1話
入学から2ヶ月が経った
ノートと教科書を広げ、授業を受けている
いや、良く言えば聞いているだけ、実際は授業にいるだけだろうと心の中で愚痴る
はぁ。とため息をつく、授業中なので心の中でだが
それでも、たとえ家に帰ったらすぐ忘れてしまうとしても、聞いておかなければ
追いつくのは夢のまた夢だろう
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまで、次回の授業までにちゃんと復習してきてくださいね」
よし!終わった!と心のなかで歓喜の声をあげる
しかしすぐに落胆することとなる
どうしていつもこうなんだ
心のなかではやる、やりたいとずっと思っているのにやれない
最初の一歩が踏み出せない
そうして自己嫌悪に陥る
いつもの流れだ
「な~に辛気臭い顔してんの」
と彼女がいつものように声をかけてくる
彼女は幼馴染の愛莉
ぼくなんかとは違い彼女は推薦枠でこの学園に入ってきた
昔はぼくのほうが強かったが、あっという間に抜かされてしまった
なにもしなかったぼくと努力し続けた彼女、どっちが強くなるかなんてだれでもわかる
「ま~たネガティブなこと考えてるでしょ!」
おーい、愛莉!木村先生が呼んでるぞ!
「え、あぁ!そうだった!ありがと陽斗またね!」
そう焦ったように言うと急いで教室出ていった。途中何かを言いかけたが口には出さずそのまま出ていった
しかし、そそくさと帰りの支度をしている陽斗にはそんな彼女の様子に気付くことはなかった。
放課後
普通の学校なら部活などをやる時間だが魔法学校は少し違う。
少数派ながらも一般的な部活動もあるが大部分は魔法や剣術などを学ぶ場となっている。
剣道をはじめとする武道に類する部活はない、というのも魔物を相手にするには心身を鍛える武道よりもより実践的なものを学んだ方がいいからである。
放課後に自発的にやるという意味では部活動ではあるが授業の延長線上にあり、決められた日に同じ内容をやるのではなく、その日それぞれにやりたいことをやれるため部活動とは言い難いがそれはそれはとして大部分の生徒がそれは部活動では?とは思っている。
閑話休題、
しかし陽人はそんな部活動に特に参加することなくすぐに帰る、世間一般的に帰宅部というやつだ
そして魔法学校には宿題という宿題が無い。
というのも、家で不完全な状態で魔法の勉強をされると困るので学校側が基礎教科以外の自宅学習を禁止しているためである
そのため、家に帰っても特にすることがないのが陽人である。
こんな生活を繰り返していたら、すっかり教師などから見放されたというわけである。
陽人の名誉の僅かながらの名誉のためにも少しばかりの弁解をさせていただこう、最初の方は色々な魔法の部活動にでていた。もっとも強制的に参加する体験の時期だったが魔法がほとんど覚えられなかったのだ、これが仮に魔法を一切覚えられない、使えないなら諦めもつく、またそういう人向けに普通科に転科することができる制度もあるが、中途半端に使えるし覚えられるのだそのため普通科に転科できる条件から外れてしまった。
また更に問題として魔法属性がわからないのだ、魔法属性を見極めどのように己の適正を伸ばせば良いか、それこそが魔法学校の最初の目標にして目的なのだ。
しかしながら陽人が使えるようになった魔法は魔法を使える適正が少しでもあれば使えるような魔法ばかり覚えていった。
魔法がほとんど上達していかないのだやる気を失うのも当然のことだろう
そんなわけで帰宅部となった陽人にとって何一つ変わらない日今日も過ぎていったのだ




