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漂流大陸の翼族姫、人間界でのファンタジーな出逢い  作者: 冬小密


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第五十一話 絶体絶命

家の外に駆け出すと、方雨彗は機敏かつ熟練した動きで素早く指輪とヘアピンを身につけ、指輪を使って霧羽天国に連絡を入れた。


「五色鳥姫の指輪の位置を特定して、場所を報告して。それと同時に、できるだけ多くの援軍をそこへ向かわせて。なるべく早く!」


「ご報告します、蜂鳥姫。今、本当に位置が特定できるのでしょうか……」


「絶対にできるわ、急いで。」


翼族姫本人と彼女の翼族指輪の距離が十分に近ければ、この方法で位置を特定できるはずだ。絶対に間違いない。自分の推測通り、簡彤菲は翼族姫なんかではなく、翼族姫に潜入したスパイだったのだ。さっきの最初の悲鳴はフェイクだ。彼女はこの機会を利用して被害者を装い、自分も誘拐されたと人に思わせたかっただけ。実際にはとっくに黯翊族の手下と結託しており、今まさに迎えに来た仲間に指輪を渡している最中なのだ。


「見つかりました。五色鳥姫の指輪は、現在……」


(わずかな時間でこんなに遠くまで行ったなんて。)


方雨彗は変身後、これまでの人生で最も速い飛行スピードを出し、必死に翼を羽ばたかせ、空気抵抗など完全に無視して全速力で前進した。今、邱艾晶と彼女の指輪は敵の手に落ちている。もし翠魔王もそこへ到着し、あの指輪のエネルギーを自分の体に取り込んでしまえば、邱艾晶もこの世から消え去ってしまう……。


人命に関わるこんな事態において、自分が一秒でも気を抜けば、二度と取り返しのつかない結果を招くかもしれない。もし本当にそんな状況が目の前で起きたら、自分は今後どういう顔をして生きていけばいいのか。游暐安やクラスメイトにどう説明し、天国の他の翼族姫たちにどう顔向けすればいいのか?しかもこの場において、天国から派遣される数人の援軍を除けば、本当に頼れるのは自分しかいないのだ。


実際のところ、方雨彗自身も指輪とヘアピンを身につけて向かっている以上、少しでも気を失えば自分まで吸収される危険性がある。ただ犬死にするような真似を避けるためにも、たとえ自分自身を危険に晒すことになっても、絶対に命がけで彼女を救い出さなければならない。


ようやく現場に駆けつけると、簡彤菲と邱艾晶の二人が翠魔王の両手でそれぞれ首根っこを掴まれているのが見えた。二人は目に光がなく、反抗する意思を完全に失っているようで、そのまま大人しく腕の中に拘束されていた。


「ハハハ、お前が駆けつけてくると分かっていたぞ。どうだ?自分の仲間が目の前で消え去ろうとしているのに、何もできないこの無力感を味わったことはあるか?もしお前が大人しく従うなら、今回は見逃してやってもいい。まずはこの二人の仲間を生贄にするだけで済ませてやるというのはどうだ?」


翠魔王の後ろには、明らかに彼の手下である黒ずくめの者たちがズラリと並んでいたが、こちらが呼んだ援軍はまだ一人も到着していないようだった。たとえ今ここで魔王の動きを静止させたとしても、残りの大勢の手下たちには到底対抗できない。その上、簡彤菲も間違いなく自分に向けて老化魔法を発動してくるはずだ。こんな時になってもまだ翠魔王と一緒に芝居を打ち、自分が被害者であるかのように装っているのだ。どうやら翠魔王はとっくに準備を整えていたらしい。邱艾晶を始末する気なら、彼女もろとも指輪を綺麗さっぱり処理することなどとうにできていたはずだ。要するに、自分が遅かれ早かれ現れることを見越して、方雨彗にこの残酷な場面を直接見せつけたかっただけなのだ。


「ついでに言っておくが、この付近の上空にはすでに結界を張ってある。翼族姫を除くすべての翼族の民は全く入れないようになっているのだ。だから、誰かが助けに来るなどという期待は捨てることだな。大人しく我々のショーを最後まで見ていけ。私の機嫌が良ければ、今日はお前を帰してやろう!」


邱艾晶を拘束しているその手に彼女の指輪が置かれ、そこからブラックホールの粒子や不気味な黒煙のようなものが放出されているのを見て、方雨彗はもうこれ以上ためらってはいられないと判断した。


たとえ他の手下たちを怒らせようとも、たとえ勝算が万に一つしかなくとも、たとえ自分まで道連れになろうとも……


方雨彗は素早く指を突き出し、一条の細い緑色の光を翠魔王の体に向けて放った。


翠魔王は案の定動きを止めた。邱艾晶はこれでひとまず助かったかに見えた……しかしその瞬間、簡彤菲も芝居をやめ、すかさず自身の老化魔法を方雨彗に向けて放った。


やはりそうか。今、自分の翼が重く無力になっていくのを感じる。体のどの部分も十数キロの重りを背負わされたようで、少しでも持ち上げようとすれば耐え難い痛みが走り、視界もぼやけ、目の前が真っ暗になり、前方に一体何人いるのかさえ判別できなくなってしまった。


「だから大人しく見ていればいいって言ったのに。まったく、私に直接手を下させるなんて。」簡彤菲は翠魔王の手から離れ、方雨彗の目の前へと歩み寄った。


「どう?思いもしなかったでしょ。自分の身近な人間に裏切られるなんて。普段は抜け目がないように見えるあんたも、さすがにここまで計算してなかったみたいね。」そう言いながら、彼女は相手を見下す邪悪な笑みを浮かべ、極めて軽蔑した視線を投げかけた。


(とっくに気づいてたわよ。今まで指摘しなかったのが、あんたに対する最大の優しさだったのに、よくもそこまで図に乗れたわね。)


心の中ではそう思っても、方雨彗には声を発する力すら残っておらず、簡彤菲の挑発をただ見つめるしかなかった。それと同時に、徐々に力を失っていく翼のせいで体がどんどん下へと沈んでいき、今の自分はただ敵に弄ばれる操り人形でしかなかった。

次回予告:外部の援軍も期待できず、自力でどうにかすることもできない今、すでに敵の掌中で完全に身動きが取れなくなっていた。正体を現したスパイ、魔法による牽制が効かない魔王。事ここに至って、果たして逆転のチャンスは残されているのだろうか……


次回:最終決戦

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