆! 餡こ玉に溜めてから鏡の光なっ!】


皆の返事が聞こえる中、白久の視界の隅が光り、藤慈が放水を始めた。


逃げきれずに当たった闇禍達は落ち、ゆっくりと消えていった。

掠めただけだと残ってしまうが全く動けそうになかった。

なので千華掌が回収して闇禍玉へ。


【藤慈?】【その新兵器ナンだぁ?】


【聖水にブルー様の光を吸収させました!

 増幅していますので長く耐えられます!】

ドラグーナの背へと飛んだ。

ドラグーナに憑こうと集まるので闇禍退治には最適の場所だ。


【【紅火!】】


【む】

術移して藤慈の水銃に触れて数秒、皆の前に光を帯びた聖水入り水銃が浮かんだ。


【ヤルな紅火♪】【紅火と藤慈、最強だよなっ♪】


龍神達の水銃は身体に合わせて大きいので、周りに浮かせた闇呼玉に吸い込まれる弱った闇禍が一気に増え、目に見えて形勢逆転していた。



 遠くで浄化光が炸裂した。

【よーし! もーチョイだ!♪】


活気付く輝竜兄弟と龍神達だった。



―・―*―・―



「ん?」キョロキョロ。

結界に遮られて神力が吸い取られなくなったので目覚めたようだ。


【あらら~。目覚めちゃった~】

【お兄、獣神秘話法でね】


【ああ。で、ここ……どこだ?】


【異界に向かう道~♪】

【戦いになるかもだから気を引き締めてね】


【そっか】







彩桜とソラはカケルが掘り当てた異界への転送穴(もう道ですよね)を進んでいます。


月にはドラグーナと子供達と輝竜兄弟5人。

闇禍との戦い真っ最中です。


キツネの社にも現れた超越者アッシュムは何処に消えたのでしょう?

まさか摘出という静かな闘い真っ最中の青生を妨害しに?



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