第四十六話 グループ結成の小さな成果発表
エントリーしてグループを結成してから本番のパフォーマンスまで、練習に費やせる期間は約三週間だった。一つのパフォーマンスを準備する期間としては決して長くなく、体感ではあっという間に過ぎ去ってしまった。そして、二組の出演者がお互いの成果を披露し合う日を迎えた。男子組が準備したのはバンドパフォーマンスで、ボーカル、ギター、ドラム、ベース、キーボードという編成だ。同じクラスの中だけでこれほど多様な楽器を扱える人間が揃うなど、確率的に言えば信じられないほど低い奇跡だった。
それぞれ異なる楽器を手にした男子組の五人を見て、同じクラスの女子グループ組の心には、これまでとは全く違う新鮮な驚きが湧き上がっていた。普段教室にいる彼らといえば、三五人集まってはおしゃべりしたり、勉強したり、寝ていたりといった印象しかない。それが楽器を手にした途端、普段同じ教室に座っているクラスメイトとはまるで別人のように見えたからだ。特に邱艾晶は、游暐安から軽く話を聞いたことはあったものの、彼がギターを弾く姿を目の前で見るのはこの日が初めてだった。そんな圧倒的な陣容を目の当たりにして、女子組の面々も自分たちのパフォーマンスで絶対に気は抜けないと心を引き締めた。
双方で話し合った結果、まずは女子グループ組からパフォーマンスを行うことになった。
練習のために借りた空き音楽教室で、パフォーマーたちは黒板に背を向ける形で初期の立ち位置についた。前列の椅子を少し片付けて空きスペースを作り、残りの椅子を観客席として、カメラマンの簡彤菲が最前列に座りスマホで撮影を行った。
音楽が流れ出すと、息を呑む観客の前に飛び出してきたのは軽快なピアノのイントロだった。最初は方雨彗と邱艾晶がそれぞれ両端に立って観客に横顔を向け、戴千祈と溫茵が背中合わせでしゃがみ込む姿勢をとった。イントロの音楽が響き渡る中、まずは後ろを向いていた溫茵がゆっくりと立ち上がり、振り返って観客の正面を向いた。左手を胸の前に垂直に置き、右手を徐々に高く挙げる。同じポーズをとる方雨彗、邱艾晶と三角形のフォーメーションを組み、もしステージを上から見下ろせば、さらに整然とした壮観な光景になっていたことだろう。イントロの後、まずはボーカル担当の溫茵が幻想的で透き通る
次回予告:游暐安と邱艾晶のメッセージでのやり取りを経て、游暐安の体調不良の原因が謎に包まれていることが確認された。勘の鋭い方雨彗は、それを聞いた途端にある良くない前兆と結びつけてしまった。それはもしかすると、天国に伝わるある伝説に端を発しているのかもしれない……
次回:謎の発熱と前兆




