第二十五話 指輪の在処の手がかり
部室では、今日の最終会議がちょうど終わろうとしていた。二人は少し遅れて戻ったが、手に持っていた買い出しの品を整理してそれぞれの場所に置き、最後に買い忘れがないか確認した。ちょうど他のスタッフも解散するところで、かなり絶妙なタイミングでの帰還となった。
大半の人がゆっくりと荷物をまとめて帰宅した後、邱艾晶と方雨彗の二人は校庭の脇にある木の下に座っていた。今日は土曜日。授業はないが、グラウンドでは多くの運動部が活動している。会議が早く終わったため、日が沈むまではまだかなり時間があった。二人はここに座り、練習をしているチームを眺めながら話し始めた。
「邱艾晶、今回の部活の新歓の宝探しゲームのコンセプトって、どうやって思いついたの?」
「うーん、みんなで話し合って決めた感じかな。最初は、部活の別の子がネットの動画からヒントを得たの。とにかくいろんな手がかりを元に進める宝探しゲームだったんだけど、そこに少しずつ私たちなりのアイデアを加えて改良して、ゲームをクリアしたら手がかりがもらえて、それでお宝を探すっていう形になったんだ。」
「そうなんだ。」
数秒の沈黙の後、邱艾晶が再び口を開いた。
「私の指輪も、こんな風にどこにあるか教えてくれる手がかりがあればいいのにな。でも、ここに来てもう随分経つのに、まだほんの少しの手がかりすらない。これだけ探しても見つからないんだから、そもそもこの辺りにはない可能性だってあるよね。」邱艾晶の顔に、憂鬱と不安が入り交じった表情がゆっくりと浮かび上がった。
邱艾晶は、先ほど雑貨屋で游暐安と交わした会話を再び思い出していた。たとえ今の生活に未練があるとしても、指輪の行方がずっと分からないままでいるのは非常にまずいことだ。一番良いのは、とにかく先に指輪を取り戻し、その後の生活をどうするかはその時に悩むことだ。
「実は……本当に何の手がかりもないのかな?私はそうは思わないわ。」
方雨彗は何か考え込むようにそう言った。邱艾晶の指輪の在処について何か考えがあるようだが、確固たる自信があるわけでもなさそうだ。
「邱艾晶。」方雨彗は真剣な口調で邱艾晶の方を向いた。
「あんたは今、指輪がどこにある可能性が一番高いと思ってる?」
「私があの時、人間界で目を覚ましたのはこの近くだったから、ここからそんなに離れていないはずなんだけどね。落ちてくる時に多少風に流されたかもしれないけど、何キロも遠くまで吹き飛ばされるなんてことはないと思うし。それに、この辺りには湖も川もないから、それも除外できるはず……あっ!もしかして、指輪が落ちてきた時にちょうど飛行機とかが通りかかって、その上に落ちちゃったとか?もしそうなら探すのは難しいかも……。」
「その可能性がないわけじゃないけど、確率は極めて低いはずよ。」方雨彗は邱艾晶の言う可能性について二秒ほど考えたが、やはり少し飛躍しすぎていると思い、話を本筋に戻した。
「とにかく、私の言いたいことはそれじゃないの。私が言いたいのは、どこか特定の場所にあるんじゃなくて、誰かに拾われた可能性はないかってこと。」
邱艾晶も釣られて考え込んだ。あり得ない話ではないが、その可能性を思いついた途端、彼女の心にすぐに不安がよぎった。
「もしそうなら、事態は深刻じゃない?」
翼族指輪の役割は、鳥の姿に変身して飛ぶことや身分を証明すること以外に、保護の作用も備えている。そのため、翼族以外の者が翼族指輪を手にすると、その持ち主に対して呪いを放ち、強烈な不運をもたらすのだ。
具体的にどのような不運なのかは、邱艾晶たちにもよく分からなかった。ただ幼い頃から羽帝や他の民たちから聞かされてきただけだ。その不運の度合いは、道を歩いていてガムを踏むといった単純なものではなく、命を脅かすほどのレベルになる可能性が高いのである。
「じゃあ、今までみたいな方法で探すだけじゃダメみたいね。情報収集も始めなきゃいけないのかな?」
「そういうことになりそうね。もしそれがすでにこの周辺の誰かに影響を及ぼし始めているなら、私たちが注意深く見守らなきゃいけない。同時に、これ以上多くの人の手に指輪が渡るのも防がないと。そうじゃないと、取り返しのつかない事態になるかもしれないわ。」
「なに、なに、何の話してるの!」背後から突然、澄んだ大きな声が飛び出してきた。自分の荷物を片付け終えた簡彤菲が、ちょうど通りかかって邱艾晶と方雨彗がここにいるのを見つけ、そのまま話に加わろうとしてきたのだ。
「私の指……」
「明日のゲーム内容について話してたのよ!私が子供の頃に『だるまさんが転んだ』をやった時の経験談をしてたの。明日ちょうどその関所があるからね。」
なぜか方雨彗は簡彤菲の声を聞くや否や、先ほどの深刻な話題を素早く包み隠し、直接別の話題へとすり替えた。
「えっ?どんな話?私も聞きたい、聞きたい!」
「私が子供の頃、『だるまさんが転んだ』でいつもズルして勝ってたから、後でその友達たちに出禁にされちゃったって話をしてたの。」方雨彗は子供の頃を思い出し、思わず無邪気な笑顔を浮かべた。
「なんで?どうやってズルしたの?」
「分かった!ヘアピンをつけて、自分の超能力で他の参加者を静止させて、ずっと『だるまさん』の状態のまま動けなくしたんでしょ?」邱艾晶が深く考えずに疑問を投げかけると、簡彤菲がすかさず答えた。
「違うわよ、そうじゃないわ。あんたたち、考えが浅すぎるわね。」方雨彗は目を閉じ、得意げな笑みを浮かべた。
「私は一度に一人しか静止させられないから、あんたの言う方法じゃせいぜいライバルを一人減らせるだけよ。」方雨彗はもったいぶらずに続けて言った。「当然、前の鬼が振り返ったその瞬間に、鬼自身を静止させて、もう誰も捕まえられないようにするに決まってるじゃない!そして他の参加者が何が起きたか状況を理解する前に、そのまま一直線にダッシュして鬼にタッチすれば勝ちよ!」
「なんだ、ずる賢い。出禁にされるのも無理ないわ。」邱艾晶はこのズルい方法に呆れた様子を見せた。
「それって、テストの時にこっそり試験監督を静止させて、こっそり教科書を見るのと変わらないじゃん。」簡彤菲も一を聞いて十を知るように例えを出した。
「もう、子供の頃の話だって言ったでしょ。それにテストでカンニングするなんて小賢しい真似、私自身の道徳心が許さないわよ。だいたい、高校のテストなんて私にとってはそんなに難しくないし、そもそもズルする必要なんてないもの。」
「なんだか背中に矢が刺さった気がするんだけど。」邱艾晶は自分が当てこすりを言われたのだと直感し、冷ややかな目でツッコミを入れた。
「ちょっと、事実を言ったまででしょ。はいはい、それじゃあ今日はもう早く帰りましょう。早く休んで英気を養わないと、明日のイベントをやり切る体力がないわよ!」
「まだ午後二時半なんですけど。」
「せっかくの素晴らしい土曜日を無駄にしちゃダメでしょ。それじゃ、私はもう行くから、あんたたちも早く帰りなさいよ!」
今日はこうして、方雨彗の突然の強制終了と、邱艾晶のボヤキの中で幕を閉じた。明日はついに、部活の幹部やスタッフ全員が長らく準備してきた、高一の部員たちと大騒ぎして遊ぶ一日がやって来る。
次回予告:新歓イベント当日、邱艾晶のグループが正式に結成!
メンバーたちに素敵な思い出を作ってあげるため、引率リーダーの責任は非常に重大だ。しかし、ついうっかり会話を終わらせてしまうことの多い邱艾晶に……果たして務まるのだろうか?
次回:宝探しの旅 出発




