第四十一話 聖夜の前の新星の輝き
あの時、簡彤菲が邱艾晶の看病に行って騒動を起こして以来、方雨彗の彼女に対する信用はさらに急降下しており、心の中で密かに彼女を要注意人物としてリストアップしていた。それ以降、邱艾晶の世話はすべて方雨彗自身が引き受けることに決めていた。
一週間が経ち、邱艾晶の怪我も和らぎ、すでに学校へ戻って他のクラスメイトと一緒に授業を受けられるようになり、生活も徐々に軌道に乗り始めていた。
邱艾晶が学校に復帰してからのある朝、学校の廊下の掲示板の周りには人だかりができ、ざわついていた。
「ねえ、なんか良さそうじゃない?エントリーしてみる?」
「でも私、部活が忙しいし!あ、でも他の人誘って出るなら、絶対応援に行くから!」
「えーっ、あんたが出ないなら他に誰誘えばいいか分かんないよ。じゃあ、やっぱりやめとこ。」
ようやく手の包帯を外すことができた邱艾晶と方雨彗は、体育の授業を終えたばかりで、ちょうどこの廊下を通りかかっていた。
「あんたは今、すごく気楽でいいわね。体育の授業中もずっとゆっくり休んでられるんだから。」方雨彗はハンカチで汗を拭きながら、邱艾晶に向かって言った。
今の邱艾晶は、包帯が取れて学校に戻れたとはいえ、運動量の多いことはまだ大半ができないため、体育の授業中はほぼまるまる一時間、座って涼んでいたのだ。体は一時間休めたが、果たして頭の方も一緒に休めていたのだろうか?さっきの五十分間、一体勉強していたのか、寝ていたのか、それともスマホをいじっていたのか、それは方雨彗の視点からは窺い知れないことだった。
「まあね、それは否定できないや。じゃあ、あんたも一回派手に転んでみる?そしたら体育の授業休めるよ。」
「遠慮しとくわ。私が怪我したって、あんたみたいに世話を焼いてくれる頼もしい人がそばにいる幸せ者じゃないし。」
「……あれ?なんかあそこ、やけに人が多くない?ちょっと見てみる?」邱艾晶は人だかりに視線を移し、顎でしゃくるようにして賑やかな方向を指し示しつつ、上手く言い返せなかった話題を逸らした。
「いいわよ、ちょっと見てくる……。」
背の低い方雨彗は、少し苦労しながら人混みに潜り込み、つま先立ちになった。邱艾晶は手の怪我が満員電車のような人混みで揉まれて悪化するのを避けるため、その場に留まった。
全校生徒の前でパフォーマンスを披露するステージにずっと憧れていませんか?
林谷高校 クリスマスパーティー・パフォーマンス エントリー受付中
部活動、仲良しグループ、個人での参加も大歓迎
林谷高校 生徒会
チラシにはそう書かれていた。
「見えた?それで、何だったの?」
「大したことじゃないわ。クリスマスパーティーのパフォーマンスのエントリーを受け付けてるってだけ。私たちには関係ないわね。」
「そっか。まあね、なんか楽しそうだけど、私はこんな怪我してるから何も練習できないし、あんたは……うん、言うのはやめとく。」
方雨彗は息を吸い込み、言おうとした言葉を飲み込んで、こう言い直した。「なんかあんた、最近ますます口が達者になってない?」
「あんたの真似してるだけだよ。」
しかし、事態は新たな展開を迎える――それからわずか一コマの授業が終わった後の休み時間のことだった。
「ハロー、邱艾晶。ちょっと聞きたいんだけど、私たちと一緒にクリスマスパーティーのパフォーマンスにエントリーしてみない?アイドルグループみたいな感じのパフォーマンスをやりたくて、人数がもうちょっと必要なんだよね。今のところ、私と溫茵の二人しかいなくてさ。」
「えぇ〜っ、ちょっと気になっただけなんだけど、なんで私を誘ったの?」
邱艾晶を誘ったのは、クラスメイトの戴千祈だった。邱艾晶は彼女と同じクラスだが、そこまで親しいわけではない。印象としては、髪色がとても派手な薄いピンク色だということくらいだ。かといってどぎついショッキングピンクではなく、彩度の低いピンク色である。それから、鞄にはアイドルのトレカやキーホルダーがじゃらじゃらとついていて、クラスに友達が多く、いつものグループの中心人物的な存在で、常に活気に満ちている。しかし邱艾晶は彼女たちのグループの人間では全くないため、このお誘いには少し驚かされた。
そして彼女が口にしたもう一人の「溫茵」もクラスメイトで、よく明るい茶色のポニーテールにしている。印象としては単独行動を好むタイプで、こう思うのは少し失礼かもしれないが……友達があまりいないようだった。とはいえ、生まれつき一人が好きな人もいるので、友達がいないことは欠点というわけではない。それに、彼女は少し人見知りのようで、戴千祈たちのグループの人間でもない。というか、あんなタイプの子が戴千祈のグループ結成の誘いに乗ったこと自体、正直言ってかなり想像しがたい。戴千祈、溫茵、邱艾晶。もしこのメンバーでアイドルグループのようなパフォーマンスをするとしたら……かなり予想外な組み合わせとしか言いようがない。
「だって、私の周りの仲いい子たち、恥ずかしいとか忙しいとか言って誰も出てくれないんだもん。本当に薄情だよねー。あ、でも君の怪我が最近治ったばかりなのは知ってるから、本当に無理なら気にしなくていいよ。ただね……ちょっとした裏情報があるんだけど。」戴千祈は目を細めて意味深な笑顔を浮かべ、こっそりと邱艾晶の耳元に口を寄せた。
「游暐安もグループ組んで出るらしいよ。だから、これってお互いにパフォーマンスで交流する絶好のチャンスじゃない?」
そう言うと、彼女は元の姿勢に戻り、こう続けた。「彼と許柏言たちのグループの会話からチラッと聞こえただけだから、まだ向こうも確定してないかもしれないし、私も確証はないんだけどね。君だけが知ってる独占スクープってことで!あ、私が言ったってことは内緒にしてね。」
次回予告:果たして自分はアイドルグループのパフォーマンスに向いているのだろうか。台無しにしてしまわないかという邱艾晶の心の中の不安と、戴千祈の懇願が激しく葛藤する。理想の大きなステージというのも、案外魅力的かもしれない……
次回:アイドルグループのメンバー、集合!




