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ポーションの価値

朝ご飯を食べ部屋に戻ると聞きそびれていたことを思い出した。


「マリス、気絶しないで聞いて欲しいんだけど、10万ギランで剣とコアが、売れたんだ。」


「あれから言わないから、聞き間違えかと思ったけど、やっぱり10万なのね。」


また驚きはしたようだがさすがに2回目、気絶どころか落ち着いてきいてくれた。


「それでギランって、今一つ価値がわからないんだ。

 普通の人って1年いくら位で生活してるの?」


「価値がわからないかぁ。普通って言われても・・・

 私たちが暮らしてる村に近い場所だと、年収1万ギラン前後かしら。

 ここのような大きな街ならたぶん、3万ギラン位じゃないかな。」


なるほど日本円で考えると、100円で1ギランといったところか。


「ありがとう。2人に苦労させないよう頑張るよ!」


「苦労は家族でするものでしょ。」


おでこを小突かれてしまった。


「あー、ままとリョータ、いちゃいちゃしてるー。私も混ぜて。」


頭を撫でると落ち着いてくれたのでそのまま商業ギルドへ向かう。


今日卸すのはハイポーションだし、綺麗なおねーさんの列に並ぶか。

しばらく並んでいると、ギルドマスターに見つかった。


「おいリョータ、持って来たのか?」


「はい、おかげさまで。」


ギルドマスターと話をしてるなんて、何者だと周りが五月蠅くなると、こっちに来いと手招きされた。

目立つのは困るのだが、ギルドマスターに呼ばれたら、行くという選択肢しかない。


「なに不満そうな面してる。

 俺はお前のことが気に入ったから、アドバイスでもやろうと、思ったんだ。嬉しいだろう。」


「はい、嬉しいです。」


とポーションを3本出す。


「俺は、嘘が分かるんだぜ。っとどれどれ。」


じーっとビンを見つめる。


「リョータ、ちょっとこっち来い。」


また部屋に案内(れんこう)されたのだ。


「さすがにポーションを作ってるんだ。ポーションの価値くらいは、知ってるよな?」


気まずそうな顔をしている、俺に気付いたのか


「ポーションには下位ポーション、ポーション、ハイポーションの3つがある。

 フルポーションは・・・まぁ王族が持ってるとか、無いとか、存在が不明だから置いておく。」


「はい。」


フルポーションってやばかったのか・・・。


「下位ポーションは、ポーションの余りカスから出来ているから安いが、それでも浅い傷なら一瞬で治る。

 ポーションは、貴族や冒険者ギルド御用達の品で、刀傷などが治るんだ。

 と、なるとだ。ハイポーションはなんだと思う?」


「さらに治りが早いとかですかね・・・。わかりません。」


「腕を落とされたりしたとき、すぐに飲めば欠損部位すら治るんだよ。」


俺はどんな顔をしていたかわからないが驚きを隠せない。

そしてその顔を見ながらギルドマスターは鑑定眼をだしたのだ。


「やはりハイポーションか・・・。しかしうーん。」


「あの・・・なにかまずいのでしょうか。」


沈黙が10分位はあったのではないか、というところでギルドマスターは、声を発した。


「ハイポーションのうちの販売価格は、一本3万ギランだ。払うからこれ貰うぞ。」


「はい、どうぞ。」


ふたを開けると、3万ギランをぐびっと飲み干した。

頷くギルドマスター。そして


「ちょっと待ってろ。」


と部屋を出て行った。

ガチャリと戻ってくると全身が包帯がぐるぐる巻きの子と一緒に戻ってきた。


「リョータ。待たせたな。こいつが治ったら、俺の全財産くれてやるよ。」


冗談と思えない本気の顔。

相当大事な子なのだろうが、全財産ってなんだ・・・。


「さ、このポーション飲みな。」


包帯を巻いた子の口に当てるとゆっくりと2本飲ませた。


「リーラどうだ?少しは良くなったか?」


声帯もつぶれて、声が出ない事を知っているが、いつも話しかけるのだ。


「う・・・うん。」


あの怖いギルドマスターが、うんうんと、優しい顔で頷き続けこっちを向いた。

すごく怖い。


「リョータ、ありがとよ。

 これはハイポーションの中でも特別出来が良い。

 ちょっと待ってな。」


包帯を巻いた子を連れて部屋を出て、暫らくしたった頃、ギルドマスターが戻ってきた。


「すまねーな。あれは俺の娘のリーラだ。久しぶりに声が聞けたもんだから、嬉しくってな。

 安心しろ。リョータの口座に、10万振り込んでおいた。それでなんだが・・・

 あれと同じものを用意できるなら、俺の資金が尽きるまで、俺に売ってくれないか。」


娘を持った俺には、わかる気がする。リリスがもし、ああなったら、俺は全力を尽くすだろう。

ただ俺がしようと思っている事は、リスクがある。


「また来ます。」


とだけいって部屋をでた。

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