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開戦 -1-

 クレアは晶に王国を取り戻せるかもしれないとはどういうことか訊ねたが、晶は答えなかった。「あなたに言わないことに意味がある」と言われたが納得出来なかった。そんなクレアの様子を察したのか、晶は「安心して下さい。どう転んでも『悪く』はなりませんから」と言った。無論安心できるはずもなかったが魔王に「一度やらせてみせればいいだろう。もしも『悪く』なれば、我が責任をとってやらんこともない」と言ったので一度だけやらせてみることにした。


(なお、この時晶は『魔王は「やらんこともない」と言っているだけで責任をとるとは言っていないんだけれど、やっぱり詰めが甘過ぎるんじゃないかなあ』と思っていたが何も口に出すことはなかった。教育は魔王に任せたのだ。ここで口出しすればただの邪魔になってしまうだろう。そう思ったからただ静観していた。魔王は魔王で『やはり引っ掛かったか。後で虐めるネタができた』などと思っていた。責任に関してはそもそもとる必要がないと考えていたのでただの方便のようなものである)。


 しかし、『連盟』に行くと言ってもどうするかという話である。『連盟』とはいくつかの国の協力体制のこと。正確には『対帝国』の協力体制のことである。それだから『連盟』と交渉するにはいくつかの国と会議することが必要になる。『連盟』にも一応の代表者は居るのだが『連盟』の決定には『連盟』に所属する国家の過半数の賛成が必要となる。出席ではなく所属であることが重要であり、つまり『連盟』の代表者と話してもそれだけでは何も変わらないのである。


 そのことを晶に話すと彼は「まあそうでしょうね」と答えた。


「でも、俺の予想ではそう遠くない未来、『連盟』は集まるはずです。どうせ『連盟』が集まる場所は毎回決まっているんでしょう? まずはそこを目指して、集まるその時に交渉すればいいんです。それまでは待つ必要もありますが、その間は商売でもやっていればいいんですよ。金は力ですからね。俺もですが、そのことはあなたも痛感しているでしょう?」


 その『遠くない未来』とは何か訊ねると今度は答えた。


 晶は言った。


「『帝国』が『連盟』に戦争を仕掛けるんですよ。それなら集まらざるを得ないでしょう?」


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