街に行く
「マリス、リリスおはよー。」
やはり俺より早く起きている2人に挨拶をした。
「おはようりょーた。」
「おはよ、リョータ。」
「マリス悪いんだけどコップをあるだけ貸してもらえる?」
「良いわよ。」
木のコップを4つ受け取ると昨日マリスと採ってきた薬草を握る。
まずは緑だけ。
ぴちょんと水は出たがほのかに甘みを感じる程度だ。
黄色だけを握るとなんと変化を起こさない。
赤色も同じく変化をもたらさなかった。
どうやら緑と混ぜたときのみ黄色は反応し甘い水となり、緑と黄色を混ぜたときだけ甘露になるのだ。
「マリス、この薬草って色違うけど種類が違うの?」
「え・・・全部緑色の普通の薬草よ。」
真面目な顔で俺を見てきたマリスはうーんと悩むと覚悟を決めたらしく
「リョータなら見せてもいいよね。」
何やら虫眼鏡のようなものを持ってきた。
「これ知ってる?鑑定眼っていうの。貴重なものだから誰にも言わないでね。」
この世界は魔法があるが道具を介さないと使えない。
ランプの道具があれば明かりをともせ水の道具があってはじめて水を出せるのだ。
じーっと薬草を鑑定眼で見ているマリス。
「うーん。どれも薬草ってなってるわ。」
俺はひらめいた。
「それって俺にも使えるのかな?」
「鑑定魔法の才があればできると思うけど・・・」
「違う違う。俺を鑑定眼で見たらどうなるのかなってことなんだけど。」
「あー、鑑定眼はつかってもね、文字がおかしくて読めないからね。」
「なるほど。それじゃあ俺の作ったこれは鑑定できる?」
コップには緑の薬草だけの水、緑と黄の薬草の水、緑と黄と赤の薬草の水が入っている。
「それなら大丈夫だと思う。」
鑑定してもらうたびにどんどん顔色が変わっていった。
「リョータあなたすごすぎてすごすぎるわよ。」
ふうと落ち着くとマリスは言った。
「これがハイポーションでこれがフルポーション、これは甘露だって。」
緑だけだとハイポーションで黄色を入れるとフルになるのか。甘露ってなんだろ・・・。
「おーそれじゃーお店に持っていこうよ。きっと高く売れるよ!」
「あのねリョータ。ハイポーションなんてそこらの店でぽんと買うものじゃないのよ。
買取も街に行ってポーション入れを買ってからじゃなきゃまず無理ね。」
「ねーだったら街に行けばいいじゃない。」
話を聞いてたリリスがコップを眺めて言うのだった。
「リリスその水甘いから飲んでいいよ。マリスここから近い良い街ってあるかな。」
目を見開いて甘露を飲むリリスは美味しそうだ。
「アス・・・はダメだしルーティ街なら良いんじゃないかしら。今から出れば夜にはつくわ。」
「その俺についてきてもらってもいいかな?」
家を空けるというのは不安だろうし一人で行けという話なのだがお金の目途が上手くついたら街で住みたいとも思ったのだ。
「そうね。リョータだけじゃ迷子になっちゃうかもだし。私たちも行きましょう。」
「わーい街だぁー。」
俺たちはみんなでルーティに行くことに決め家を出た。
1時間ほどかけて村に着くとそこから馬車に揺られようやく夜ごろ街に着いたのだ。
「街だー。おっきー。」
「マリス、なにからなにまで世話をしてもらってすまない。」
「いいのよ。そんな気にされたらそれこそ困るわよ。」
優しいマリスと明るいリリスのおかげでここ数日楽しいのだからほんとありがたいなと思う。
商用ギルド兼魔道具のお店出張所。
街の中でも目立つ場所にあるお店に入るととても賑わっていた。
美人なおねーさんのカウンターは人が多いので空いているおじさんに話しかける。
「商業ギルドにようこそ。俺のカウンターに立つとは一見さんだな。登録か?」
「えっとゴブリンのコアとそいつの持っていた剣を買い取ってほしいと思いまして。あとポーションの買い取りとかもしてますでしょうか?」
じっと俺のことを見ているおじさんをよそに周りでは何言ってるんだこいつみたいな声が出ていた。
「えっと・・・こちらではまずかったのでしょうか。」
「いんや、問題ないぜ。とりあえず身分証明だせるもの出してくれや。」
この世界に突然送られたのだ。そんなもの持っているわけなどない。
「うーんだんまりかぁ。犯罪者じゃねーかみたいだけだから先にギルド登録してくれや。」
すっとだされた金色のプレートの真ん中に針がついているもの。
「さー手を針の上にかざせ。犯罪者ならそいつが刺さるって寸法だ。安心しろ。」
もはや断ったら犯罪者認定じゃないかとしぶしぶかざすと針が手のひらをなぞった。
「よし問題ないよう・・・ちょっとこっちにこい。」
異世界人だとばれたのではないか・・・
部屋に案内(連行)されたのだった。




