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おかえり

『お疲れ様でしたー!』

 

 そう言ってビクトリアはスタッフさんに挨拶し、撮影現場からスキップで帰る。その時ポップな音楽が流れた。

 

『みんなー?今日も1日ファイトだヨ!』

 

 そして緑色の飲料を美味しそうにゴクゴクと飲む。

『ドラゴンライダーの必需品…』

 

 UDDと書かれたラベルのペットボトルがどこからともなく出現する。

 

『新発売アルティメット・ドラゴン・ドリンク!』

 

 そう言って、ビクトリアは相棒の緑竜グリーンに乗って大空へ舞い上がった。

 

 

 

 6月14日木曜日。

 モーブ・ルーナは登校した。

 

「おはようルーナ!今日のビビたんのCM見たか!?」

「おはようグレン君。まだ見てないな」

 

「もったいねーぞ!」

 グレンは珍しく早く教室に来ていた。それは朝見たUDDのコマーシャルで目が覚めたからだろう。

 

 しばらくして、ペイジが来る。グレンは同じように問いかけた。

 

「一応チェックしといたわ」

 彼女は少し淡白に言う。

 

 彼女は上の制服を着ていおらず、カッターシャツだけになっている。最近暑くなってきたのでグレンもそうしている。

 

「おいグレン!朝からビビたんがテレビに映ってたぞ!」

 シャクティンは望む回答をしてくれた。

 

 彼はサングラスを常備するようになった。本人いわく「これなら女子を見ても安全だ!」らしい。

 

 この4人は和解しており、今では一緒に食事をする仲だ。

 

「どーせあなたのことだから、録画してコーフンしてたんでしょ?」

 ペイジの鋭い指摘に図星になるふたり。

 

 バシッ、バシッ!

 注意喚起、男達はとりあえず感覚でビンタされた。

「ありり〜…」

「いってーな」

 

 グレンは瀕死だが、シャクティンは頑丈なためそこまで痛がらない。ペイジのサンドバッグ役として便利である。

 引っ込みじあんな性格のルーナも、ペイジを経由して様々な交流ができるようになった。

 

 しかし、ヨシノミライ学園で事件が起こらないはずがないのだ。

 

 ◇◇◇

 

 ビリジアン・ビクトリアはドラゴン道路を飛んでいる。

「ふ〜、意外と長居しちゃったな」

 

 彼女はやり切った顔である。それもそのはずで、重大なイベントがふたつもあったからだ。

 

「特別レースで注目を集めよう、って思ってたけど、まさかの直前にオファーが来るとは思わなかったヨ」

 ビクトリアが言っていたアレのことである。

 

 1つ目はCM撮影。

 これはアイドル時代の頃から芽生えた夢。開発者であるペガ先生からUDDのイメージキャラクターに推薦されたこともあり、実現に至った。

 

 2つ目はシングル曲ができたこと。

 これは幼い頃からの夢だった。これまでアイドルユニットとして、彼女はいくつもの曲を歌ってきた。

 しかしやがて欲求は高まり、シングル曲を望むようになっていた。

 

 そして長居することになった理由こそ、新曲のM(ミュージック)V(ビデオ)を撮影していたからなのだ。その曲はCMでも流れている。

 

 爽やかでポップな曲『ゲキシュワ☆メロンソーダ』。作詞作曲は、有名アーティスト兼プロライダーのネイビー・サニーサイドさん。

 

「久しぶりに、みんなに会えるんだ。ちょっと緊張しちゃうかもー」

 

 

 

 早朝にも関わらず、ステンレス製の門前には人だかりができていた。

 

「ただいま!」

 スタッと下りて、ビクトリアはビビたんピースで参上する。

 

 ワアアアァァァ!

 

「待っていましたよ!オエェ…興奮し過ぎて回転が止まらないでござんす…」

「Oh…これが生ビビたんか…。生きてみるもんだな…」

「帰ってきた、僕達の天使が帰ってきたんだ!」

 

 ラキア、シャクティン、グレンを筆頭としたメンバーは少し壊れ気味だ。

 

「あれ?桎梏は一緒じゃないの?」

「へ?」

 ペイジの問に、ビクトリアは首を傾げる。

 

「ここ数日、旦那が行方不明になっていまして…。ビビたんと一緒にいないなら、いよいよ本当にマズいことに…」

「それは大変じゃん!」

 

 王国誕生祭以降、スプリーウェルは行方不明なのだ。夏シーズンに出席すらしていない。

 彼の相棒である黒竜ブラックは、ここに預けられている。本当に彼だけいない。

 

 その事実を知って、焦るビクトリア。

 彼女の兄であるアッシュ・スプリーウェルの危機。彼を学園に連れ戻さねば!

 

「明日の土曜日、早速スプリーくんを探しに行くヨ!」

 

 『失踪しっそう事件』を解決するべく、4人の捜索隊が結成した…!

 

 ◇◇◇

 

 とゆーことで6月16日土曜日。

 

 赤竜レッド、桃竜ピンキー、緑竜グリーンは東区の都市ガラティアにやってきた。

 

 中央に豪華な屋敷があり、縦に長い民家がそれを包むようになっている。郊外は壊れそうな家ばかり。


「ドーナッツみたいな街だな」

「みーなすぅわーん!待ってましたー!」

 ドラゴン道路から抜けた場所に、ベルディグリ・ラキアと翠竜ジェードが待っていた。

 

 彼は素晴らしい見た目だった。

 緑色の『ビビたん命』と書かれたはちまきを付け、蛍光色っぽい緑の上着も装備。

「はぁ…」

 なるべく目立たないようにして来たビクトリアの努力はチャラにされた。

 

「はい、はい、あなた達有志メンバーには、僕からプレゼントが!」

 

 グレンとペイジはチップを渡された。

 これは市販の音楽レコーダーに曲をダウンロードするためのもの。

 ビクトリアの新曲、ゲキシュワ☆メロンソーダだ。

 

「仕事が早いなぁ」

「へへへ、発売日から10個程予約してましたので…」

 少し悪い顔でケラケラ笑う彼らを、すこーし冷たい目で見る女子達。

 

 スプリーウェル捜索メンバーは、この4人だ。

 

 まず隊長のビクトリア。

 ガラティアの土地に詳しいラキア。

 ビクトリアの友人ペイジ。

 おまけのグレン。

 

(僕の理由!)

 

「スプリーくんはジャイタウンではなく、ガラティア(ここ)で過ごしていると聞いたヨ!」

 

 ビクトリアは小型望遠鏡を取り出す。そしてそれを掲げた。

「いそうな場所を決めておいたので、そこを探そーう!」

「「「おーー!」」」

 

 振りあげられる拳。

 かくして、スプリーウェル捜索隊の任務が始まった…!

ゲキシュワ☆メロンソーダ

 

 次回、スプリーウェルを探せ!

『捜索』

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