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異界の宇宙様



【え?】 【ん?】【あらら~】


カケルが光っていた。

その光は次第に強くなり、眩しい程に。


【コレって覚醒?】ソラだけに。


【……そうかもね】彩桜だけに。


【神力 吸われるの止まったからかにゃ?

 様子見る?】


【そうだね。これこそ臨機応変に、だよね】


【ん】



―・―*―・―



 闇禍の飛来が止まった月では、青生と彩桜を除く輝竜兄弟と龍神達が警戒したまま待機していた。


【次は暫く来なさそうだね。

 誰か、ピュアリラ様と保護している女神様方を連れて来てくれるかな?

 ドラグーナ様は動かないでね】

取り敢えずなのか、声だけだった。


【青生じゃなくブルー様だよな?】

【俺が行く】

白久の問いには答えずに紅火が術移した。



【さっきのはブルー様に決まってるだろ】


【だよなぁ。

 で、青生と彩桜は俺達を呼んどいて何してるんだぁ?】


【同時に何箇所も対処しないといけなくてね。

 俺としては青生を助けて、彩桜が戻る場所を守ってほしいんだよね】

と、ドラグーナが兄弟の前に浮かんだ。


【青生を助ける!?】

【彩桜は何処に行ってるんだ!?】


 そこに紅火が戻った。

ピュアリラの周りには沢山の保護珠があり、保護結界に入っている竜騎と夕香も連れていた。

別の保護結界にはモグと、複数の分離途中の魂頭部も入っていた。


【うん。順に進めるし、説明するからね】

ブルーも姿を見せた。

【先ずは対象にされている皆様に避難してもらわないとね。

 大勢が動けなくなってしまうからね】

言い終わった時には神殿前に居た。

神殿が上昇し、地下シェルターの蓋が開く。

【光神輝煌。

 中を満たしたから闇禍は入れない。

 どうぞ安全な場所へ】


超越者と話したいドラグーナも入るしかなかった。

ピュアリラも保護珠と保護結界を連れて入った。


【闇禍でない超越者様は入れる可能性がありますが、ドラグーナ様でしたら対処できるでしょう。

 では閉めますね】



 蓋を閉め、神殿を元の高さに戻すと、ブルーは輝竜兄弟と龍神達に向き直った。

【青生は、結果的にドラグーナ様の身代わりになってしまったディルム様と、超越者様としては称号を付けたドラグーナ様に取り込ませるつもりだったマヌルヌヌ様を助けようとしているんだ。

 超越者様が称号に込めていたものが魂内に散乱増殖しているのを摘出しているんだよ。

 だからマヌルの里だね。


 彩桜の方はソラとカケルを連れて、ピュアリラ様の娘神セキュア様を助けに行ったんだよ。

 セキュア様がいらっしゃる場所は地星にとっては異界。

 其処に繋がる転送道を進んでいるから、その口を守ってもらいたいんだ。

 転送口はサミルの地。目標はアミュラ様。


 龍神の皆様には月をお願いします。

 ただし瑠璃だけは青生の所にね。

 社の守りも解けないから増援は期待しないでね。

 輝竜兄弟の割り振りは金錦に任せるよ。

 水銃と抹犂鏡(まつりきょう)を集めてもらえるかな?

 うん、ありがとう。光神輝煌。

 これで抹犂鏡は また使えるからね。

 それじゃあ俺は超越者様を追うからね】

サラサラと言うだけ言うとブルーは消えた。



【では、白久のみ青生の所へ。

 領域昇華と領域供与を保持して行くよう】


【おう。細かいオペなら任せろ】

【オレの神眼も持ってけよな】

【黒瑯ありがとな、助かる】


話がついたので兄弟は円陣を組み、紅火が術移した。



【ん? ラピスリど~した?

 一緒に行かねぇのか?】

空を見上げていたのでオニキスが寄った。


【視線を感じた。が、去ったようだ。

 では父様を頼む】術移。



―・―*―・―



 彩桜達の方は、ようやくカケルの神力爆発が落ち着いたところだった。

つまりカケルは輝いただけで、他には何事も起こらなかったのだ。


その間も流されていたのだが、そもそも何も景色らしいものが見えない灰色の世界なので、どれだけ進んだとも、何処に居るとも知れないのは変わりなかった。

ただ、遥か彼方のセキュアの気配が近付いているとだけは確信していた。


【カケルさん、神力 落ち着かせなきゃだから眠っててね~】


【おう】寝転がった。


【それじゃ、ゆっくりね~】治癒眠。


【ソッコー寝息とか?】【だねぇ】にゃはは~。

【ホントお兄って……】【言わないであげてぇ】


暫し見詰める。


が、やはり何も起こらない。


【本当に覚醒だったのかな?】【だよねぇ】

【見ていても仕方ないよね。瞑想する?】


【そぉだねぇ――ん? 誰か……居る!】


結界の進行方向側に気配を感じた。

警戒全開。探しながら結界中央に集まった。

彩桜とソラは背中合わせで臨戦態勢。

目覚めそうにないカケルを浮かせて立たせ、間に挟んだ。


【護らないといけないなんて……】


【誰かを護る練習♪】


【確かにね。

 距離、掴める?】


【掴めにゃ~い。前、ってだけ~】


【回り込んだりもしないんだね。

 観察されてる?】


【そぉみたい~。あっ】


【……加速したね】


【じゃあ味方な超越者様かにゃ?♪】


【え?】ぷっ♪【彩桜って】あははっ♪


【だって俺達、向こ~に行きたいんだも~ん♪】



―・―*―・―



 紅火は白久だけを残して術移した。

【青生、ど~すりゃいいんだぁ?】

青生がディルムから摘出しているのでヌヌの方に座った。彩桜が居た場所だ。


【地道に摘出するのみですよ。

 闇でも光でもなくて、強いて言えば無なんです。

 微かな不穏だけが頼りなんですよね】


【神眼は黒瑯、掌握は紅火のを双璧してるからな。

 摘出なら任せてくれ】


【昇華と供与も? 四輪ですか?】


【だよ♪ ん? 彩桜のヒトデ?】


【はい。かなり離れたらしくて動かなくなったんですよね。

 でも、その場で不穏を捕まえていますよ】


【サッスガ彩桜だなっ♪】【はい♪】


瑠璃も着いた。

青生の向かいに座る。


【寄り道していたの?】


【ずっと視線を感じている。

 向けば離れるが、また寄って来る】


【……確かにね。神眼を向けたら離れたね。

 集中していたから気づかなかったよ】


【2者だと感じた。

 若干の不穏を纏う視線は去った。

 ただ観察しているらしい者は見続けている】


【その不穏を追ったの?

 危険だから来るまでは無視してね。

 瑠璃も対象らしいからね】


【ふむ。ディルムの状態は?】


【まだ魔化していないよ。

 とっても陽気な神様なんだね♪】


【そうだな。ウンディとは別方向だが、とことんご陽気だ】


【それが功を奏しているよ。

 こんな状態にされてもマヌルヌヌ様を励まして魔化を阻止しているんだから】


【そうか。ディルムらしいな】ふふ♪


【うん。瑠璃も明るく陽の気でね♪】


【そうせねばな】



―・―*―・―



 彩桜達は結界が大きな手に掴まれていると感じていたが何も出来ずに連れて行かれていた。


【どんどん加速してるねぇ】


【そうだね。どれだけ移動したんだろうね】


【もぉ異界? 外の灰色、ちょっと青くなった?】


【あ……そうだね。

 最初は赤か紫みたいな感じだったよね?】


【うんうん。ず~っと灰色にゃんだけどぉ、ちょっとだけ色あるんだねぇ】


【それが宇宙の違い、とか?】ん? 減速?


【そぉかも~♪【あっ!】】


止まったと感じて、慎重に神眼を拡げていった。



〖この話し方でいいのかな?〗


【あ♪ ブルー様?】


〖サクラに似ている君は異界のサクラ?〗


【俺、彩桜♪ サクラ達、友達なの~♪

 ブルー様どこ?】


〖俺は宇宙そのもの。

 彩桜達は今、俺の中に居るんだよ。

 異界の龍神も保護しているからね。

 その囲みから出てもらえるかな?〗


【は~い♪ ソラ兄 行こっ♪】

【ね、彩桜。ブルー様って……?】

【えっとねぇ、アオ王子じゃなくて超越者のブルー様なの~♪】


〖うん。物生体に見せる為の姿はアオと同じなんだよね〗


結界から出ると、SF映画で見るような宇宙船みたいな部屋で、人姿のアオそっくりな男神が微笑んでいた。


【ブルー様の中にブルー様?】


〖深く考えないでね〗くすくす♪


【は~い♪】


〖セキュアは此方だよ。

 君達を感じて、空間を丸ごと保護したんだ。

 その道も引き込んで、君達を引き寄せたんだよ〗


【セキュア様ホントは何処に居たの?】

カケルを寝かせて追い掛けた。


〖宇宙と宇宙の間、と表現したらいいのかな?

 地星を本流に戻す為にセキュアを離すと伝わったよ〗


【俺達トコの時流様の意思?】


〖おそらくね。

 だからセキュアは生命力の無い場所に飛ばされたんだ。

 でも道を繋ぎ続けていたんだよ〗


【だから地星は生き残ったんですね?】

【神力吸い取る道て、維持する為?】


〖地星はセキュアもアオ達も地星の神達も、大勢が守ったからこそ生き続けている。

 道が神力を吸い取るのは、セキュアを助けられないようにする為だよ。

 セキュアも吸い取られていたからね。

 君達は不思議な囲みを成して乗り越えたけど、アオが方法を伝えたの?〗


【俺達トコ来てた超越者アッシュム様、『無』が苦手みたいだったから無の結界しただけなの~♪】


〖無? やっぱり考え方がサクラと同じだね♪

 此処だよ。

 道の影響を受けてしまうから、かなり離したんだよね〗


扉らしいものが消えると、保護結界のようなものに包まれて浮かんでいる蒼銀鱗龍の女神が眠っていた。


〖ラピス、この二人なら大丈夫だよ〗


保護結界を保持していたらしい女神が姿を見せた。


【瑠璃姉そっくり~♪】


〖うん。ルリと同じ姿なんだよね〗


【そっか~♪

 ね、セキュア様まだ動かせないよね?

 もっとお話ししたいにゃ~ん♪】

【彩桜、ボク達は異物なんだよ?】


〖そうだね。だから話せる範囲は限られる。

 彩桜は君達の宇宙様と話す手がかりが欲しいんだよね?〗


【そぉかも~】

【この返事は肯定で確定・断定です】

【ソラ兄てばぁ】【間違ってる?】【にゃい】


〖そう……〗







あ~あ~あぁ~。

三界奇譚2の先の先に行っちゃったぁ。


『異界』は別宇宙ということで、サラッと読んでくださいませ~。

m(_ _)m



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