おひとり様
「おはよー。」
「おはよう。リョータ。」
マリスは既に起きていたのだろう。
しかしどこにもいかず、同じベッドで俺が起きるのを待ってくれていた。
マリスの艶やかさに襲い掛かりたい気持ちが湧いてくるが、夜に敗北し続けたので体が筋肉痛になっている。
「ご飯を街で食べながら、リリス迎えに行きましょう。」
俺の様子を見て慰めてくれるマリスは、とても優しい顔をするのだから、見るたび惚れてしまう。
「そうだね。そうしよう。」
余った薬草を使い8本分瓶へと移し、自分達用のハイポーションも2人分コップに入れた。
マリスと飲み干すと筋肉痛も頭もすっきりとしたのでリリスをご飯を食べながら迎えに行く。
「さて今日か明日か私は前の家に行くけどリョータはどうする?」
「マリスに何かあったら不安だし、一緒に行くよ。戦力にはなれないけどさ。」
「ううん、嬉しい。ありがと。
あっ、こっちでもポーションにできる薬草って、買えるのかしらね?」
「そうだね。ギルドに着いたら、薬草を買ってみよう。」
そんな話をしながらギルドに着くと、俺の顔を見た受付嬢が恒例のように、ギルドマスターを連れてきた。
「おー、リョータ。奥さん。こちらへ。」
リーラの部屋に行くと、ノックをして入る。
「ママ―。リョータ。おはよー。リーラとお泊り楽しい!」
「よかったわね。リーラちゃん、リリスの面倒を見てくれてありがとうね。」
「ママ、私面倒かけてないよ。」
リリスはエッヘンと、やりきった顔をして訴えていたのでマリスが頭を撫でている。
「リーラちゃん、これ飲んで。」
俺は作ってきたハイポーションを渡す。
「ありがとうございます。」
丁寧にお辞儀をこちらにしてから飲んだ。
「リョータありがとうな。
それじゃリーラ、俺はリョータと話があるからあとでな。」
俺を連れてギルドマスターは部屋を変えた。
「リョータ、気持ちは嬉しいが、金はしっかり払わせてくれ。
俺は商業ギルドのマスターだからな。」
「わかりました、ありがとうございます。
あと妻にお金を渡したいのですが、妻のギルドカードも作れますか?」
「別にギルドカードは要らんだろう。
金のやり取りをするだけのカードは、普通に作れるぞ。」
なるほど。一般の人への銀行もやっているのか。
「それと明日には引っ越しの準備をしたいのですが2、3日程、馬車と運転してくれる人を手配することって、出来ますか?」
「構わないが、リョータは一度街を出るのか?それなら馬車に警護を付けたい。」
俺というよりハイポーションに警護を付けたいんだろうな。
「わかりました。こちらとしても安心できるのでお願いします。
後、薬草も欲しいのですがここで売ってますか?」
作ってきたハイポーション7つを机に出しながらお願いした。
「何に使うか判らないが、ある程度なら用意出来る。
あとこのハイポーションは、俺に売るってことで良いよな?」
「ギルドの貢献度の問題がなければ、お願いします。」
「ここのルールは俺だ。安心しろ。」
とハイポーションを持って部屋を出て行った。
暫くすると、麻袋一杯に薬草を持って戻ってきた。
「一級品の薬草だ。見てみてくれ。」
なるほど、マリスの集めてくれていた薬草と変わらない。さすがだね、マリス。
「これ全部欲しいです。幾らになりますか?」
「1万ギランだな。今日の支払いから引いておくから、持って帰ってくれ。」
「助かります。」
話も終わったのでリーラの部屋に行くと、マリスもリリスも楽しそうに話していた。
「りょーた。ママもリーラとお友達になってねー。一緒にお泊りしよーってなったの!」
「そういう事なんだけど良いかしら?」
マリスはとても笑顔だった。母親として頑張ってきたとはいえまだ24歳だ。
年の合うリーラと会えて楽しいんだろうし、俺は寂しいけど良い事だな。
「うん、明日馬車を用意して貰うからその時迎えに来るよ。」
やったー。と3人で手を握り合ってる姿は尊かった。
そして俺は、この世界に来て初めての1人飯をして、我が家に帰った。




