4/25
伏魔殿のBL事情と男同士の変な共感
部屋を出る前に、一度だけハザマに聞いておきたいことがあった。
「お前がこの屋敷の腐女子連合と仲がいいのはよくわかった。でもな、自分をモデルにしたBL漫画のネタにされるのって、抵抗ないわけ?」
するとハザマは、どこか遠い目をして答えた。
「絵を描く人間というのは脳の構造が違うのか、なんでもありな傾向があってだな。ほら、ダ・ヴィンチや巨匠と呼ばれる画家たちもゲイがいるだろ? 芸大の生徒なんてのは変人ばかりで、そいつらに揉まれていると少々のことじゃ驚かなくなるんだ。……でもな」
ハザマはそこで言葉を区切り、ひどく困惑した顔を作ってため息をついた。
「いくら私でも、『御影×ハザマ』……つまり自分が右側(受け)にされている漫画を読んだ時は、さすがにショックだったぞ……」
「あー……。まあ、刺される方ってのは、男として屈辱だよな……」(俺もそう思うよ……)
俺は心の中で深く頷き、ハザマとの間に芽生えた変な男同士の共感を胸に秘めつつ、彼の部屋を後にした。




