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漂流大陸の翼族姫、人間界でのファンタジーな出逢い  作者: 冬小密


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第二十四話 鉄板焼きエスカルゴより熱くなった体温

「えっと……」游暐安の腕に突然鳥肌が立ち、その後平静を装った笑みを浮かべた。「遠慮しておくよ……。」


「ううん……そんな遠慮しないで。だって、今までずっと私にすごく優しくしてくれたじゃない!さっきアスパラガスジュースを奢ってくれたり、この前髪を乾かしてくれたり……」


邱艾晶のこの表情は、どう見ても絶対に悪意を含んだ笑みだった。


「ほら、お皿には少ししかないけど、特別に一口食べさせてあげる。あーん――」


邱艾晶は手慣れた様子でエスカルゴを一つ手に取ると、専用のフォークで殻の中の身をスムーズに取り出し、肉が刺さったフォークを游暐安の目の前へと差し出した。これまでずっと機会がなかった邱艾晶は、ついに游暐安に「復讐」する絶好のチャンスを掴んだのだ。実のところ、復讐というよりは、好きな人をからかい、相手が慌てふためいて進退窮まる姿を見るというスリルを、彼女はこれまで一度も味わったことがなかったのだ。ずっとからかわれる側だったため、たまには立場を逆転させてみたいと思うのも当然である。


(へへへっ、彼がこんな風に困っている姿を見るのって、こういう気分なんだ。心の中では拒否したいはずなのに、ずっと強がって平気なフリをしてる。今のこの顔、カメラでしっかり記録しておきたいくらい。本当に可愛いし、大事に撫で回してあげたいな……。)邱艾晶は心の中で密かにそう思っていた。


ファミレスで食べさせ合いっこをするなんて、本来ならラブラブな空気でいっぱいのシーンであり、二人から溢れ出す甘い雰囲気がレストラン全体を包み込むはずだった。しかし、周囲の目に映る彼らが放つオーラは全くそんなものではなかった。それでもなお、別の意味で強烈な好奇心と野次馬の視線を集めていた。


ここまで来たら、今更怖いと白状するのも得策ではない。意地を張るしかないだろう……「じゃ、じゃあ、いただきます。」


游暐安は目を閉じ、邱艾晶が差し出したフォークの先にあるエスカルゴの肉に噛みついた。


ニンニクとバターの風味がまず口の中に広がり、続いて歯と舌が、口の中にある弾力に満ちた小さな生き物と絡み合う。咀嚼の回数が増えるにつれ、表面につけられていた調味料が次第に唾液で洗い流され、後に残ったのはカタツムリ特有の泥臭さだった。この時、游暐安は慌てて目の前にある飲み物を手に取り、一口飲んだ。口の中がこの耐え難い味に完全に支配されてしまう前に、急いで飲み物と一緒に飲み込まなければならなかったのだ。


ああ……マシになった。ん、おかしいな?なんでこの紅茶、酸味がするんだ?……あっ!


游暐安のアイスティーと邱艾晶のレモンティーはテーブルの真ん中に並んで置かれており、加えて色がそっくりだったため、游暐安はうっかりグラスを間違え、邱艾晶が使ったストローで飲んでしまったのだ。


游暐安が顔を上げると、邱艾晶も顔を真っ赤にして戸惑った表情を浮かべていた。十秒前に游暐安の自尊心を利用してエスカルゴを騙して食べさせようとしていた時の意地悪な表情とは完全に別物だった。明らかに、邱艾晶もその事実に気がついていた。


「あっ!……ごめん、間違えた。」


游暐安は気まずそうにうつむき、二度と邱艾晶の目を直視できなくなった。邱艾晶はさらに慌てふためいてその場に固まり、一言も発せなくなっただけでなく、動作までピタリと止まってしまった。まるで頭の中が真っ白になって完全にパニックに陥ったかのように、落ち着きを取り戻して再び動き出すまでに、しばらく時間が必要な状態だった。


「えっと、俺のストローまだ使ってないから、交換しよう。」游暐安は依然として顔を上げられないまま、ただ二つのグラスに刺さったストローを抜き取って交換することだけに集中した。


その後の食事中、游暐安と邱艾晶の間には建設的な会話は一切生まれなかった。游暐安の料理も運ばれてきた後、二人はただうつむき、気まずい空気と一緒に自分の食べ物を猛烈な勢いでかき込むことしかできなかった。先に食べ終わった邱艾晶でさえ、慌ててスマホを取り出して画面をスクロールし続け、游暐安が食べ終わるのを待った。その後、二人は一緒に店を出て、ゆっくりと学校へ向かって歩き出した。


本当はただグラスを間違えただけのことなのだ。もし買い出しに出てから様々な些細な出来事が連続して起こり、お互いに気疲れしてエネルギーが少し底をつきかけていなければ、このストロー事件が二人の間の空気を完全に気まずくさせる「とどめの一撃」になることはなかっただろう。本来なら大したことではないのだ。だからこそ、学校に戻った後には、二人ともこの件をほとんど忘れかけ、特に気に留めることもなくなっていた。

次回予告:会議終了後、邱艾晶と方雨彗はグラウンドの脇で運動している人たちを眺めていた。


「私の指輪も、この宝探しゲームの宝物みたいに、何か手がかりがあればいいのにな……」


「実は……本当に何の手がかりもないのかな?私はそうは思わないわ。」方雨彗は何か考え込むように言った。


次回:指輪の在処の手がかり

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