10話 衝撃の事実
自分の国語力を疑う最近の私。
~衝撃の事実~
やばい、緊張してきた。
落ち着け俺。
本気でやればきっと何とかなるはずだ。
これでも元魔王だ。
こんなとこで負けてはいられない。
と、思いながら俺は、総合訓練場の待合室で試験が始まる時間まで待っていた。
コンコン。
扉を叩くノックが一つ。
試験を前に意識を集中させていた俺はその音に敏感に反応する。
「誰だ?」
俺は、警戒心MAXでノックに言葉を返す。
「もうすぐ試験だけど大丈夫か?」
聞き覚えのある声が俺の警戒心を解いていく。
俺は、その声の主を部屋に入れるために扉を開ける。
そこには想像通りの二人が立っていた。
シャルルとメアリーだ。
こいつらがいるとなぜだか安心する。
その安心感が先ほどまで確かに俺の中に存在していた不安、緊張などすべてを吹き飛ばしていった。
「どうぞ。」
俺は、二人を試験待合室に招き入れ、世間話をする。
その会話の中で俺は、衝撃的なことを聞かされる。
「実はだな、召喚士になるためにはまず神様と契約し、同化というものをしなくてはならないのだが、正直に言うと『男性の体ではその同化が難しいのだ』。簡単に言うと、男では契約ができない可能性がある。」
え?今更ですかシャルルさん?
確かにそれなら召喚科の校舎に男子トイレがないことにも説明がつく。
俺に再び焦りが現れ始める。
大丈夫かな?もし試験に合格してもその後が心配になってきた。
するとメアリーが俺を励ます。
「だ、大丈夫だよ。あくまで『難しい』だから。過去にも一人、男でも召喚士になったって聞いたよ。」
一人か。
つい口からため息がもれる。
だが、今考えてももうどうしようもないし、試しにやってみるってことも重要だ。
きっと大丈夫。そういえばこの世界に召喚士として生まれてきたわけだし。
そう自分に無理やり言い聞かせる。
気づけばもう少しで試験時間だ。
シャルルたちは一旦戻って訓練場の観客席で見ていてくれるそうだ。
十数分後ーーー
「ルクス・ラグナ様。総合訓練場アリーナへいらしてください。」
俺の名を呼ぶ声が聞こえる。
・・・
ようやく始まるのか。
俺は、待合室を重々しい表情のまま後にする。
まず剣技試験だ。
今さら後悔ってどうしようもない。
目の前にある壁をぶち壊すことだけを考えよう。
総合訓練場ーーー
このエルドラド学園に所属する、剣技科、魔技科、召喚科の全生徒に使用許可されている施設である。
さすが将来有望な生徒約千人が使用する訓練場なだけあって、相当な広さである。
通常の体育館の約十倍近くあるようだ。
中央にひらけた舞台、その周辺には観客席が敷き詰められている。
そんな会場の受付に俺はいる。
どこからか大勢の歓声らしき声が聞こえてくる。
なにかの試合とかやっているのだろうか。
そのようなことを考えられるほどの歓声だ。
俺は、受付を終え、剣技試験を受けに会場へ歩みを進める。
その一歩一歩は緊張で震えているような感じがした。
称号
「本番」「実力隠蔽」「契約不可!?」「魔王と神の繋ぎ道」
を獲得しました。




