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戦争 -1-

「魔王」

「わかっているだろう?」

「俺のすべてを捧げるからさ」

「魅力的な提案だが、我は『王』だ」

「……スウはいいのか?」

「あれは我が民ではない」

「スウが聞いたら泣きそうな言葉だな」

「娘のような存在ではあるが」

「泣いてよろこびそうな言葉だ」

「あれには言うな。恥ずかしいからな」

「君が恥じらう姿は非常に見たいね」

「言えば命はないと思え」

「俺の命と君の恥じらう姿ならどちらに天秤が傾くかは明白だ」

「言ったら貴様を嫌いになる」

「そりゃ困る。死ぬより嫌だね」

「実際に臨死体験をした者が言う台詞ではないな」

「したから言えるんだよ」

「それもそうだな」

「ただ、もう二度と経験したくないというのも確かだ。だから」

「相思相愛なのだろう?」

「それを言われると困るな。でも、ほんの少しでも可能性があるならみっともなくても縋ることにしているんだよ」

「嫌われても、か?」

「それは避けたいことではあるけれど、美女の命と比べられるものじゃあない」

「やはり貴様は良いな」

「惚れたか?」

「愛しているよ」

「俺もだ」

「無事に帰ってこい」

「この戦争から無事に帰ってきたら結婚してくれるって?」

「帰ってこなければ嫌いになる」

「あはは。死んでも無事に帰ってこなくちゃいけなくなったな」

「死んだら無事ではないだろう」

「わかっているだろう?」

「ああ」

「やっぱり相思相愛だな」

「まったくだ」


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