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ココロぞんび  作者: キタビ
第九話 箱庭の主と楽園の守護者
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 コロニーの中央には、管理人の暮らす屋敷が建っている。

 石塀と広い庭に囲まれた立派な石造りの洋風建築物で、塔の天辺には大きな鐘と、庭師の如雨露じょうろはさみかたどったレリーフがある。内装には金や銀もあしらわれ、発掘品の絵画や壷などの工芸品が飾られ、ロビーにはシャンデリアと見た目はとても豪勢だ。


 おいそれと立ち入れない神聖な雰囲気はあるものの、門は常に開かれていて、人の出入りも自由である。

 コロニーの安全な運用と管理を目的とし、発生したトラブルの一切を解決する中枢であるが、ここ第0056コロニーにおいては長いこと平和な為、滅多なことで忙しくなることはない。

 そしてそこに座する管理人は、コロニーにおいて最高権力者であると同時に、日夜住民が安心して安全に、幸せに暮らせるよう考える聖人だった。

 今日この日、いつも通り平穏な屋敷の玄関先を箒で掃いていた使用人のもとに、連続して二人の珍客が姿を見せた。一人は巨大なバイクで乗りつけた女性、もう一人は少し遅れてから、ピックアップトラックに乗ってやってきた。


 出迎えた使用人が抱いた二人の印象は、『異物』だった。


 決して彼等を嫌悪していたり、侮蔑の意味を込めた訳でもなかった。

 しかし、形容するとすればその言葉しか見当たらなかった。少なくとも、決して明るい印象や前向きな言葉は出てこない。このコロニーで、彼等の放つ異様な存在感と気配は、まるでよくないことが起きる前兆そのもので、悪いものを運んで来たのではないかと不安になってしまった。

 使用人はすぐ、出迎えた二人の客人を管理人の元へと案内したが、気が弱くて優しい管理人のことを想うと、心配で仕方がなかった。


「どうぞ、こちらでお待ちです」


 着いてしまっては仕方がなく、使用人は執務室の扉をノックした。

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