第二十九話 足止めとピンク色のオーラと秘密の行動
ゲームはすべて部員たちがテストプレイ済みとはいえ、やはりテストプレイと実際のプレイでは難易度に差が出ることがある。六人中五人がクリアしなければならないという条件は、部員たちのリハーサル時にはちょうどいい難易度だと評価されていたが、実際にやってみるとこの基準は厳しすぎた。時間が経ち、すでに四回目のやり直しとなっていた。回を重ねるごとにクリアする人数や進む距離は少しずつ伸びてはいるものの、それでもそう簡単にはクリアできそうにない空気が漂っていた。
「だー……るー……まー……さー……んー……がー……」
同じ関所で長時間足止めされるのは参加者にとってプレッシャーになるだけでなく、関所役自身も疲れるものだ。それに、みんなの時間を無限に長引かせることが関所役の目的でもない。そのため、游暐安も多少手加減し始め、掛け声のペースもどんどん遅くなっていった。
「こー……ろん……だ!」
十秒近くかけて游暐安がようやく一回目の掛け声を言い終えた頃には、数人がすでにコースの半分以上を走り終えていた。
游暐安は今度もバランスボールを構えたが、ゲーム開始から時間が経っていたせいか、最初のように風の音や草の揺れといった些細な音で慎重に方向を判断するつもりはもうないようだった。大体の方向を適当に見定めてボールを転がすと、案の定、ボールは誰にも当たらずにコースの外へと転がっていった。
今回は四回のゲームの中で最もクリアの希望が持てる展開であり、みんなは足場を固めて再び駆け出す準備をした。
「だるまさんが、ころんだ!」
「よし、先頭の二人クリア!」
この関所に駐在しているもう一人の部員が宣言した。この時、コース上に残っている参加者は四人になり、今回転がしたボールも誰にも当たらなかった。
さらに二ターンが経過し、すでに四人がクリア、一人が退場となり、コース上で奮闘しているのは邱艾晶ただ一人となっていた。もし彼女がクリアすればこの関所は突破できるが、もし彼女が退場になれば、ゲームは五回目のやり直しになってしまう。現在、邱艾晶と游暐安の距離は大股で三歩ほどのところまで迫っており、よほどのことがなければ、次のターンでクリアできるはずだった。
「だるまさんが……」
「きゃあぁっ――」突然、游暐安のすぐそばの至近距離で、邱艾晶の空を裂くような悲鳴が上がった。
「どうした!?」これほど大きな悲鳴を聞いて、転んだのか、それとも何か別のことが起きたのか分からず、游暐安の心は一瞬にして心配でいっぱいになり、ルールなど完全に無視して振り向き、アイマスクを外した。
「……」
「……」
現在、邱艾晶は右手を游暐安の後ろにある木につき、体を少し前に傾けながらもしっかりと地面に立ち、游暐安の体を自分とその木の間に挟み込んでいた。そして彼女の澄んだ両目が、振り向いて状況が飲み込めず戸惑っている游暐安の目と、ちょうど真っ直ぐに見つめ合う形になっていたのだ。
(えっ?これって……木ドン?)
今の状況は少しばかり気まずさを伴っていたが、突然の出来事に二人の思考は完全に停止し、そのままの姿勢で五秒間が経過した。
実際のところ、邱艾晶は走っている途中で足元がふらつき、前へのめり込んでしまったのだ。悲鳴を上げると同時に、目の前にある木に急いでしがみつくしかなかった。体の重心を木に預けたその瞬間、游暐安がアイマスクを外したため、このような絶妙な姿勢になってしまったのである。
「あ、あわ……」邱艾晶は慌てて手を引っ込め、游暐安の方を直視できずに視線を逸らした。
先ほど空気が凍りついた五秒間、他の部員たちは二人の関係性を詳しくは知らなかったものの、誰もが心の中で「何かあるな」と察していた。二人から溢れ出るオーラは、前日にレストランで繰り広げられた食べさせ合いっこや、以前部屋で髪を乾かしていた時とは全く違う状態だった。今回は多くの知り合いが見ている前で、しかもこういったイベントの場であったためか、なぜか二人の雰囲気は、付き合う前の曖昧な関係に戻ったかのような、初々しいバカップルの空気を漂わせていた。
「えっと、とにかく、これでクリアってことだよね。邱艾晶もさっき木にタッチしたし。」もう一人の高二の部員が真っ先にこの空気を打ち破り、二人を現実に引き戻した。
「う、うん、そうだね。じゃあこれが君たちの手がかりだよ。」游暐安はまだ慌てた気持ちを完全に落ち着かせられないまま、手がかりの入った封筒を邱艾晶に渡した。邱艾晶はそれを受け取ると、そのままメンバーを連れて足早にその場を後にした。
引率リーダーとメンバーたちが苦労してミッションをこなしている頃、地下の多目的教室では——ここは簡彤菲が担当する関所である。現在ここに挑戦しに来ているグループはおらず、関所役にとっては本来なら休憩時間のはずだった。
「あれ?ここにはない。」
「教卓の下は?……」
「うっ……重い。ここにもない。」
休憩時間であるにもかかわらず、簡彤菲は一息つく暇もなかった。彼女はカーテンを開け、教卓を動かし、黒板をずらして、あちこち何かを探し回っていたのだ。
「まだ見つからないの?」よく響く声がこの静かな空間を打ち破った。方雨彗が多目的教室に姿を現したのだ。
次回予告:多目的教室にいる簡彤菲が、こっそりと探し求めているものとは一体何なのか?まさか彼女もここで何か大切なものを失くしてしまったのだろうか?そのことに気づいた方雨彗は、とりあえず密かに観察を続けることにした。一方、邱艾晶たちの宝探しの旅も静かに終盤へと差し掛かっている。最後に訪れる関所が、どうかスムーズに進むことを願うばかりだが……
次回:宝探しの旅の秘密行動




