時流様の領域へ
【地星の皆様、お願い致します!】
「生体魂縛! 儂の命に従え!」
一瞬、全てが静止し、闇禍が眼前に迫った。
「光神輝煌!」「総解還!!」
白輝一色の中、忍者達は動き始めた。
((サクラ! 滅の配下を追うのは俺達が!))
((うんっ! 移動は俺達に任せてねっ!!))
サクラ達が去ったと感じた。
しかし彩桜にはウンディ利幸が迫っていたので追えなかった。
響を庇うソラの前にはカケル。
【彩桜、これって……】
噛みつこうと大きく開けていた口に大きな肉まんを具現化していたが、向けた神眼で彩桜がしようとしている事を察して消した。
【接してたから込められちゃったみたい~。
でもね!】
ウンディ利幸の口に闇呼玉を投げ込んだ。
続けて、肉まんの怒りを雄叫びに変えたカケルにも。
その闇呼玉にはヒノカミの浄化光もタップリ含ませている。
【定着ムリだと思うから~♪】
喉に詰まらせているらしく苦しんでいるので背後に回って項に手刀。ソラも。
コロロンと闇呼玉が落ちて転がり、ウンディ利幸とカケルもドサッという感じで落ちた。音はしなかったのだが。
光が収束する。
超越者達が目を見開いて立ち尽くしていた。
【だいじょぶ?】
アッシュイに寄って行ってツンツン。
【私達は再び闇禍を憑けられそうになったのだな……】
【俺達もね~】
【あの物生体達は?】
アッシュイの視線の先ではウンディ利幸とカケルが意識を取り戻したところだった。
ウンディ利幸はラピスリの、カケルは響の往復ビンタを喰らっての目覚めだ。
【ザヒディス様 捕まえてたから込められちゃった~。
でも定着ムリだから大丈夫で~す♪】
【何故? 闇禍が定着不可能な物生体が存在するのか?】
【するの~♪ だから触れるの~♪
だ~って物生体て超越者様のお友達なんだも~ん♪】
【は?】
【さっきピッカンしたヒノカミ様も物生体♪
隣の隣の隣の隣の宇宙様なブルー様のお友達なの♪ 宇宙王様なの~♪】
【王? それは生体達の国主ではないか】
【その王じゃないの。
主様と並ぶ者♪ 支えるお友達♪
主様には宇宙とか時流とか抱えてるモノあるけど、王にはナイから点ナイの♪
そゆ意味の王なの~♪
自由に動けるから主様の代理として動いたりもするの~♪】
【では、遥か彼方の宇宙の主様が私達を助けようと?】
【んとねぇ、死滅様て宇宙の境界なんて無視して動くから俺達トコも同じヒト達 来ちゃうんだって~♪
ブルー様トコも死滅様にメチャクチャされて闇禍キライて戦ってるから、追っかけてコッチまで来ちゃうんだって~♪】
またアッシュイが考え込んでしまった。
アッシュオが近寄り、下位としての礼をしてから話し始めた。
おとなしく待っている彩桜の周りを兄達が囲む。
青生だけはウンディ利幸を囲んでいる神達の方に行っていた。
ユーレイ探偵団はカケルを囲んでいる。
悟と竜騎は困っていたが狐松先生とジョーヌの後ろに落ち着いた。
【お~い彩桜ぁ、さっきの話は?】
【拾知したのか? 拾知妨害は?】
【拾知ダメダメ~。
さっきの、サクラ達が飛ばしてくれたの~♪
ピッカン☆ナカで光だったから見えなかっただけなの~♪
青生兄 向こ~で説明中♪】
【【そっか♪】】
【トシ兄とカケルさん、闇禍に憑かれるもナイけど、闇禍の盾にもなるんだねぇ】
【両刃なヤツラなんだな?】
【みたい~。簡単に操られちゃうしぃ】
【困ったヤツラだな】
【だから彩桜はサクラ王達と一緒に行かなかったんだな?】
【トシ兄のもあったけど違うの。
サクラ達て、やっぱりチェリー様なんだな~て思ったからなの。
俺、追っかけたら足手纏いなるもん】
【【そっか】】慰めポンポン×2。
【俺、大丈夫だよ♪
サクラ達て、すっごい高い目標だもん♪
頑張るんだもん♪】
【【そっか♪】】ぽんぽん×2。
【ん? 紅火ど~したぁ?】【ナンで瞑想?】
【神耳防護が遅れを取った。
改良せねばと考えていたら声が聞こえた。
匠神アカ様の御声だ】
【【教えてもらってるんだな?】】
【そうだ。直ぐに忍頭巾を改良する】目を開けた。
2つの集まりにも声を掛け、忍頭巾が集まると紅火は唱え始めた。
【で? 今度は藤慈が瞑想?】
【また声が聞こえるのかぁ?】
【はい♪ フジ王子様からでした♪
すぐに聖水も改良します♪
それと、効果的に拡散する術も頂きました♪
拡散と同時に増幅しますので、効果が薄まらないのです♪】
【ナンか、どっちも【スッゲーなっ♪】】
照れた藤慈が逃げ、誤魔化すように水銃を集め始めた。
笑っていた彩桜の前にアッシュイとアッシュオが並んだ。
【主様に会わせるとは言いきれぬが行くか?】
【はい!】一斉!
【そんなに大勢は保護できぬ。
私とアッシュオ、アッシュカしか物生体の保護が成せぬのでな】
【保護て?】
【そもそも主様の領域には物生体は入れぬ。
故に保護が必要なのだ】
【じゃあ3人?】
【そんなら青生と彩桜は決定だろ。
ブルー様とチェリー様のパラレル体なんだからな】
【いいの? 白久兄と黒瑯兄】【【あのなぁ】】
【だってぇ行きたがりさんにゃんだも~ん♪】
【【オイ】けどま、確かにその通りだけどな。
コッチだって逃げた奴が戻る可能性も有る。
ただ待つんじゃねぇからな】
【だからソッチは任せるってだけだ。
あと1人、早く選んでくれ。
けど対抗武器な2人は残しといてくれよな】
【あと1人ねぇ……瑠璃姉?】【ソラ君かな?】
言ってから彩桜と青生が顔を見合わす。
【【お♪ 珍しく合わなかったなっ♪】】
【互いを思い遣る気持ちから、なのだろう】
【そうですよ】【む。気持ちは合っている】
兄弟が話している間に超越者達も集まって話しており、再びアッシュイが向いた。
【この空間は閉じ、他は地星に戻ってもらう。
闇禍に操られているアッシュクとアッシュトを捕らえ、事を止めてもらわねばならぬからな】
それを聞いてソラが彩桜の手を取った。
【彩桜、ボクは地星に戻るよ。
行きたいのはヤマヤマだけど、お兄を投げないといけないからね。
トシさんも仮団員だったんだから任せて。
ショウなら投げられるからね♪】
【……うん、地星をお願いね?
ショウもトシ兄と友達だから大丈夫だよね♪
青生兄、瑠璃姉と行こ】
真剣な眼差しを向けた。ソラも一緒に。
【そう……瑠璃、神様の代表ね。行こう】
【ふむ……】隣で俯いている紗をチラリ。
【あっ。ラン、お願いがあるんだ】
彩桜が飛び、紗を連れて離れた。
―・―*―・―
(あの女神だな。幼子のようだが)
(ふむ。この魂体片の子孫か。最適だな)
(これも混ぜておくか?)
(ほう。異世魂体片か。
儂等の隠れ蓑ともなろうな。
では此奴等を捨て、移ろうぞ)
(力は全て貰っておこう)
(当然だな。
だが女神に近付けば妨害も有り得る。
操りの糸は残しておかねばな)
(ふむ。主様が仰っていた通り、地星は厄介だからな。
あの女神が育つのを待たねばならぬが、今度こそだな)
(儂等にとっては束の間だ)
―・―*―・―
彩桜が説得するのを待ち、超越者達が頷き合って二手に別れた。
【サクラ……】
それでも紗は心配そうだ。
【だ~いじょ~ぶ♪ 地星をお願いね】
ハグして背中をぽんぽん。
【うん……】【よいか?】
【はい!】
青生 瑠璃 彩桜を『保護』で包んで連れたアッシュイ達が先に移動した。
――明るい空間。
上も下も無いのかと浮かんでいたが、大きめ丸テーブルの外縁に椅子が並ぶ床らしきものが見えたので着地した。
【成してみた。座って待っていてくれ】
アッシュイが続けて移動しようとしたが、新たな超越者が現れた。
(アッシュイ、これは?)
下位として礼。
(言葉で説明するよりも私の記憶を御覧ください。失礼致します)
だが少々強引に握手。
(なんと……)
(滅の主様は遥か上位。
可能性十分と存じます)
(確かに。ではアッシュイのみ共に)
(はい)連れ立って移動した。
【アッシュオ様。さっきの、アッシュア様?】
【その通り。配下の中では最上位だ。
私達は時流の主様より生じている。
故に長男と言ってもよい。
つまりアッシュイ様が次男であるな】
【へぇ~♪】
【物生体を連れ込んだと、即座に感知したのであろうよ。
常に主様の御側に控えているのがアッシュア様なのだからな】
【上下関係すっごく厳しい?】
【そうだな。物生体の親子、兄弟関係とは全く異なるのであろうな】
【ふぅん。仲良くしたらいいのに~。
地星の神様、陽気が正義なんだよ♪
たぶんねぇ、昔むか~しにブルー様が対闇禍防御策として神様達に教えたんだと思うの~♪
闇禍のエサ、負の感情だから~】
【ふむ。遥か彼方の宇宙様は我々より先に闇禍と戦っていたのだったな】
【そぉなの~♪
でも超越者様達て感情イマイチ? 薄いよねぇ】
【確かにな。だが……】
【ほえ?】
【どうやら物生体と接触すると芽生えるようだ】
【へぇ~♪
ね♪ 物生体て超越者様のお友達でしょ♪】
【そうなのかも知れぬな】苦笑。
アッシュクとアッシュトがザヒディスに渡していた魂は欠片だったようです。
それを連れた闇禍達は異世魂体片も持って幼い女神に入ったようです。
ここまで利用されたアッシュクとアッシュトは捨てられましたが、操られています。
神世に居ますので、地星に帰ったマーズとユーレイ探偵団が戦うことになるでしょう。




