第二十六話 宝探しの旅 出発
新入生歓迎イベントの当日、スタッフたちは朝八時にいつもの部室に集合し、最初から最後までもう一度流れを通しで確認した。また、様々な状況にタイムリーに対応できるよう、スタッフ間の連絡用に学校から借りた部活動専用のトランシーバーも配布された。高一の部員たちには一時間遅く、朝九時に来るように伝えてあった。
高一の部員たちの集合場所は学校のバスケットコートだった。三人の引率リーダーと部長は八時四十分にはバスケットコートに到着し、次々とやって来るメンバーたちを待っていた。関所役たちもすでに各自の担当場所に付き、教室や屋外のスペースをゲームがしやすいようにセッティングして、メンバーたちが来るのを待ち構えていた。部員たちは性別や体力などを考慮して三つのグループに均等に振り分けられた。アイスブレイクというイベントの目的を達成するため、普段仲が良い部員や同じクラスの部員は意図的にできるだけバラバラにされ、みんなが新しい友達を作れるように配慮されていた。
「ハロー、おはよう!君は第三グループね。あっちに一列に並んで!」
「おはよう、君は今日第一グループのメンバーだよ。君の引率リーダーはあそこにいるから、受付してきて!」
部員全員の集合が完了すると、部長がみんなに向かって開会の挨拶を始めた――
「ハロー、マスコミュニケーション部の高一メンバーのみんな、おはよう!今日は今学期の部活の新入生歓迎イベントよ。今日のイベントで楽しく遊んで、新しい友達をたくさん作ってね。それじゃあ今日のルールだけど、学校内のどこかにすでに宝物を隠してあって、学校の五つの場所にゲームの関所が設置されてるわ。みんなにはまず話し合って、どの関所に行ってゲームに挑戦するかを決めてもらうの。ゲームをクリアすると宝物の隠し場所に関する手がかりがもらえるから、宝物の場所に見当がついたら、チーム全員で探しに行ってね!もしルールで分からないことがあれば、自分のチームの引率リーダーに聞いてちょうだい。この後の三十分間はグループタイムだから、各引率リーダーに従って移動してね。三十分後、宝探しゲームが正式にスタートよ!」
挨拶が終わると、みんなの拍手が沸き起こった。この後の三十分間は、邱艾晶が今日一日の中で最も心配で恐れていた三十分だった。なぜならこの間、引率リーダーがたった一人で、お互いに見知らぬ五人のメンバーと向き合わなければならないからだ。自己紹介やアイスブレイクのゲーム、ルールの詳細説明など、とにかくその場を盛り上げるためのあらゆることをしなければならず、普段の邱艾晶の友達との付き合い方とは大きく異なっていたからである。邱艾晶はまずメンバーたちを端の方へ連れて行き、円になって座らせた。
「ハロー、みんな!私が今日の第三グループの引率リーダーを務める邱艾晶だよ。今日一日、私たち六人が同じグループのメンバーになるね。みんな同じ部活のメンバーだから、多少はお互いを知ってるかもしれないけど、やっぱりまだあまり親しくない人もいるよね。それじゃあ、まずは一人ずつ自己紹介していこうか!私からいくね。二年二組の邱艾晶、趣味はアニメや小説を見ることです。じゃあ、時計回りでいこう!」そう言って、邱艾晶は自分の右手に座っているメンバーに自己紹介を促した。
「一年六組の劉芊涵です。趣味は映画鑑賞です。」
「一年二組の黃威宇です。趣味はバスケと漫画を読むことです。」
「一年三組の、呂苡欣って言います。趣味は写真です。」
「一年一組の林安邦です。趣味は、俺もアニメを見ることかな。」
「一年八組の吳可です。普段は絵を描くのが好きです。」
新学期の自己紹介と同じように、みんなクラスと名前、趣味を言っただけだった。それ以外に話すべきことも特に見当たらないようだった。
「あれ?よかったらみんなのクラスの担任の先生が誰か聞いてもいい?」
「私たちの担任は黃淑琴先生です。」
「わあ、その先生私のクラスも教えてるよ!でも、テストの要求がすごく厳しくて……」
生徒同士が互いによく知らない状態では、「先生」という話題が自然と最大公約数になる。もし同じ先生の教え方について同じような意見を持っていれば、それがよく生徒を励ましてくれる天使のような先生であれ、ルールがやたらと多くて授業中に無駄話ばかりする先生であれ、異なるクラスの生徒同士のアイスブレイクの話題として絶大な効果を発揮することが多い。もちろん、これも邱艾晶が事前に用意していた話題だった。
担任の先生の噂話が終わった後、邱艾晶は簡単な時間つぶしのためのレクリエーションゲームを始めた。幸いなことに、この五人のメンバーはゲームを通して次第に気まずさを打ち破ってくれたため、邱艾晶が無理にテンションを上げて場を盛り上げる必要はなくなり、六人の間の空気も自然と活気づいていった。部長が設定した三十分のグループタイムは、意外にもあっという間に過ぎ去った。こうして、六人は今日の宝探しの旅をスタートさせた。
引率リーダーは当然ながらすでに宝物の場所を知っており、各チェックポイントのゲーム内容も事前に頭に入れているため、あらかじめ決められたルールにより、戦略の話し合いには参加できないことになっていた。配られた学校の地図を見ながら、どこへ関所に向かうか、あるいは直接宝物を探しに行くかを、五人のメンバーたち自身で決めさせなければならなかった。
「それじゃあ、ここは多目的教室から近いし、まずはここへ行くのはどう?」
「でも、第一グループがもうあっちの方向に向かったみたいだよ。」
「あ、もし向かった場所にすでに他のチームがいてゲームに挑戦中だったら、終わるまで待つか、先の別の関所に行くしかないからね。」邱艾晶はメンバーの話し合いにタイミングよくルールの補足説明を挟んだ。これも、引率リーダーが同行する重要な役割の一つである。
「じゃあ先に体育館に行く?こっちの方向は他のチームが行ってないみたいだし。」
「うん、いいと思う。」
「私も賛成。」
引率リーダーが主導して話し合いができない状況下では、比較的リーダーシップのあるメンバーが自然と前に出て議論を引っ張っていくことが多い。メンバーたちの意見が一致し、全員でまずは体育館へと向かうことに決まった。
次回予告:人間界の昔のおもちゃなど、邱艾晶にとって当然ながら馴染みのない代物である。そんな関所で、スムーズにクリアしていく他のメンバーたちを目の当たりにし、チームの足を引っ張るお荷物にならないよう、彼女はこの瞬間、息を殺して全集中する――
次回:突然チーム全員のプレッシャーを背負うことになって




