第四話 迫り来る危機
新学期初日の放課後、邱艾晶と方雨彗は学校の近くにあるカフェにやって来た。
「ねえ、邱艾晶。頭につけてるそのヘアピン、ちょっと見せてくれない?」飲み物が運ばれてくるまでの間、方雨彗は好奇心から邱艾晶の髪飾りにしげしげと見入っていた。
「あ、これ……いいよ。」邱艾晶は頭から薄緑色のヘアピンを外し、方雨彗に手渡した。それは邱艾晶の小指ほどの長さがある細長いヘアピンだった。材質はよくある安物のプラスチックではなく、軽やかで微かに絢爛な光沢を放っており、瑠璃か何かの宝石のようにも見え、さらに立体的な四つ葉のクローバーの形が彫刻されていた。
方雨彗はそのヘアピンをじっくりと観察し、何か物思いにふけっているような様子を見せた。ヘアピンの材質を調べているのか、それとも四つ葉のクローバーの柄に興味があるのかは分からなかった。
「そういえば邱艾晶、前にも指輪を探してるって言ってたよね?その指輪ってそんなに大事なものなの?あんなに長く探してるのにまだ諦めてないなんて。」
「うん、あの指輪は何年か前にお母さんが手作りしてくれたものなの。ちょうどその頃、お母さんはDIYの手芸にハマってて、あれは当時の私への初めての手作りのプレゼントだったんだ。でも、それから間もなくして、お母さんは……交通事故で亡くなっちゃって。……あの指輪は生前私にくれた最後のプレゼントでもあるから、すごく大切にしてて、どうしても見つけ出したいの。」
話しているうちに、邱艾晶はなんと声を詰まらせて泣きそうになってしまった。騒ぎを起こさないよう、自分が翼族姫であるという正体を人間に知られないために編み出したただの嘘の作り話なのに。しかし自分でもすっかり役に入り込みすぎて、本当にその状況に感情移入してしまったようだ。さすがマスコミュニケーション部の部員、女優になる素質が十分にある。
「それなら、その指輪がどんな形なのか教えてくれない?もしかしたら私も一緒に探せるかもしれないし。」
方雨彗までもが自分の作り話に心を打たれているのを見て、彼女は瞬時に、自分には女優だけでなく脚本家としての才能もあるのだと感じた。指輪の由来は嘘だが、指輪の重要性は紛れもない事実である。方雨彗がそこまで言ってくれるのなら、一緒に探してもらおう。しかし……指輪はどんな形だったっけ?正直なところ、邱艾晶が指輪を失くしてからもうすぐ二年になるため、自分でも少し忘れてしまっていた。だがとにかく、覚えていることだけでも
次回予告:再び危機に直面した邱艾晶。全速力で迫り来る猛犬を前に、今度こそ本当に周りには誰もいない。彼女は一体どうやってこの窮地を切り抜けるのか?
「方雨彗、あんた今、私の目の前で変身したよね?もしかしてあんたも……」
次回:運命の正体発覚




