メモ帳の問題追加項目が止まらない
あれから、雨宮青児が屋敷の周りをうろうろしなくなったかと言うと……残念ながら、そうでもないらしい。
何か新たな目的でもあるのか、相変わらずあの魔性のオーラで屋敷の従業員を誘惑しては、こまめに内情を探っているようだ。
聞くところによれば、屋敷内にはすでに雨宮の息がかかった新たな派閥までできあがり、何やら暗躍しているらしい。
他人の家で、一体なにやってくれちゃってんの? アイツ。
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そんなある日の午後。ハザマがいつものように、お茶を飲みに俺の部屋へやって来た。
光の頭を撫で、挨拶を済ませる。
奴はふと、こんな恐ろしい推測を口にした。
「なぁ。青児の奴、実は御影と友達になりたいのではないか?」
俺は飲んでいた茶をむせそうになり、本気で怯えて言い返した。
「勘弁してくれよ! あいつと深く関わると、多分ただじゃ済まない。俺はもう『青』の字がつく人間の業火には焼かれたくない」
心底嫌がる俺を見て、ハザマは達観した口ぶりで言う。
「人の縁など、個人でどうのこうのできるもんでもないだろ。……それよりもだ。なぁ、室生家御用達の同人誌の新刊に、新キャラとして天才画学生が登場しているのだが……これ、青児じゃないか?」
ハザマは腐女子連合の藤城から手渡されたという同人誌の『第2号』を開いてみせた。
「あ、ほんとだ……誰だよ、今度はコイツと俺をカップリングさせてる奴は……ホント迷惑だ」
頭を抱える俺をよそに、室生屋敷の面々は今日も元気に我が道を行っている。
俺のメモ帳には、あれから問題の追加項目が書き込まれ続けている。
こんな調子では、俺の平穏な日常はまだまだ遠そうだ。




