第七話 頼りになる女?
今日は新学期が始まって第二週目の金曜日だ。二週間近くが経ち、クラスメイト全員が互いに少しずつ打ち解け始め、あらゆる事が通常の学期中の軌道に乗り始めていた。クラスを円滑に運営し責任を負う役員たち、次第に本格的な授業に入り始めた各教科の先生たち、そしてクラスの環境を清潔に保つ日直などである。
日直の仕事は、一緒に黒板を消したり、生ゴミを捨てたりするほか、放課後に教室の机と椅子を綺麗に並べ、最後に掃除をすることだ。
一般的な大多数の生徒にとって、日直の仕事はそれほど疲れるものではないにしても、決して楽しみにするような仕事ではない。ある特定の状況を除いては。
「ねえ、方雨彗。私、今日游暐安と一緒に日直なんだよ!」邱艾晶は、クラスの大部分の生徒がまだ登校していない隙を狙い、小声で方雨彗に喜びの報告をした。
「ん?それってそこまで喜ぶようなこと?」方雨彗は普段、学業や作戦を立てることに関しては非常に機転が利くが、ピンク色のオーラに包まれるような恋の感覚を身をもって体験したことがなかった。彼女には到底理解できないことだが、たとえ日直の仕事自体がなくても、邱艾晶と游暐安の二人の出席番号が、黒板の同じ場所に並んで書かれているというだけで、すでに十分にロマンチックなのである。
「これは彼の前で彼女力をアピールする絶好のチャンスなんだから。」邱艾晶はうっとりとした笑みをこぼし、無意識に体をくねらせた。その声はとても小さく、方雨彗に言っているのか、ただの独り言なのか分からないほどだった。
「ええ?気をつけることね。游暐安は今、クラスでも結構人気があるんだから。あんたの言うその『彼女力』とやらをちゃんと見せつけないと、他の女子に目をつけられたり、隙を突かれたりするかもしれないわよ。」方雨彗は邱艾晶を冷ややかな目で見つめた。彼女を白昼夢から少しでも現実へ引き戻したかったが、あまり直接的に夢を打ち砕くのも忍びなかった。
そして、午前中が過ぎただけで、方雨彗の心配が完全に的中していることが証明された。
前日の夜、邱艾晶は夜更かしをしていた。もちろん教科書の予習のためではなく、この前買ったライトノベルを読み返したり、新しく配信された日本のアニメを見たりするためだ。そのため、朝の数回の休み時間を告げるチャイムが鳴るたび、彼女は日直のことなどすっかり忘れ、机に突っ伏して眠りに落ちていたのである。
とりあえず彼女の代わりに、黒板を全部綺麗に消しておこう。游暐安はあまり気にしていなかった。黒板を消すことなんて、大して時間も体力も消耗する仕事ではないからだ。邱艾晶に何があってずっと机に突っ伏して寝ているのかは分からなかったが、黒板を消す程度のちょっとした仕事は、彼にとってはほんのついでにできることだった。游暐安は、そんな些細なことで他人に文句を言うような人間ではない。それに、顔を右に向けて寝ているせいで、下敷きになった左頬の肉がむぎゅっと押し出されている彼女の無防備な姿は、滑稽でありながらも少し可愛らしく、この姿をしっかりと心に焼き付けておきたいとさえ思った。黒板を消しながら、振り返って邱艾晶を盗み見る游暐安はそう思っていた。
午後の最後の授業が始まる前、邱艾晶が席に座ってSNSをスクロールし、可愛い動物の動画を見ていると、游暐安が彼女の席にやって来た。
「よぉ、邱艾晶。今日放課後、机の整理が終わったら一緒に帰らない?君の家、俺と同じ方向だったよな?」
「あっ……うん、いいよ。」邱艾晶の心には断る理由などなく、そもそも断りたくもなかった。しかし、心の中ではどうしても緊張してしまう。前回本を運んだ時のあの気まずい状況がまた繰り返されるのではないかと恐れていたし、今回は方雨彗が飛び出してきて助けてくれることもないからだ。
あっという間に放課後のチャイムが鳴り、クラスメイトたちは待ちきれない様子で、それぞれ放課後の部活動へ向かうか、一人の時間を楽しむために帰宅していった。みんなが教室を出て行った後、游暐安と邱艾晶も鞄の片付けを終えた。
「ちょっとトイレに行ってくるね、すぐ戻るから。」
「うん。」
游暐安がトイレに行っている間、邱艾晶は先に机と椅子の整理を始めることにした。
游暐安はトイレで手を洗って外に出た。教室へ戻る道すがら、彼は邱艾晶の今日の丸一日の日直ぶりを振り返っていた。黒板消しの手伝い二回、生ゴミ捨てゼロ回。自分が黒板を消した回数七回、生ゴミ捨て一回。その瞬間、彼の顔には呆れつつもどこか意味深な笑みが浮かんだ。わざとサボったわけではなく、本当に忘れていたのだろうし、彼自身もそれを大したことだとは思っていなかったが、この子はいったいどんな環境で育ってきたのだろうか?きっと、身の回りのことはすべて綺麗に整えてもらえるような環境だったのだろう。教室の入り口に戻ったのと同時に、邱艾晶が二つの鞄を背負って教室から出てきた。
「はい、君の鞄。教室の整理は終わったから、帰ろう!」邱艾晶は満面の笑みを浮かべ、鞄を游暐安に手渡した。
実のところ、邱艾晶も今日の日直としての自分の働きぶりには内心心当たりがあった。游暐安の中での自分のイメージを少しでも挽回するため、彼がトイレに行っている間、彼女は猛スピードですべての仕事を終わらせたのだった。教室を出て校舎の外へ向かう時、游暐安は教室の中をちらりと振り返った。
『うん、確かにすごく綺麗に整ってるな。こいつもやればできるじゃないか。』
帰り道、時間はあっという間に過ぎた。新学期が始まって第二週目、二人の間では少しずつ話題が広がり、噂話や趣味のこと、勉強のことなどについて語り合った。どれも高校生らしい定番の話題ばかりだ。二人の家は同じ方向だったが、游暐安の家の方が近かった。二人が別れを告げ、新学期第二週目の学校生活は幕を閉じた。
次回予告:自分にもっと自信を持てるようになるため、邱艾晶と方雨彗はデパートへ行き、一緒に大改造を行うことに。軍師である方雨彗の指導のもと、邱艾晶はより魅力的な女性へと完全に生まれ変わる!
「そういえば邱艾晶、あんたの指輪ってどうやって失くしたの?」
「えっとね……話すと長くなるんだけど。」




