第十五話 カップル引き離し大作戦
その日の夜、邱艾晶と方雨彗はそれぞれの部屋で電話で話していた。今日の調査行動を経て、邱艾晶の心の重荷は下りるどころか、かえってさらに大きくなってしまった。今日の調査が空振りに終わった以上、また新たな作戦を練り直さなければならない。
「今日、あの女の制服の学籍番号をしっかり見ておいたわ。たぶん一年五組ね。そうだ、明日の昼休み、あんたから游暐安を昼ご飯に誘ってみなさいよ。もし彼がまだあの女と約束してないなら、先手を打てるでしょ。それに、彼と一緒にいる時間が増えれば増えるほど、彼の口から情報を聞き出せるチャンスも増えるわ。」
「それは無理だと思うな……。彼、最近お昼休みは教室にいないことが多いし。たぶん、もうその彼女と会う約束が固定になってるんじゃないかな。」
「試してみなきゃ分からないじゃない。それに、ちゃんと下調べもしてあるのよ。一年五組の明日の午前中の最後の授業は体育なの。グラウンドと教室は少し離れてるし、着替えの時間も入れれば、游暐安もそうすぐには彼女のところへ行けないはずよ。それに、もし彼らがとっくに約束していたとしても、私には別の対策があるから。でも覚えておいてね。相手に下心を見透かされないように、まずは彼に話しかけるための自然な話題を考えておくこと。そこは自分で考えなさいよ。」
「うん……分かった、考えてみる。」
眠れない夜を過ごし、翌朝。邱艾晶は自信のなさを抱え、ためらいがちな足取りで游暐安の元へ向かい、口を開いた。「あの……今日のお昼、空いてる?ちょっと相談したいことがあって。」
「あー、今日のお昼はちょっと都合が悪いかな。別の用事があってさ。他の時間じゃダメかな?」
「えっと……そっか。大丈夫、そんなに急ぎの用事じゃないし。あなたの都合がいい時でいいよ。」予想通りあっさりと断られた邱艾晶は、気まずい表情を浮かべ、「恥ずかしすぎる、こんなことなら聞きに来なきゃよかった」という思いでいっぱいのまま、その場を後にした。
もともと自信がない邱艾晶にとって、自分から誰かを誘うこと自体、すでに乗り越えなければならない大きな心理的ハードルである。ましてや相手は、他にデートの相手がいる「疑い」のある異性なのだ。游暐安は完全に拒絶したわけではなかったが、邱艾晶の耳にはそれと同じように聞こえていた。気まずさと恥ずかしさが入り交じった気持ちを抱え、邱艾晶は重い足取りで自分の席へと戻った。
方雨彗は教室の反対側に座ってこっそりと様子を観察していた。距離があるため会話の内容までは聞こえなかったが、遠くから邱艾晶の反応を見ただけで、彼女は心の中でこっそり首を横に振った。その表情と反応を見れば、おおよその結果はすでに察しがついていた。
邱艾晶が席に戻ると、方雨彗もゆっくりと彼女のそばに歩み寄り、小声で一言言った。「気にしないで、元気出して。この後のお昼は私の活躍を見てなさい。絶対に二人を会わせたりしないから。これはあの女が昔公園であんたにしたことへの復讐よ。」
午前中の最後の授業のチャイムが鳴った。方雨彗の昨日の調査に基づく推測によれば、もし游暐安が本当に一年五組のあの女に会いに行くつもりなら、チャイムが鳴ってすぐに教室を出ることはないはずだ。案の定、游暐安がすぐに席を立たないのを確認すると、方雨彗はすかさず数学のプリントを持って彼に質問しに行った。
「游暐安、ちょっと聞きたいんだけど。あんた数学が一番得意だった印象があるから、少し教えてくれない?ここの問題、解答を見てもよく分からなくて。説明してくれる?」
「ここの問題ね、これはまず先に……」
邱艾晶もこの時、離れた場所から方雨彗の行動を見守りつつ、こっそりと方雨彗にメッセージを送っていた。
(何それ。あんたの対策ってそんなもん?これで昼休み中ずっと彼を引き留めるつもり?)
(もちろんそれだけじゃないわよ。私の活躍を見てなさいって。)
方雨彗は游暐安が解説に集中している隙に、彼の死角となる角度で邱艾晶のメッセージに返信していた。実際のところ、方雨彗の数学のレベルからすれば、この程度の問題でつまずくはずがなかった。
「だから、この問題はこういうことだよ。あ、俺用事があるから先に行くね。」
「ちょっと待って、もう一つだけお願いしてもいい?一分で終わるから。」そう言うと、方雨彗は游暐安の返事を待たずに早口になり、彼の時間をなるべく取らせまいとしているような雰囲気を装った。游暐安は口を挟むことができず、そのまま聞き続けるしかなかった。
「実は最近、写真コンテストに応募してて、男性モデルが必要なの。ちょっとポーズをとって写真を撮らせてくれない?あっちの窓の方を向いて、机に突っ伏して寝てるふりをしてくれるだけでいいの。スマホでパッと撮るだけだから。」
「分かったよ。そんなに時間がかからないなら。」そう言うと、游暐安は方雨彗の言う通りのポーズで机に突っ伏した。
游暐安が突っ伏した後、方雨彗は驚くほど手慣れたスピードで、ポケットに隠しておいたヘアピンを取り出して頭につけた。そして極力音を立てず、游暐安に気づかれないようにして、その姿勢のまま彼を席で静止させた。
「ゆっくり休んでなさい。昼休みが終わったら起こしてあげるから。」方雨彗は作戦が成功した喜びに満ちた悪だくみの笑みを浮かべた。こうして、体育の授業を終えて着替えを済ませた一年五組の女は、そのまま昼休み中ずっと待ちぼうけを食らうことになったのである。
次回予告:方雨彗はひとまず彼らを一つの昼休みの間だけ引き離すことに成功したものの、問題の根本はまだ解決しておらず、游暐安は相変わらずあの女と一緒にい続けるのか……
「游暐安?彼女と一緒に帰らなくていいの?」
「彼女?俺のどこに彼女なんていんだよ?」
次回:誤解




