表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大魔王ターニャんの致命的な誤算  作者: 籠崎 莉々
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/37

第17話 記録される正義

 聖教会本部。

 高天井の広間に、緊張が満ちていた。

 

「……繰り返す」

 

 低い声が、響く。


「枢機卿ゼファエルは、死亡」

 

 ざわめき。

 

「現場にいたのは――」

 

「英雄ターニャ、および同行者である聖女リリ」

 

 空気が、凍る。

 

「……そんな……」

 

 誰かが、呟く。

 

「映像記録を再生する」

 

 空中に、光が展開される。

 

 ――塔の内部。

 

 雷魔法を受けて倒れるゼファエル。

 

 その前に立つ、ターニャ。

 

 “その瞬間”だけが、切り取られていた。

 

「……これは……」

 

「言い逃れはできまい」

 

 冷たい声が響く。

 

「だが……動機が不明だ」

 

「魔王討伐の過程で、思想が歪んだ可能性も」

 

「あるいは――」

 

 一人が、言葉を選ぶ。

 

「最初から、こちら側ではなかったか」

 

 その場が静まり返り、

 

 誰も、否定する言葉を持たなかった。

 

「……指名手配を発令する」

 

 決定が、下される。

 

「捕縛を最優先」


「あわせて、聖女リリの奪還」

 

「抵抗した場合――」

 

 一瞬、言いよどむが言葉は続く。

 

「封印、または処分を許可する」

 

 重い言葉が、落ちる。

 

「……英雄を、か?」

 

 かすかな疑問。

 

 しかし。

 

「もはや“英雄”ではない」

 

「神に背いた時点で、それは“脅威”だ」

 

 その言葉は。

 

 あまりにも、正しかった。

 

 だからこそ。

 

 誰も、反論できなかった。

 

 

 こうして。

 

 

 記録は、確定する。

 

 

 真実ではなく。

 

 

 “正義としての記録”が。

 

 

 

 逃亡者は、かつての英雄ターニャ。



 そして攫われたとされる聖女リリ。

 


 追跡は、始まっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ