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【現実世界・和風】短編~長編

「このひと、私の婚約者ですから!」と嘘に巻き込んだ御曹司が、なぜか話を合わせてくるんですが!?

作者:有沢真尋
腹黒御曹司×逆境にめげない頑丈な女
嘘から始まる意外に甘々な偽装婚約関係!


 ★

 どうせ会社を辞めるのだ、どうなったって構いはしない。

 その日、白築(しらつき)アリスはそれまでの二十六年の人生で、一番自暴自棄になっていた。
 理由はありふれたもので、婚約者の浮気である。
 しかも。

「白築さん。斎藤くんから聞いていた話は、事実だったのね」
「はい?」
「あなたが、斎藤くんにストーカーしているっていう話」

 私が、ストーカー!?
 彼に何かとお金をせびられて、結婚するからと深く考えずに渡していたら……

「入社以来『彼女がいるから、付き合うことはできない』といくら斎藤くんが断っても、あなたのほうから『遠距離なら少しくらい遊んでもバレないから』と執拗に迫ったのだとか。しかも最近になって『ホテルに行かなくても、一緒に食事してくれるだけでもいい』としつこく言って、何度も奢らせてずいぶんお金を使わせたんですって?」

 アリスに「付き合っていることは、まだみんなには内緒に」と言っていた婚約者は、用意周到に社内に嘘の噂を広めていたのだ。
 誰も、アリスの言い分に耳を貸さないように。

 このままだと、絶体絶命。
 会社を辞めるしか無い。

 自暴自棄になったアリスの前に現れたのは、創業者一族の若手エリート、王子様キャラの弓倉海(ゆみくら・うみ)。

(お付き合いして陥れられるにしても、弓倉さんレベルだったら納得できたのに……!)

 やけっぱちになったアリスは、海のもとへと歩み寄り、ぴたりと寄り添って明るい声で宣言したのだ。

「なんのことかわからないんですけど。私、弓倉さんと結婚を前提にお付き合いしています! 来月の誕生日に入籍しようねって、昨日も話し合ったばかりで」

 嘘だった。
 もうどうにでもなれ。
 人生の最後に、イケメンの彼氏がいたという妄想にでも浸りたいだけ!

 そんなアリスを抱き寄せて、海もまた笑顔できっぱりと言い放った。

「実はそうなんです。僕たちお付き合いしているんですよ。いい機会だから皆さんも知っておいてください」


 え……

 ええーーーー!?

 ただの自棄で嘘とはったり、しかし引っ込みがつかなくなりまさかの御曹司と婚約!?


※他サイトにも公開しています。
プロローグ
2025/05/15 22:15
2,変わる決意
2025/05/16 22:45
4,Pardon?
2025/05/17 21:05
8,言葉にならない
2025/05/19 18:40
11,長い夜に
2025/05/20 20:00
13,おかえりなさい
2025/05/21 14:50
14,鼓動の速さ
2025/05/21 20:45
エピローグ
2025/05/22 17:40
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