だらだら過ごす日々
俺は家を手に入れてから一か月、まったりとした生活を送っていた。
「りょーた、リーラのところに行ってくる!」
「それじゃ私も一緒に行くわね。」
「行ってらっしゃい。」
最初の頃は危ないからと俺も一緒について行ってたのだ。
まぁ何かあった時、守ってくれるのはアリアだけど。
しかしある時
「リョータを帰りまで待たせていてはゆっくりっできない」
とマリスに断られてしまった。
さて俺は・・・
ハイポーションを量産してもさすがに怪しまれるし、家事全般はシルキーがしてくれている。
まぁ、姉のほうは弟を扱き使い、全く仕事をしないのだが。
それならばと、アリアに格闘技を学ぼうと思った事もあったが、レベルが高いのに身体能力の上がらない俺は、才能がないらしく引導を渡された。
ということで出来る事といえば、魔力強化だろう、といきついたのだ。
アリア曰く通信機に魔力を送り続けていれば、魔力は消費されて強化されていくらしい。
「毎日毎日うるさいんじゃボケ!」
突如聞こえてきたその声は通信機からだった。
俺の隣に居たアリアはギョッとした顔をして固まっている。
どうしたものか・・・。
「なんとか言ったらどうなんだ?あ?」
「あの・・・繋がらないと思ってまして。どうもすみませんでした。」
怖くなって通信機に魔力を送るのを止めたが、折り返し電話が止まらない。
「えっと、どちら様で・・・」
「あれ・・・アスラじゃないの。私、死神だけど。」
誰だこいつみたいな感じで落ち着いてくれた。
「あなたに娘を助けろと、飛ばされた良太です。おかげで幸せに暮らせてます。」
「この通信機、神器なのにアスラの奴置いてったのか・・・。
はぁ、リョータくん見てたよ。いあー、母親まで助けるとは思ってなかったんだけどね。
通訳機能しか与えないつもりがね、めんどくさくなって適当にしちゃってね。
変な能力ついちゃったみたいだけど、お礼だと思って好きに使って良いからね。
あとそこの黙ってるアスラの人形。この通信機壊しておいてね。五月蠅いから。」
言いたいことだけ言うと、人の話も聞かずに切りやがった。
リリスを助けろと、どうして俺を送ったのか聞こうと思ったのに。
アリアは、慌てて俺の手から通信機を奪うと、賢者の石を突き刺して壊した。
神器すら壊す賢者の石・・・。名前を破壊の石とかに変えればいいのに。
「はぁ、しかたないマスター。これからは私に魔力を流すといい。
めんどくさいけど、吸う量調整するから。」
めんどくさいとか、死神をモデルに作ったんじゃあるまいな・・・。
マスターと言いつつ、絶対俺のことを主と思ってないだろう態度にはなれたけど。
手を出してきたので腕を握る。見てくれだけ良いアリアの手を握ってて誤解などされたくない。
「腕はさらに調整めんどくさいのに、まぁ小心者のマスターなら仕方ないか。」
最近掴んできた魔力の限界の1歩手前までで送るのを辞める。
「結構良い魔力量だった。この調子なら100年後には石が触れるかもしれない。」
「100年か。頑張ろう。」
それから更に半年ほど経ち、ローンを早期完済し終わった頃、問題が起こったのだ。




