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漂流大陸の翼族姫、人間界でのファンタジーな出逢い  作者: 冬小密


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第四十話 スパイの陰謀

「ねえ、だったら先にあの寝てるヤツから始末しようよ。あいつらが暴力で解決しようってんなら、こっちも容赦する必要ないでしょ。」さっき簡彤菲に魔法をかけられた手下が、唯一無事な仲間に指示を出した。


目の前の二人の翼族の姫に攻撃を仕掛けていた手下は、指示に従って攻撃を収めた。


再び邱艾晶の正面へ向き直り、全身の魔法の力を手元に集中させる。そのエネルギーが収束していく過程で、周囲の空気も気づかれないほどの速さで徐々に薄くなっていった。


「簡彤菲、私たちが邱艾晶を守るの。あんたは防御壁(バリア)を維持して。私が天国に連絡して援軍を呼ぶわ。」方雨彗は状況を見て、隣の簡彤菲に指示を出した。


「今から連絡して間に合うの?向こうから来るにも時間がかかるでしょ?」


「いいから、言われた通りにして。」


そう言われて、簡彤菲は少し躊躇いながらも邱艾晶の前に立ちはだかった。その途中、バランスを崩してベッドに倒れ込みそうになった。


再び手元から防御壁を召喚し、敵軍の攻撃の光波と相殺させる。しかし、それから間もなくして――


「方雨彗、私もう持ちこたえられない。」


「分かった、連絡は済んだわ。援軍が来るまで持ちこたえるのよ。」そう言うと同時に、方雨彗は雷にも劣らぬスピードで、自分たちに攻撃を仕掛けている敵の動きを静止させた。魔法をかけられた相手の攻撃は止まったが、その代わり、最初に静止させられていた者が再び動けるようになってしまった。


静止させられた者は、その間まるで眠っているかのように無意識状態になるため、魔法が解除された時も寝起きのように状況を把握し直す必要がある。この方法で敵を短時間牽制し続けるのが方雨彗の作戦だった。


「ん……今どうなってるんだ?」


「さっさと攻撃しろ!何ボーッとしてるの、あいつらに息をつかせる隙を与えちゃダメ!」


最初に簡彤菲に呪いをかけられた者は体力が大幅に低下し、すでに攻撃能力を失っていたため、脇で指示を出すことしかできず、目の前の状況にただ焦るしかなかった。


方雨彗の魔法から解放されたばかりの手下も、体と空気中からエネルギーを凝結させ始めた。警戒を怠らない方雨彗と簡彤菲は、一瞬たりとも防御壁を解いて休むことはできなかった。


目の前の敵が手元のエネルギーをどんどん凝縮させていくのをただ見つめるしかない。先ほどのブラックホールのようなエネルギー弾とは異なり、今度は目が眩むほどの黄金色だった。数メートル離れていても放たれる高熱を感じ取ることができ、さらにはバチバチと這うように走る電流まで微かに見えた――


(やっぱりあいつの静止を解除するべきじゃなかった。こいつ、さっきのヤツより手強い。でも今からもう一回静止させようとしても間に合わない。魔法を発動する隙を突かれたら終わりだわ。援軍が早く到着するのを祈るしか……。)


方雨彗は心の中で今回の失策を悔やんだ。彼女がここに駆けつけてからすでに二十分近く睨み合っているのだから、援軍もそろそろ到着するはずだ。それにしても邱艾晶は一体どういうことなのか。こんな状況でもあんなにぐっすり眠っていられるなんて、方雨彗にはどう考えても理解できなかった。


突然、出所不明の光が部屋全体を満たした。敵から一秒たりとも視線を外していなかった方雨彗は、この光線が敵から放たれたものではないと確信していた。今回の光も目が眩むほど強烈だったが、あの誕生日パーティーの時のように耐え難い高熱を伴うものではなく、むしろ心を研ぎ澄ませば、温かく心地よい感覚すら覚え、先ほどの敵との戦闘で張り詰めた緊張感まで癒やしてくれるようだった……。


周囲は一瞬にして静寂に包まれ、心地よい涼しい風が次々と体に吹き寄せてくる。光が引いた後、先ほどまで目の前にいた三人の敵は……消えていた?


方雨彗は部屋中を見回し、彼らがどこかの隅に隠れていないか確認しようとしたが、入念に探した結果、彼らが最初から存在していなかったかのように完全に跡形もなく消え去っていることを確認した。部屋にいるのは自分、簡彤菲、そしてちょうどこのタイミングで目を覚ました邱艾晶、さらには……夕飯を済ませて帰ってきたらしい游暐安と游筱安だけだった。


「ん?ここ、何かあったのか?さっきちょっと大きな音がした気がするんだけど。あれ、方雨彗も来てたのか?」游暐安が不思議そうな顔で尋ねた。


「あ、いや、何でもないわよ。部活が終わったからついでにちょっと様子を見に来ただけ。あんたの言ってる音なら私も聞こえたけど、この部屋からしたわけじゃないはずよ。どっか別の場所からじゃない?」


方雨彗の心の中にある疑問は、今入ってきたばかりの二人よりも絶対に少ないはずがなかった。さっきの光は一体どこから?敵はどこへ行ったの?この場にいる全員の中で、彼女が一番多くの疑問を抱いていると言っても過言ではなかった。


「そうか、それならいいんだ。さっき妹が急に俺に話したいことがいっぱいあるって言い出したから、外でご飯食べてから戻ることにしたんだ。悪いな。さっき邱艾晶と簡彤菲にはメッセージで伝えたんだけど、二人とも見てなかったみたいだから、もう一回言っとく。」


「他の人は知らないけど、少なくとも邱艾晶にとっては関係ないでしょうね。最初から最後まで寝てたヤツにとっては、どれだけ時間が経とうが同じことだし。」方雨彗は、目をこすりながら自分がどれほど危険な状況にいたかも知らずに安眠していた邱艾晶を冷たい目で見つめた。


その頃、黯翠帝国では。翠魔王の御前にて、指輪レーダーを持ち、常に魔王から目をかけられていた手下が、またしても魔王の前にひざまずき、平伏していた。


「ご報告申し上げます。今回の作戦も成功には至りませんでした……時間が足りず、すぐに厄介な者たちに足止めされてしまい。しかし、指輪の把握については新たな進展がございました。今回、指輪が間違いなくあの翼族の姫自身の部屋にあることを確実に突き止めました。」そう言うと、彼女は少しだけ頭を上げ、翠魔王の怒りが幾分か収まっているかを確認した。


「無礼者!誰が頭を上げてよいと許した?」怒鳴り声が一瞬にして城全体の張り詰めた空気を切り裂き、その場にいた他の手下たちも心臓を縮み上がらせた。


「も、申し訳ございません魔王様。今回の任務も成功こそしませんでしたが、前回の偽の指輪の策略により、確実にあの邱艾晶という翼族の姫に重傷を負わせ、その動きを封じることには成功いたしました。あの時、私は彼女の食べ物に薬を盛って一時的に昏睡させ、さらに当時訪ねてきた客の飲み物にも同じ薬を盛ろうと試みました……本当にあと一歩で成功するところだったのです。どうか魔王様にお願い申し上げます。私にもう一度だけ命を繋ぐお慈悲を、そして最後のチャンスをお与えいただけないでしょうか?」今回は最初から最後まで地面に丸まるようにひざまずき、二度と身じろぎ一つしなかった。


息をする者さえいない十秒ほどの静寂が流れた。翠魔王がこの手下の処遇をどうすべきか迷っているのか、それとも自身の怒りが静まるのを待っているのかは分からなかった。


「よく聞け。お前がすでに相当な経験を積み、あの翼族の姫たちと親しくなり、彼女らのことを十分に理解しているという点に免じて、この機会を残してやるのだ。でなければ、お前の命などとうの昔にないと思え。分かったな?」


「はい、承知いたしました。」


「であるならば、これが正真正銘最後のチャンスだ。『簡彤菲』という身分を使ってスパイを続けろ。もし今年の年末までに私が指輪を手にできなければ……」翠魔王は手に持っていた杖で床を激しく突き、地面に凹みの痕を残した。


「どうなるか、お前自身がよく分かっているはずだな。」


「はい、存じております。もし今年の年末までに指輪を手に入れられなければ、いかなる処罰もお受けいたします。」


「よかろう、下がれ。」


「はい、魔王様のご慈悲に感謝いたします。」そう言うと、簡彤菲は一礼し、翠魔王の城から退室した。


「邱艾晶……今度という今度は、私も絶対に容赦しないから。指輪の本当の在処はもうかなり明白になってきてるんだから……。」彼女はそう独り言を呟きながら、シロガシラの姿へと変わり、人間界へと飛んで戻っていった。

次回予告:怪我の休養を経て、邱艾晶はついに学校へ戻ることができた。その頃、クリスマスの時期も間近に迫っており、誰もが心待ちにする学校のクリスマスイベントとは……


  全校生徒の前でパフォーマンスを披露するステージに憧れていませんか?

  林谷高校 クリスマスパーティー・パフォーマンス エントリー受付中


次回:聖夜の前の新星の輝き

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